劇場公開日 2025年1月17日

「1980年台の勢いのある香港映画を思わせる映画」トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 ジャッキー西矢さんの映画レビュー(感想・評価)

4.51980年台の勢いのある香港映画を思わせる映画

2025年1月23日
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鑑賞方法:映画館

先週土曜日見てきました。
トワイライトウォリアーズ 決戦!九龍城砦(きゅうりゅうじょうしょう)

その名の通り香港返還前にに実在した九龍城砦を舞台としたアクション映画。

九龍城砦はもともと
1898年香港がイギリス領土となって中国がイギリスを見張る為の建物だったそうだが…これって香港領土になったんだけどどうして中国が…と言った事から、どこにも属せない地域、いわゆる無法地帯になってしまった。1960年には木造からコンクリート建てになり、建て増しを繰り返す事で12階建てに。当初5階までにしないと飛行機が着陸できないとのハナシがきたがそんな事聞く耳持たず。やむなく飛行機が建物スレスレで着陸することになったと言う、正に無法者の城砦なのである。
 無法地帯を誇る(!?)城砦も永遠に続くわけでなく
香港が中国返還される1997年より前に空港整備のため取り壊された。

物語は
1989年1人の中国人の青年(主役)が香港に密航し、トラブルに巻き込まれて黒社会(サモハン率いる悪の軍団)に追われる羽目になり、逃げ込んだ先がたまたま九龍城砦であった。侵入者として痛い目に遭わされるが、事情が分かり何とか収束。
とはいうもののよそ者なので人々は排除的だった。しかし青年(主役)は九龍城砦のルールを守る、つまり一生懸命働く事により徐々に受け入れられてゆくようになる。主役の青年はようやく自分の居場所を見つけることができた。ここで生きていくーと決意をするのだが…と言ったお話。

ここからは感想。

映画の題名及びポスターまたは出演者を見ていたら「暴」の一言しかしか思い浮かばないのだが、いろいろ思い出させてくれる作品だった。

不均衡な大きい城と言うべきか街というべきか子供の頃見つけた廃屋の秘密基地と言うべきか、九龍城砦内は2人並んで歩くのがやっとこくらいの狭い路地が迷路のようにあり、その中に沢山の人が料理屋さんが、雑貨屋さんがあったり、散髪屋さんがあったりと人々が所狭しと日々を生きようと生き生きと生活をしている。荒れた世界なのに…貧しいながらも…いや、貧しいから秩序があったのだろうと懐かしく感じた。
そういやコンビニできる前のハナシだが昔はご近所付き合いとかあったな。醤油分けて〜とか、お裾分けとか。
また、悪い事したらご近所さんが本気で叱ってくれたりしたな〜と。

言葉は全編広東語で安心した。
何を喋っているかは分からないが、中川家の礼ニがやっている中国人のモノマネみたいなイントネーションだ。
まるで中国返還前の勢いのある香港映画を見ているようで何処か私のココロは弾んでいた。

また、映画の製作陣やセットの美術さんの本気が見えた。
本当は芸術作品クラスのセットを作りたいはずなのにトコトン荒れていた。
これもプロ根性といえるくらい本当の荒れ具合に見えた。

まだ見ていない方は是非劇場に足をお運びください。

ジャッキー西矢