「アミバ!」トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)
アミバ!
優れたアクション映画は、
単に体を動かすだけではなく、
闘いながら、
その背後にある登場人物の感情や物語を描き出すことで、
観客を深く引き込む。
闘いの中で、
キャラクターたちは成長し、
変化し、そして時には犠牲を払う。
アクションシーンは単なる見せ場ではなく、
物語を推進し、
キャラクターたちの心の動きを表現、
敵、味方、兄貴との物理的、精神的位置関係をマッピングしていく重要な要素となる。
ドラマシークエンスとアクションシークエンスがシームレスに繋がり、
観客が物語の世界に没入できる作品こそが、
おもしろいアクション映画と言えるだろう。
アクション=ドラマ
しかし、このバランスをとるのは容易ではない。
スポーツ映画では、点数、ポイント、
競技中のボールの動き、観客席等から、
その時の感情や戦略を読み取ることができます。
(「チャレンジャーズ」参照)
観客は、勝つために必死に戦う選手の気持ちに共感し、
試合の行方に一喜一憂する。
しかし、
格闘アクション映画では、
この「気持ち」と「動き」を同時に表現することが非常に難しい。
格闘シーンに感情表現を過度に盛り込むと、
テンポが遅くなり、アクションとしての迫力が失われる。
本作は、この難しい課題を見事にクリアした傑作と言えるだろう。
敵、味方、そして敵の敵というシンプルな構図でありながら、
少なくない登場人物それぞれに明確な動機と個性を与え、
観客に感情移入させている。
チャン・イーモウの、
ワイヤーワークより、
短くタイト、
ジョニー・トーの、
絆、友情より濃いめ、
ウォルター・ヒルの、
ウォリアーズより、
長いトワイライト。
更に、
アミバ、ジャギのようなキャラまで含ませている。
もちろん、
川井さんの音楽、
谷垣さんのアクション、
プロダクションデザイン等アートワーク、
それぞれ難易度は高い事は、
いうまでもないだろう。