名もなき者 A COMPLETE UNKNOWNのレビュー・感想・評価
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音楽というツール
洋楽は聞かない。だからボブ・ディランの事もよく知らない。でも「like a rollimg stone」のフレーズだけは耳にこびりついている。
どの年齢だったかの僕の胸に刺さったんだと思う。そこからずっと刺さってる。そういう事が出来てしまう部類の歌手なんだと思う。
カントリーとフォークの違いも勿論分からない。両者ともおとなしい音楽ってイメージだ。でも、ボブのフォークはなんか違う。メロディラインは踏襲していても歌詞が鮮烈だ。歌詞だけ読んでるとロックにも思えてくる。なのだが、その痛烈な歌詞が紡がれていくと、深いテーマに辿り着く。
不思議な感覚だった。
1本の映画を観てるってな語弊はあるんだけれど、それくらい起伏に富んでた歌のように思う。
シャラメ演じる作中のボブは、なんだかずっと"漂ってる人"みたいで…こんな人だと形容し難い。形がないと言うか、型にはまらないというか、彼自身を転がる石と例えていいくらい頓着がない。
あの気だるい声のせいかとも思うのだけど、サングラスから時折覗く目からも覇気はほとんど感じない。それはステージにあがってもそうで…自然体といえばそうなのだろうし、無頓着と言えばそうなのだろう。
作中の曲にLOVEにまつわる曲がなかったのも、そう思えた一因だった。
いっぱい歌ってんのかもしんないんだけどさ。
なんか軋轢とか反抗とか打破とか、なんとなくだけど下から上を睨みつけてるような歌詞が多かったように思う。日本のフォークソングだと「神田川」くらいしか出てこない程、音楽には疎くて、俺の知るフォークソングとはかけ離れてる。あ、でも、中島みゆきさんの「時代」とかもその部類なのかな?
型を押し付けられのは嫌いみたいで…でも自由でいたいのともまた違うくて、自分の個性を侵犯されるのが嫌みたいな人だった。
そんなBDはミュージシャンで唯一、ノーベル文学賞をとった人なのだとか。55枚ものアルバムを出す程、吐き出したい想いやぶつけたい想いがあったのだろうなぁと思う。授賞式にはやっぱり出席しなかったみたいだけれど。
シャラメの歩いてる姿勢がめちゃくちゃ綺麗で…高潔さを感じてしまう。実際のBDもそうだったとするならば、外面と内面はかけ離れてる人なんだろうなぁとも思う。
一つ気にかかるのは、BDがミュージシャンを志した動機みたいなのが語られなかった事だ。ミュージシャンになりたかったのだろうか?
ひよっとして「好きなミュージシャンを自作の歌で励ましたかっただけの人」とかの方が、色々辻褄が合うような気がする。
売れる歌とか共感とかじゃなくて、音楽ってツールを使って、自分の想いをただただ吐き出し続けたってのが動機なような気もしなくはない。
世界一我儘な音楽家だったのかもね。
ティモシー・シャラメが良い
ボブ・ディランの伝記映画。
ギターかついでNYに出てくるところからの5年間を描いた作品。
「風に吹かれて」、We are the world*USA for Aflicaに参加、ノーベル文学賞受賞。ボブ・ディランに関する知識はこのぐらいしかないのだが、詩人のイメージを持っていた。
劇中、歌詞を聞いていると(字幕で読んでいると)更にそう思えた。曲が沢山聞けて最高だった。
フジの昔のドラマ「愛という名のもとに」(野島伸司)で、「友よ、その答えは風に吹かれている」というセリフが何度か出てくる。ガロの「学生街の喫茶店」にも「♪ボブ・ディラン~」という歌詞がある。日本人にも多大な影響を与えているのだなーと思う。
無名だったミュージシャンの才能が発掘される瞬間を垣間見れたし、ニューポート・フォーク・フェスの場面は彼の転換期として知れて面白かった。
筋と関係ない場面では、Jキャッシュがフラフラな状態で、コーラのビンをボンネットに載せて落として割り、2台の車に突っ込んだところが気になった。(ありゃひどいw)
日本人の妻を持つピート・シーガー役を、日本在住経験のあるE.ノートンが演じたのも興味深かった。
2010年代映画館行ってない、映画ブランクある私はティモシー作品がチョコレート工場に続き2作目。すごい印象が違って素晴らしい!
新しい風
彼の自然なスタイルが平和で混沌とした
アメリカの時代を変えた。新しい自由な
風を吹かして。
家族との関係を絶ちきり『曲の中に答えがある』
演出。
ティモシー・シャラメの5年の猛特訓も
さすがだが、ピート・シガーを演じた
エドワード・ノートンも僅か2ヶ月で奏法
と歌唱をマスター。降板した役者の変わり。
凄い役者魂である。
ピートの奥さんの眼差し。
客観的に見る視線。
これが、今の観客の姿かもしれない。
時代が変わるシーンを見せつけられた瞬間。
最後は観客も歌詞を理解しスタンディング。
ボブの悩みと葛藤が良く分かった。
新しい風のみが知ってるんだね。
♪♪『風に吹かれて』は
よく耳にする曲だけど、ボブ・ディランの事はあまり知らなくて、ノーヘル賞には先約があるからと受賞式も欠席とか。
シャラメ君は良かったなぁ。なんとなく上目遣いでボソッと話す感じや、天才ならではのストイックさや孤独感が滲み出ていた。
露店で買った(何ドル札?)サイレン音の笛をレコーディングスタジオで「これを使おう!」って言った時は、数少ない笑顔で嬉しそうでした♪
NHKBSで久しぶりにアカデミー受賞式も観れて、シャラメ君のクリームイエロー色の(金かも?)スーツも似合っていて、素敵でした◎
ジョーン役のモニカ・バルバロさんは、助演女優賞ノミネートで映ったテレビでは、最初はあの役だと分からなかったぐらい。
映画では肌の色も変えてたんですね。
彼女の歌もギターも聴き行ってしまう程上手くて、役作りにあっぱれ!
好きなシーンは、元恋人シルヴィとの別れの船着場。フェンス越しの切ない触れ合いが、絵になっていて刺さりマシタ。
鑑賞後は、「朝日の当たる家」をYouTubeで聞いて余韻を味わいました。◎
ティモシー・シャラメ!煌めく存在感!最高!
⚫︎過剰な音や演出の無い映像が良い!
語り過ぎないセリフと映像、音楽で自分を表現したいエゴとピュアが混濁する刹那に引き込まれました
19歳からのほんの数年を描くシンプルな設定、私は、ボブ・ディランの始まりも全盛期も知らない世代ですが、彼のメロディーに重ねて描かれる苦悩や覚悟や葛藤がストレートに響きました!楽しめました!
関わる人々の描き方も良かった!彼の才能を見守る眼差しとともに青春があったという構成が優しく心に響きます
Dolby Atmosスクリーンでの鑑賞が大正解、大満足の作品です!
⚫︎ティモシー・シャラメ!最高!
予告編を観て魅力爆発の予感しかなかったけど、シャイでナチュラルな子供のような表情がイチイチとても良い!
ウソつきで気まぐれでわがままを貫く男を嫌味なくキュートに演じたティモシー・シャラメ、最高でした!
カリスマになってく男って、無自覚に周りを傷つけながら自由に生きていくのですね、きっと、笑、そんな若くて未熟で身勝手な男をキュートな魅力を散りばめながらジェントルに演じたティモシー・シャラメ!素晴らしい!
⚫︎スターダムにのし上がってく高揚感とピート・シガーの存在!
ボブ・ディランの才能を見出したプロデューサー的役割のピート・シガーを演じたエドワード・ノートンの存在感が格別!
1965年伝説のフェスの翌日、黙々と会場の後片付けをする彼の後ろ姿に漂う哀愁、痛いほど胸に沁み泣きました
彼は、フォークフェスを継続してきたこれまでを、まるで子供に諭すようにボブ・ディランに話し、フェスの観客が望む楽曲を演奏するよう伝えたけど(懇願するように)、ボブ・ディランが出した答えは、、
それでも彼は、フェスの後、ボブ・ディランに非難の言葉をかけることはしなかった(実話は違うのかもしれないけれど)
映画の中のピート・シガー、理性的で柔軟な大人として多くを語らず描かれていたため、スターダムをかけ上がる高揚感を映す映像の余白、優しい余韻に浸ることもできました
⚫︎大好きなシーン
朝起きてベッドの上でギターを鳴らし歌うボブ・ディラン、その歌に音を重ね一緒に歌うジョーン・バエズ
美しいハーモニーが生まれる瞬間、ふたりのピュアな表情が素晴らしい!
メロディーが生まれる瞬間の煌めきと美しさに心撃ち抜かれ、涙止まらず
⚫︎最後に
ボブ・ディランが日本のフォーク界へ与えた影響の大きさは、私のような音楽素人でも感じ取ることができ、メロディーと歌詞を噛みしめながら、日本のフォーク界を牽引した偉大なバンドやシンガーソングライターの方々の顔が浮かびました
当時の若者たちは、レコード買って何度も聴いて、耳コピして、完コピして演奏していたんですょね、きっと、
彼の楽曲をリスペクトする青春時代を経て、自分の音を見つけ演奏する若者たちが今も世界中にいる!その事実が尊くて胸熱
「born in time」が一番好き❤
最初にこの映画のボスターを見たのは、ロンドンのウェストエンドだった。そこら中に貼られていた。
だから、
「ボブ・ディランのコンサートがロンドンではやるんだ」と思ってしまった。ガッカリ何だけど、
それは兎も角、この映画のテーマは音楽で社会は変えられないと言う事を二人の女性とP・シーガーさんとの関係で描いているなぁて思った。
「ライク・ア・ローリング・ストーン」
「風に吹かれて」
「タンブリンマン」
と続くエンドロールは良かった。
「ライオンは寝ている」が原曲じゃないと初めて知った。
ヤッパリ、ジョーン・バエズと
ボブ・ディランの輪唱気味の「風に吹かれて」は、ハモっていてすごく良いね。
御存命なので、断定したくないが、フィクションだと思う。テーマは良いと思うが、プライベートな事は余り掘り起こさない方が良かったのではないだろうか。ジョーン・バエズは兎に角声か色っぽい。
大好き。大ファン。
思い出した。ウディ・ガスリーの映画見た事ある!題名なんだっけ?
ディランファンから見て
中学生の頃に洋楽を聴き始めましたが、当時のディランの最新アルバムは「INFIDELS」でした。その頃からずっとディランが好きです。
そんな自分から見て、大変面白い映画でした。
これまで、この曲はこのような意図で書かれたこのような内容の歌だと言われていた曲たちの使い方が非常にファン心理を突いててよかったです。
ニューポートでのライヴにおいて物議を醸したフォークファンとの決別の歌、「Maggie's Farm」と「It's All Over Now, Baby Blue 」も良かったですが、そういった世間との戦いではなく、ディランの個人的な心情を表し、自分と彼女とは考え方が違うんだと相手を突き放す別れの歌「Don't think twice, it's aii right」と、「It ain't me babe」の使われ方がすごく良かったと思います。
欲を言えば、キューバ危機を描いたシーンでは、「 Masters of War」もいいですが、ディラン本人が、「戦争で世界が終わるかもしれないから、その時あった曲のアイディアを全部1曲の中に詰め込んだ。」と語っていた「A Hard Rain's a-Gonna Fall」を書くディランのエピソードを見たかったなと思いました。
また、ジョーン・バエズ、ピート・シーガー、ウディ・ガスリー、ジョニー・キャッシュ、ボブ・ニューワース、マイク・ブルームフィールド、アル・クーパーらのミュージシャンたちや、ニューヨーク、ニューポートの当時の風景を見ることができて、とても楽しめる映画でした。
歌に涙してしまった
平成生まれですが、洋楽を愛する両親の影響でボブ・ディランの存在は知っていました。
特に『We Are the World』での彼の独特な歌唱には、子供心にも強く引き寄せられたものです。
しかしボブ・ディランの楽曲と言えば『風に吹かれて』くらいしか耳にしたことがなく、それが逆に良かったのかもしれません。そのおかげで、彼の音楽に触れる新鮮さを感じることができ、またその人生の印象的なシーンにも惹きつけられました。
特に印象に残ったのは、最初のジューンとのデュエット。思わず涙がこぼれてしまい、、ラストに向けては、彼の持ち続けた信念に圧倒され、、自分の信じる道を貫き通す強さ。自分を信じ、突き進んだ天才には誰も敵わない。改めて「信念を持つこと」の大切さを痛感!!!わたしもがんばろう。
ティモシーシャラメはもちろん、エドワードノートン、エルファニングも良かった...
こんなに毒が抜けるもんなのね、エドワードノートン笑。
苦手なジャンルでしたが…
ボブ・ディランについては全く知らず、ティモシー・シャラメが主演ということだけで観てきました。
普段サメだのゾンビだので大喜びしているアホの私にはちょっと合わなかったです。それでもティモシーの歌声、ギターの演奏は素晴らしかったし、他の出演者の歌も同様に、心を揺さぶられるものがありました。あと、エル・ファニングの演技もとても良かったです。そういえば、「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」もこの2人でしたね。本作のエルも最高だったので、彼女には今後もティモシーと結ばれない役をやってもらいましょう(笑)
ティモシー、アカデミー賞逃してしまいましたね…。「デューン2」もあったのでどっちかで取るのだろうと思っていましたが。それでも本作における彼の演技は素晴らしく、感情の機微を体現していたと思います。ボブ・ディランのことは全く知りませんが、ティモシー=ボブなのだと、自然と思える説得力がありました。
最後のフェスのシーンですが、あれってメタル系のフェスで例えるなら、Slipknotがトリで素顔晒してアイドルグループさながら踊って歌い始めるようなもんですよね。(ちょっと違う気が…)スゲーな、ボブ。
素晴らしかった
ボブ・デュランは世代ではなく、アルバムを3枚しか聴いてこなかった。みうらじゅんさん世代のものだ。特に何の思い入れもなく見たのだけどめちゃくちゃ面白いし、曲も演奏も素晴らしい。特にいいのは歌詞が字幕で出ることだ。名曲を惜しみなくたっぷりやる。また、見せ方もよくて、作曲やレコーディングでちょろっと聴かせて、おお!と思わせておいてライブでドカンとやる。2時間半もあるので、飽きるかと思ったらすっごく楽しいまま終わる。
女の扱いがひどい。シルヴィという素晴らしい彼女がいるのに、ジェーン・バエズを彼女の留守中に呼び込んで彼女の部屋でやる。ヒモのくせに。また、ジェーンとデュエットしている時、ジェーンはボブの目をのぞき込むかのようにガン見しているのに、ボブはそっぽを向いている。でも曲や演奏がいいのでこっちまでぽーっとなる。
当時はジャンルの壁が考えられないほど分厚かったようだ。そんな壁を破ろうとするボブを煽りに煽るのがジョニー・キャッシュで、そういう人大好きだ。
Like a Rolling Stone
ミュージシャンたちの伝記映画が絶えず止まずお送りされる時代ですが、今作もボブ・ディランにフォーカスを当てた1本。
生涯を描くのではなく、一つの時代を切り取って描いているというのもあってしっかりまとまっていました。
時間軸としてはニューヨークにやってきた若者・ボブ・ディランがニューポート・フォーク・フェスティバルでのステージまでを描くというシンプルな構成で、これはありがたいわ〜となりながら観ていましたが、どうにも音楽以外のシーンにそこまでそそられないというのが惜しいところでした。
スターダムに駆け上がっていく前から鼻につくところはありましたが、しっかり人気者になってからはお調子者になっているのでヤなやつだな〜とは思いつつも人間くさい青らしさは良かったと思います。
スターダムへのスピードが早く、半世紀以上前の出来事というのもあり、ライブハウスからホール、ホールからアリーナへのスピードが早いなぁと才能を見せつけられるのと同時にもっとカタルシスを感じたかったなぁというのが正直なところです。
良くも悪くも音楽の伝記映画での女性関係は激しいものが多い印象なんですが、ボビーはなんというか中途半端な関係の2人とのイチャイチャ未満な事しかやっておらず、年齢的なものを考えたらまぁ確かに…とは思えましたが、くっついて離れてのバランスが微妙でこれなら音楽に極振りしてくれた方が良かったのではと思わんこともないです。
フェスのコンセプトに合わない音楽をやろうとしたらそりゃ怒られるわなと思いつつも、んなこた知らんわロックをやってやるよという傲慢さがあったからこそ音楽の転換点になったのかなと思うと複雑なところです。
非難されながらも己の音楽をやりきるステージでようやくボブ・ディランのことをカッコいいと思えたのが不思議でした。
お客の求める音楽に応えないスタイルを続けていたからこそそのプライドが光り輝いており、ファンの気持ちに応えていないというところには引っかかりつつも、ライブシーンでは一番映えていたかなと思いました。
役者陣は素晴らしかったです。
ティモシー・シャラメ…あんた歌までいけるんか…お見それ入りました。
アカデミー賞ではかすりもしないという意外な結果に終わりましたが、ボブ・ディランに興味を持つきっかけとしての1本としてはアリだなと思いました。
フォークとロックの親和性、イカしてます。
鑑賞日 2/28
鑑賞時間 17:55〜20:30
座席 K-17
音楽映画として楽しもう!
まず最初に、ボブ・ディランをよく知らない、もしくは代表曲(「風に吹かれて」「ライク・ア・ローリング・ストーン」)を知っている程度の人間による拙い感想ですので、大目に見ていただけると幸いです。
この映画の良かった点は、何よりもボブ・ディランの音楽そのものでしょう。
ボブ・ディラン(厳密に言えばティモシー・シャラメ)が実際に唄っている姿を目撃し、劇中の全ての人物が当時受けたであろう衝撃を追体験できます。
「やべえ、この若者只者じゃないぞ!まさしく才能の塊やん!」と。
純粋にボブ・ディランの名曲群を楽しめる良質な音楽映画だと思います。合わせてボブ・ディランが台頭した当時の音楽の流行も興味深く見ることができました(ビートルズ以前のロック夜明け前的な感じとか。)。
一方、あんまりだった点としては、ボブ・ディランが浮世離れした人間なので、凡人の自分には彼の行動原理に全く共感できませんでした。
特に、名も無き者である彼を温かく迎え入れ、彼の才能を信じ、惜しげもなくサポートしてきた人たち(しかも皆とても素敵な人たち)を傷付けてでも自分の哲学を貫こうとする姿勢には、嫌悪感さえ感じてしまいした。
そのほかにも、やれ「俺は孤独だ」、「周りの期待(重荷)にはうんざりだ」、といった苦悩や、スターが必ず通る「酒、ドラッグ、女」など、スター伝記映画あるあるとも言える既視感のある描写が続き、カタルシスや感動といったものは自分の中には芽生えませんでした。
まあ、「あれがボブ・ディランだから」と言われてしまえばそれまでなんですけど・・・。
ボブ・ディランのことを熟知して、彼のことが大好きな人はきっとニヤニヤしながら楽しく鑑賞できる内容だと思います。
俺は、ボブ・ディランよりも、ジョニー・キャッシュ推し!
ジョニー・キャッシュは、あの独特なダミ声が堪らないからだ。俺は歌手の声も楽器の一部だと思うので特徴的なボーカルの方が好きだ。ボブ・ディランの声って、綺麗すぎて刺さらないのです。
大江千里の十人十色なんて、大江千里のあの、
ひょっとしたら、音痴なのか?
と、思わせるギリギリな歌い方が堪らない。他の歌手が歌う十人十色なんて、想像するだけで恐ろしい。音痴ではないが、
平井堅の鍵穴なんて、誰がカバーできるのか?槇原敬之以外、無理だぞ?ただ、槇原敬之が歌う鍵穴って、生々しすぎて、放送禁止になるだろうなw
ボブ・ディランの歌って、歌詞は良いけど、英語が話せないから、意味が分かるまでにワンクッションあるので、現役で聞いていて、同世代として、ディランと育っている世代の人達ほどは、はまれなかった。
70代と、50代の間には長くて深い川があるのだ。ローエンドロー🎵 ローエンドロー🎵
ティモシー・シャラメがずっと歌いまくるので、それだけでもお勧めできます。どうぞ、このまま、どうぞ、このままは丸山圭子。
どうぞ、このまま順当に進むのは芸が無い。ラストでエレキギターを弾いて、観客が激怒ぷんぷん丸になるという、例のあの事件が再現される。
たまに、沢田研二とか、飯島真理とか、過去にヒットした曲を頑なに歌わないけどさ?ファンの気持ちを考えないってのはどうかと思う。
俺は、飯島真理のコンサートに行った時に、マクロスのあれを楽しみにしていたのに、新しいアルバムの曲しか歌わないのだ。
今、飯島真理の曲を聞けるのは、飯島真理のコピーバンドを聞くしか手段がない。で、youtubeで検索したが、天使の絵の具を歌う前のお決まりのフレーズ、
爆発するよ?天使の絵の具!
と、飯島真理だから許される掛け声まで再現していて、何かイラっとしたので、ライブには行かなかった。
チャゲアスのコピーバンドもあるけど、もう、チャゲアスは再結成される事はないので、これは必要悪だな?いっぺん、検索して聞いてみてください。
日本人だけで結成されている、クイーンのコピーバンド、クイーンネスくらい最高なんだYO!
と、お約束の前置きはここまで!
70才以上の全ての方と、長渕剛の今の歌い方が嫌いな人にお勧めの映画です!
ただ、気になるのが、若い人に、この映画が刺さるのかが、全く予想出来ないのだ。
どうでしたか?若者よ?君達には、刺さったのかい?この映画は?
刺さらなかった、そこの貴方!
70才になった時に、もう一回、この映画を見てみましょう。これはR70映画なのだ。
長生きしろよー?約束だかんな?!
歌は本当に素晴らしかった!彼の生きて来た半生をもっと深く感じたかった。
2016年:歌手としては初めてノーベル文学賞を受賞し授賞式に行かなかった男、その名はボブ・ディラン。
今日はその彼の映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」を鑑賞です。
正直な所 めっちゃ期待しては居ましたが、どうも観客が少ないかな。
興味ないのかボブ・ディランを知らないのか。
私も ”ライク・ア・ローリング・ストーン”の歌は聴いた事あるくらいかな。
ハ-モニカ吹いてギタ-弾いたフォーク界の人って位しか知らないのですが。
今作では 中々歌上手いキャストが勢ぞろいで
本作を盛り上げているのが特徴だろうか。
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ボブ・ディラン役:ティモシー・シャラメさん
ピート・シーガー役:エドワード・ノートンさん
トシ・シーガー(ピートの妻)役:初音映莉子さん
ジョーン・バエズ役:モニカ・バルバロさん
シルヴィ・ルッソ(ボブの元恋人スーズ・ロトロ)役:エル・ファニングさん
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とにかく歌って、歌って、歌って そして歌って~
フォ-ク好きと 彼が好きなファンにはたまらんだろうね。
特にジョーン・バエズとのフォークデュオは絶賛!!
この歌声は魅了されますね。
彼の半生(生い立ちや秘密)をもっと深く見せて欲しかったのだけども
今作は歌を歌うのがメインとなってます。
ですので、 最初から歌が上手いイケメン天才歌手でデビュ-してて
サングラスしてても世間から追い回される有名人に。
ちやほやされまくりで、彼女も直ぐ出来ちゃうし・・・
その点は 観ていてガッカリかな。
バイク乗り回す場面はカッコよく映ってるけども。
通して彼は孤独な男だった様に感じたわ。
あんまり挫折感ない 我がままボーイって感じかな。
挫折って言えば 恋人と別れる所くらいだろうか。
ラスト場面のフォーク・フェスティバルでの トリで歌う歌がゴタゴタで
実際に逢った事なんだろうけども。ちょっと映画としては盛り上がりに欠けた展開だったと感じたね。
その点が惜しいの一言。
歌関係に関してはきっと賞を獲るだろうと思えますね。
興味ある方は
劇場へ。
くだらない世界からの自由‼️
とにかくこの作品はティモシー・シャラメのボブ・ディランぶりがスゴい‼️私もディランは大ファンなので、アルバムもよく聴いてるんですが、佇まいはもちろん、特に歌声‼️言われなければ、どちらが本物か分からないくらいよく似てる‼️佇まいだけだったら「アイム・ノット・ゼア」のケイト・ブランシェットもディランだったけど、声で言えば今作のティモシーがダントツですね‼️物語は61年にニューヨークに出てきてから、ミュージシャンとして頭角を表し、65年、傑作「追憶のハイウェイ61」をリリースするまでの、いわば絶頂期のディランを描いてます‼️まぁ、その絶頂期はかなり長く続くんですけど‼️私としては「血の轍」が一番好きなアルバムなので、続編があるならその時期のディランも観たいですね‼️いわば「フォーク界のプリンス」としての自分に嫌気がさし、反骨精神をむき出すディランのアウトローぶりはホントにカッコいい‼️ラストのフォークフェスティバルで、「風に吹かれて」や「タンブリン・マン」を期待するファンの前で、ロック・サウンドな「ライク・ア・ローリング・ストーン」を歌い、大喝采を浴びるクライマックスはホントに素晴らしいです‼️他の出演者ではジョーン・バエズ役を演じたフェニックスことモニカ・バルバロ‼️そのギターテクと美しい歌声に惚れ直しちゃいますね‼️
神様になる前のボブ
今やフォーク・ロックの神様のボブ・ディランだが
彼が有名になるまでの短い期間に焦点を当てているので
非常に見やすい。
神として崇められているが変人で偏屈なイメージがあったので
ジャケットにも出ているガールフレンドや、ジョーン・バエズと付き合う
社交性を備えていたことに単純に驚き。
ジョーン・バエズとのデュエットのシーンは最高に美しい。
ティモシー・シャラメにモニカ・バルバロ、演技に加え歌の才能もすさまじく尊敬しかない。
ティモシーシャラメ歌う歌手ボブ・ディランは素晴らしいが、“ボブディラン”という存在の真の姿は何処に?
全編の8割ほど、ティモシー・シャラメ歌う“歌手”ボブ・ディランの曲で埋められていると言っても良いほど歌唱シーンが続くが、そのクオリティは高い。実在した歌手を描いた作品としては「ボヘミアンラプソディ」が凄かったが、さすがにフレディ・マーキュリーの音源に吹き替えられた事を考えるとティモシー・シャラメの弾き語りへの取り組みは一見(聴)の価値あり。
歌詞はノーベル文学賞を受賞しているほど、歌詞というより“詩”。言うまでもなく素晴らしい。(というか、これほどあらゆる賞を受賞したシンガーソングライターはいない)
ただ、ドラマの作りは物足りないの一言。
無難な脚本・無難な演出だが、時代の本質を見失いかねない内容には大きな疑問を抱く。
映画のあらすじには「ミネソタ出身の無名のミュージシャンだった19歳のボブ・ディランが、時代の寵児としてスターダムを駆け上がり、世界的なセンセーションを巻き起こしていく様子を描いていく」そんな内容が記載されていた(因みに、ミネソタ州は伝統的に民主党の牙城)。
実際映画の舞台は1960年代の初め。ディランがデビューしてからフォークのカリスマとなり、その後エレクトリックを取り込み変貌していく数年を描いている。
同じ時期に活躍したバンドは言わずと知れた“ビートルズ”、1960年代初頭は世界のミュージシャンが新しい文化を産み出そうとしていた時期でもあり、それらは音楽業界だけには留まらずあらゆる文化・政治・経済などの戦後史の転換期でもあった。
そんな歴史の転換点に多くの影響を与えた存在、それは“ボブディラン”だ。
“ボブディラン”は単なる一ミュージシャンという言葉だけでは片付けられない。
一人のミュージシャンでありながら、単なる“ミュージシャン”という言葉に収まらない存在だからこそ“ボブディラン”たり得るのだ。
そんな“ボブディラン”の存在や時代が描かれる作品かと思ったが、何かしら肝心なところが抜けている様な気がしてならない。
キューバ危機・ケネディ大統領暗殺・ニューポートフォークフェスなど、当時の出来事は描かれてはいるが、これらの事象の描き方がどれほど当時のリアルな空気感だったのか、正直疑問符が付く(ニューポートフェスの何かのどかなピクニック感は、当時もそうだったらしい)。
この作品では、聴きざわりの良いミュージシャンボブ・ディランの魅力は伝わるかも知れないが、それは“ボブディラン”という存在の上っ面を舐めただけなのでは無いだろうか。
1960年代のアメリカは主に若者を中心としてベトナム戦争反対運動や反体制・反政府運動が広がり、ある者は反戦平和を掲げ、ある者は人種差別撤廃、男女平等・表現の自由・言論の自由を求め、若者が積極的に政治に参加し、問題意識をぶつけた時代だ。
こうした若者たちに支持されていたのがボブ・ディラン等のフォークミュージシャンで、当時(自分はこの時代に生まれてない)は彼らのように社会に対し問題意識を持った曲を唄うフォークシンガー達を「プロテスト(「異議を申し立てる」または「抗議する」)・シンガー」と呼び、ボブ・ディランがデビューした60年代初頭、特にセカンド・アルバムに収録されている「風に吹かれて」や「戦争の親玉」では反戦や人種差別をモチーフにした歌詞が歌われ、反戦運動真っ只中の若者たちのアンセムともなっていた。
そんな時代、海の向こうイギリスでは「ビートルズ」始めブリティッシュロックが爆発的な人気となっていた。60年初頭時まだ全米進出してはいないものの、イギリス勢が「ロックの逆輸入」をするのは時間の問題だった。
そして1964年ビートルズが全米進出すると瞬く間に全米音楽シーンを席巻、米英双方の若いミュージシャン達がお互いに刺激し合い、世界の音楽界に革命が渦巻く。
イギリスのロックやポップ・ミュージックをはじめとする英国文化はアメリカ合衆国を席巻し、大西洋の両岸で「カウンターカルチャー」が勃興。所謂ブリティッシュ・インヴェイジョンとして音楽のみならずあらゆる文化に多大な影響を与える事となる。
(このあたりの事には全くと言っても良いほど映画では触れられていない)
ビートルズがアメリカへと進出した際、ジョン・レノンはボブ・ディランに「君達の音楽には主張がない」と言われたという。そして、その言葉がその後のビートルズの音楽にも影響を与えたとも。
そして、ビートルズがその後の音楽界に与えた影響の大きさは誰もが知る事だが、そこにはボブ・ディランの影響があり、またボブディランにとってもビートルズなどUKロックの強烈なサウンドがインパクトを与えていた。
いつのまにか、ミュージシャン「ボブ・ディラン」は歌手という枠には収まりきれない“ボブディラン”という特別な存在になっていたのだ。
ボブ・ディランがアコースティックギターをエレキに持ち替える事は歴史の必然だったのは言うまでもない。
フォークの「神」として成功を収めたとしても、それを良しとはせず新しいサウンドを取り込んで行ったのは決して時代の流れに乗った訳では無いと思う。
ただ、そこにあったのはミュージシャンとしての“本能”、それだけだったのだろう。
ミュージシャンボブ・ディランが選択した道は決して間違いでは無い、むしろその選択が音楽だけにとどまらず文化や社会にまで影響を与えていった事が、本人がどこまで意識していたかは別として凄い事だし、“音楽”が持つ力の偉大さを物語っている。
映画ラストでそれまでの栄光と決別するかの様にフェスで歌う
「イッツ・オール・オーバー・ナウ、ベイビー・ブルー」全ては終わったんだ
そして
「ライク・ア・ローリング・ストーン」
ローリングストーンとは、「職業や住居をころころと変える人は、財産や名声も得られない」と いう警告の意味のことわざ、転じて「活発に活動している人は活き活きとしていて、 時代に取り残されることがない」という意味でもある。
米国ロックシーンに燦然と輝く名アルバム『追憶のハイウェイ61』のオープニングタイトルはボブ・ディラン最高傑作の一つにして、ロックシーンを変貌させた偉大な曲として未だ色褪せる事が無い名曲だ。
余談:
ボブディランを詳しく知りたければ、2005年マーチンスコセッシ監督作ドキュメンタリー映画「ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム」という作品がある、かなり長い作品で忘れてる事も多いが60年代初期の“ボブディラン”のドキュメンタリーとして合わせて観る価値はある。
(※もう一つ余談:ニューポートフォークフェスでのディランの裏切りに観客席から「ユダ(裏切り者)!」と罵るシーンがあるがこのシーンはフェスではなく、ワールドツアーの出来事を切り取ってきたフィクション半分?なのだろうか。ハリウッド作品にありがちなシーンではあるが、きっとこの一言があるか無いか、いつもながら大人の事情を感じさせる)
最初の数分で何故か持ってかれた
ボブがニューヨークに着いて街中を歩いてるだけの冒頭シーンから何故か目が離せなかった。正直ボブディランのファンとかではないです。でも「一流のアーティストは皆変人」はその通りだと思う。
やはり、アメリカの音楽は、自己のマインドの獲得と自由への渇望、そして抑圧された自己の解放という部分がコアにあるんだと思った。元々良い音楽なら何でも良いというスタンスはありつつも、フォーク大好きだったボブがそのフォークというものに縛られ、逃げ出したくなるのは、よくわかる。常に新曲が最高作だと思うアーティストと常に過去の定番を求める観衆。ここに音楽における摩擦が生まれ、それに葛藤するというのがアメリカの音楽の歴史なのかも。
「メシを食えるミュージシャン」を目指し、売れてからはその地位から逃れたいボブ。わかる!わかるぞー!
シルヴィとバエズとの恋の行方は正直余計ではあった。史実に基づいているから仕方ないけどね。でも淡い愛憎劇でコンパクトにしたので良かった。
★5プラスパンフも購入。今年はこれと思ったのだけパンフは買います!
2025年度劇場鑑賞11作品目
さらなる乱調が欲しかった
まず 楽しめた映画であったことと私がディランの曲が好きであることが前提です。
その上で 最後終わり方があまりに爽やかで…
私の思い込みですが、ホントのディランってもっと鬱屈した、したたかで、狡猾な人だったんじゃと思ってます。
その上でディランの歌、曲が好きなんだけれども…
そんな奴が自分がやりたいことを否定され。
求める人には去られ、加えて変化してる世情。若いディランの鬱屈や暴走の終わり方―バイク事故のほうがしっくり来たのかと。
こう書いてて それも紋切りかと自己否定。
ディランの屈折した性格は、制作側も分かったていたんではないかと、あの上目遣いは少しいじわる?
(コロッケさんのちあきなおみ真似を思い出し吹いてしまいました)
映画的には成立しませんが、個人的には[地下室]録音風景やジョンも見たかったかなと…
普通の鑑賞記では無く、屈折した書き方になってしまいました。これもディランのなせる業かと
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