劇場公開日 2025年2月28日

名もなき者 A COMPLETE UNKNOWNのレビュー・感想・評価

全329件中、281~300件目を表示

5.0performed by Timothée Chalamet

2025年3月1日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

顔がボブ・ディランなのでTimファンには残念?な作品w
ものまね大賞ならぶっちぎりで優勝できるぐらい超なりきりボブ・ディラン!
エンドロールにずらりと並ぶperformed by Timothée Chalamet
レオ様がアイドル俳優からの脱皮にもがき苦しみ幾多の歳月を費やしたのに
Tim君はさりげなくあっさりと脱皮してしまいましたね
正に恐るべし才能!天は何物を与えたのか数え切れませんね
(こんな奴がいるから私の様に天から根こそぎ剥ぎ取られた人間が出来るんだよ)

さてタイトルの「A complete unknown」は言わずと知れた
「Like a rolling stone」のサビの歌詞ですね

お前はどう思ってるんだ?
生きてるかどうかさえも知られずその日暮らしの生活を
って感じの歌です

音楽家伝記物の特徴としてはターニングポイントとなった曲に
スポットを当てる内容が多いですが本作もしっかりとそのレールに乗った作品です
歌唱される曲もカントリー色の強い曲からフォークソングになり
ロックへと変遷する流れで構成されています

保守的な社会による革新アレルギーが明確に表現されていますが
ある者は革新を受け入れやがては「時代は変わる」わけですね

ノーベル賞もまともに受け取らなかったド偏屈の人格を
ティモシー・シャラメが見事に全身から溢れさせています
彼がオスカーを獲らなかったらアカデミー賞なんてやめてしまえ
と言いたくなるぐらいの名演です

ボブ・ディランは歴史的スーパースターで
デヴィッド・ボウイやボブ・マーリーが彼に憧れて音楽を始めたのに
日本では知名度は高いが数曲しか知られていない存在
袴田巌さんの無罪判決報道でバックに「ハリケーン」が
どの局の番組にも流れなかったのはむしろ愕然とした
まあ世界で唯一日本だけ知名度も人気も無いバンドが沢山いるから仕方ないな
「名もなき者」とか「転がる石」なんて訳したら路上生活者には結びつかない
日本人は単語からとか直訳とかするから歌詞の意味が宇宙の彼方に飛んでしまう
プロが訳したのに「I shall be released」がバカボンの歌になってたこともあった

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椎名モモコ

3.5ティモシー・シャラメさんの“取り憑かれた”様な演技が圧巻、素晴らしいです

2025年3月1日
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鑑賞方法:映画館

ボブ・ディランという人は音楽界ではレジェンド級ですごい人みたいだけど私は世代でもないので全然知らず、歌も聴いたことなく、本作でどういう人か知ったというレベルの者ですが、それでもストーリーは十分理解でき、興味深く観ることができる秀作に仕上がっています

なので実在の主人公の事は全く知らないで観たので思い入れが無く、何か特別に感情移入するくだりも無かったため至って普通の1人のシンガーのドラマだったという印象
ボブがトントン拍子で上り詰めて行くくだりが淡々と描かれ、傲りや自身の向かう道に思い悩んだり、その結果 虚無感に苛まれるやたら愛想の無い男に変貌して行くドラマの描かれ方がやや中途半端に感じたのがその要因かもしれません

良かったのは60年代のアメリカを再現したレトロで重厚感のある映像が素晴らしく、端々にジェームズ・マンゴールド監督のこだわりも感じる画力は見事、とても良かったです

そして何と言っても本作の最大の見どころはオスカーにもノミネートされているティモシー・シャラメさんの圧巻の演技だと思います
初めはおぼっこい青年だけどストーリーが進むにつれ、時折イッちゃってる様な表情や目つきも凄ければ話し方や歌を歌う所なんかもどんどんダークな雰囲気を纏いとても惹き込まれ、これまでの“ティモシー・シャラメ”を封印した完全な別人ぶりでなかなか迫力があります
これはたしかにオスカーノミネートも納得の演技です

さらに共演陣も素晴らしかった
初期のボブを導く“静”なるキャラクター ピートを演じるエドワード・ノートンさんがシブくていい演技してました
そして女性フォークシンガーのジョーンを演じる『トップガン マーヴェリック』(2022)で最高にカッコいい女性パイロット・フェニックスを演じたモニカ・バルバロさんがすごく魅力的でセクシー、強烈な印象を残します

終始謎だったのは、何故今だ存命のボブ・ディランさんの生涯をこのタイミングで映画化したのか?という所でした

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Jett

5.0一生、吟遊詩人でホーボーなんだろう

2025年3月1日
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鑑賞方法:映画館

興奮

名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN

開演でいきなり、
ガスリーにピートシガーのトラディショナルフォークの大御所が出てきて、その前でサラリと弾き語るのにはビックリした。

ディランも彼等とは初見なので、自分も同じ体験ようで心を掴まれ、BDと同じ時代、社会、街、ライブを歌を一緒に口遊むことになった。

しかも、これがBDではなくシャラメと気づくのは後半の方だった。

公民権運動、ベトナム戦争、キューバ危機、ケネディ暗殺事件、ビートルズ旋風が吹きまくる時代背景に突然現れたボブディランとは何者か?

そんなことも知らないまま、
ホーボーとしてニューヨークに出現したフォークのプリンスと言うには影があり、それが謎でより歌詩に深みを増した。

そこには、反体制でも、反戦でもない、一時的な時流に流されていない警句と励ましと考察から生まれ絞り出された想いが言霊として音律とリズムがグルーブして吐息のよう吟遊されるディラン節がある。

BD本人もシャラメを認知した様に素晴らしいできだった。
勿論、バエズもピートもフォークの純真さ人の良さが満載で素晴らしかった。

10年前に大阪でディランのライブを観て、
まるでサーカスのMCの様だと思ったが、満更外れていないことがよく分かった。

それはガスリーの様に、
ホーボーしてその時代を吟遊詩人の様に、人肌を感じる手頃な小屋でライブを、ノーベル賞受賞しても、80歳を超えても続けて行く姿がホーボーなのだ。

ありがとう、砂の惑星のシャメラ。

( ◠‿◠ )

名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN

2016年に歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランの若い日を描いた伝記ドラマ。

「デューン 砂の惑星」「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」のティモシー・シャラメが若き日のボブ・ディランを演じ、
「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」「フォードvsフェラーリ」などを手がけてきた名匠ジェームズ・マンゴールドがメガホンをとった。

1961年の冬、わずか10ドルだけをポケットにニューヨークへと降り立った青年ボブ・ディラン。
恋人のシルヴィや音楽上のパートナーである女性フォーク歌手のジョーン・バエズ、そして彼の才能を認めるウディ・ガスリーやピート・シーガーら先輩ミュージシャンたちと出会ったディランは、時代の変化に呼応するフォークミュージックシーンの中で、次第にその魅了と歌声で世間の注目を集めていく。
やがて「フォーク界のプリンス」「若者の代弁者」などと祭り上げられるようになるが、そのことに次第に違和感を抱くようになるディラン。
高まる名声に反して自分の進む道に悩む彼は、1965年7月25日、ある決断をする。

ミネソタ出身の無名のミュージシャンだった19歳のボブ・ディランが、時代の寵児としてスターダムを駆け上がり、世界的なセンセーションを巻き起こしていく様子を描いていく。

ボブ・ディラン役のティモシー・シャラメのほか、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロ、ボイド・ホルブルックらが共演。

第97回アカデミー賞で作品賞をはじめ計8部門でノミネートされた。

名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN
A Complete Unknown
2024/アメリカ
配給:ディズニー

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カール@山口三

4.0ティモシー・シャラメは思ってた以上にボブ・ディラン

2025年3月1日
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幸せ

思った以上に、ずっとボブ・ディランの音楽映画。
なぜなら、これといった事件が起こらないのよ。
そんなに挫折とかも無い。

まあボブ・ディランを映画にしたら、こういう映画になるよね。
無理にドラマチックにしていないところが、逆にボブ・ディランの映画っぽい。
ただ…ああ、ここで終わっちゃうんだと。
あと30分ぐらい観られたよ。

それとティモシー・シャラメは思ってた以上にボブ・ディランだったね。
なんか、独特のシャイさとか、人を見ない視線とか姿勢の悪さとか。
歌もめっちゃくちゃ良かったです。

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キブン

4.0ボブ・ディランがボブ・ディランになるまで

2025年3月1日
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鑑賞方法:映画館

上映初日、初回で観る。
ボブ・ディランの青春映画とか。
むかしむかしFM大阪八木誠さんの番組から流れてきたボブ・ディランのダミ声はインパクト抜群。なんだこの人💦😆ってね。
中学生の私はおもうのです。
映画ではボブ・ディランの良き理解者として登場するジョニ−・キャシュいいですね。
全ての原点ウッディがスリーも❗
日本のフォ−クシ−ンにも思いを馳せる。
ピ−ト・シ−ガ−、ジョ−ン・バエズ。
反戦とか、学生運動とか。
歌に思想が必要だったころ、ディランはしがらみも変節と呼ばれることも辞さない自由を生きて歌った
。テンポよく時代と音楽の熱気を描く良き音楽映画でした。
バエズのモニカ・バルバロ、ディランのティモシー・シャルメの歌は違和感なく素晴らしい歌声でした。
凄い。

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りい

4.5ティモシー・シャラメとモニカ・バルバロ

2025年3月1日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

 最初の弾き語りを聴いたとき、もとをとったと確信し、ジョーン・バエズ(モニカ・バルバロ)の歌を聴いたとき涙がこぼれた。そこからは涙腺が緩くなり、誰かが歌うシーンのたびにウルウルしていた。
 途中から、ボブ・ディラン(ティモシー・シャラメ)の歌さえ聞ければストーリーはどうなってもいいやと、そこだけはノープランな感じのボブ・ディランとシンクロ。

 才能のあるミュージシャンばかりの中、シルヴィ(エル・ファニング)の普通さが際立っていて、今作には欠かせない人物であったように思う。

 クライマックス、いつもニコニコしていて優しそうなピート・シーガー(エドワード・ノートン)とその妻(初音英莉子)の怒った顔が印象に残る。ブーイングの嵐の時、何故か素直に主人公を応援する氣にもなれず、『オッペンハイマー』(2023年公開)を観ている時のような複雑な氣持ちになった。
 基本的にエレクトリック・ロックンロールは好きだが、もっとティモシー・シャラメの弾き語りを聞きたいと思った。モニカ・バルバロとのハモリはとても良かった。また聴きたいのでリピートするかもしれない。

 今作はミュージカルではないが近いものがあり、登場人物の心境と曲がリンクしているところが面白い。
 映像的にオシャレで格好良かったし、ライヴシーンも臨場感があった。

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Don-chan

4.025-031、035

2025年3月1日
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鑑賞方法:映画館

ずっと楽しみにしてた作品。
ティミーが演じるボブディラン、
観るしかないでしょう😄

期待を超える良い作品でした。
視線と歌声、
胸が熱くなるシーン満載でした。

名曲の数だけエピソードがあり、
聴衆の心を掴み、
ルールに囚われない。
何を勝ち取ったか分からなくても
多くの心に歌が届いた事は間違いない。

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佐阪航

3.0ボブ道

2025年2月28日
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鑑賞方法:映画館

グランドシネマサンシャイン池袋で鑑賞
初日ですが空いてました

ティモシーシャラメと演奏シーン
はとてもよかったです

淡々としたストーリー
ドラマティックな展開はなし
61年から65年のめちゃめちゃ
ぎゅっとした伝記映画でした

アカデミー賞はどうなるでしょうか
日本での大ヒットは難しいかな?

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ぼろんてーる2

5.0ライブハウスやフェスで一緒に心地よい時間を過ごしているような気にさせる映画

2025年2月28日
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楽しい

単純

ボブ・ディランの若き日を描いた伝記ドラマ

全編音楽だ。街の喧騒ですら音楽に聞こえる。冒頭からボブ・ディランはそんな世界の申し子のように描かれている。メインがフォークソングなので聴きやすく、知らない曲でも、時折心の琴線に触れる。ライブハウスやフェスで一緒に心地よい時間を過ごしているような気にさせる映画だ。

本作最大の見所は、ティモシー・シャラメ演じるボブ・ディランだ。
私は若かりし頃に、ベストアルバム、他のミュージシャンによるカバー曲、"Time out of mind"を買った程度で彼の事は多く語れないが、カバー原曲の彼の独特の歌声を初めて聴いて面食らったのを思い出す。ティモシー・シャラメ演じるボブは、驚くほど私の記憶のあの歌声と似ている。
物語は天才が世に出る瞬間をわりと地味に描いている。映画の中のボブは実物同様カッコいいが、神々しくはない。真夜中であっても、恋人と愛し合った後でも、すぐ煙草をくわえてギターを握り、パンツ一枚で、何か演奏している。それが超カッコいい。夜の街を肩をすくめて歩く姿や舞台で演奏中の後ろ姿も実に惚れ惚れする。ティモシー・シャラメの存在感がスクリーン内を席巻しており、彼の演技を通じ映画のボブは映画のボブで存在していると感じた。

わりと地味なストーリだと思うがエンタメ性も高く、メリハリもはっきりしており、観る者を飽きさせない。また音楽映画として没入感が半端ないので、映画館の、出来ればDolby Atmosや轟音環境で観る事をお勧めします!

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ihatakaeight

4.0ティモシーが体現するボブ・ディラン

2025年2月28日
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ボブ・ディランは、有名な曲を数曲知ってる、ビジュアルもファッションやヘアスタイルが印象的…というくらいの知識しかない私ですが、しっかり楽しむことができました。

そんな浅い知識しかないので、ボブ・ディランの歌い方や演奏、見た目の再現度の高さに対しては全く分かりません。ただただ、ティモシーが体現する青い才能の輝きや孤独、葛藤に胸を打たれていました。自身の気持ちと求められるもののギャップ、名声を得ても手に入らないもの。ラストのパフォーマンスに、なぜだか涙が溢れました。

演奏シーンがとても多く、どれも素晴らしかったですし、階段を駆け上がるボブを見守るピートをはじめ、周囲の人々との関わり方も一つ一つが印象に残っています。

ボブ・ディランを、もっと聴いてみたくなりました。

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まだまだぼのぼの

3.5アメリカが騒がしかった頃

2025年2月28日
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ボブ・ディランってジャンル不明でノーベル文学賞授与も謎だったのであんまし好きではないのだけれども見ました
ティモシー・シャラメの演技、歌唱、バイクライダー振りはとても良かった ジョーン・バエズ役の女優さんもリアルでとてもビューティフルボイス、そして知らなかった2人の間柄
最後のライブは州によってウケる音楽違うからブーイングだったのかしら?意味分からず。
メッセージソングだとか何とか祭り上げられることの多いボブ・ディランですが、本人としては自由で反抗的、意外とな~んにも考えていなかった人なのかなと思った

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ゆう

5.0みんな大好きBDのみんなが知っている時代や音楽のお話

2025年2月28日
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泣ける

興奮

だいたい予想通りの内容と音楽。映像も高感度フィルムでの荒々しい感じで時代の雰囲気を作り出し、セットとか街並みなんかも完璧。正直内容は想像を超えるものではありませんでしたが、それでも、人間関係とかそれに絡み合わせて流れる音楽なんかが素晴らしくて、かなり面白くて楽しませてもらいました。
確かに、ティモシー・シャラメはかなりハマっていた気がしましたが、個人的なベストオブBD役はケイト・ブランシェットだったりして、それは超えてなかったかなぁという印象です。アイム・ノット・ゼアって知らないですよねー・・・
過去のBD映画があまりにも異質だったからこの作品が作られたのかも─と見る前からずーっと頭から離れない妄想なのですが、正史とも言えるようなこの作品を見て確信しました(・・・
あくまで勝手に)。比べると圧倒的にこちらの方が分かりやすいし、超有名な音楽群をじっくり聴かせてくれるので、ファンならば絶対こっち!となるはずです。個人的には、トッド・ヘインズの方が好きなんですけどねー、ぶっちゃけおもろくないですけど。
でも、こうして背景をしっかりと描いた上で名曲の数々を聴いてみると改めてその良さを実感できて、なんか不思議と1曲1曲泣けてきました。
個人的に少し舐めていた作品でしたが、ストレートに作られていた分、やたられたという思いです。

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SH

5.0ティモシー・シャラメのカリスマ性に、ボブ・ディランの後光がさす‼️

2025年2月28日
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鑑賞方法:映画館

ティモシー・シャラメの歌唱が素晴らしくエンディングでは涙を抑えられなかった。
秀作、アカデミー賞をたくさんとっててほしい。

この映画はティモシー・シャラメの立志伝と勘違いしまいそうになった。
それほどの熱意と迫力でシャラメはボブ・ディランを演じたが、
主役は、語られるべきはボブ・ディランその人なので、
勘違いしてしまいそうでした。
ノーベル文学賞の受賞を知らされたボブ・ディランは、
こう自問したと言う。
「自分の音楽は、文学なのか?」
「尊敬するシェイクスピアやパール・バックやヘェミングウェイと並べられる
…………文学なのだろうか?」と、
しばし考えたそうだ。
ボブ・デュランの曲の詩を読むと、
彼が詩人であることがよくわかる。
多くのノーベル文学賞受賞者で、ディランの歌ほどに読まれる
有名な作家は一人もいないだろう。
歌(詩とメロディ)を通して、数十億人と繋がっている。
ディランは詩人、そしてその詩は、新聞やテレビや写真より
心に直接に訴えかける。
音楽は言語の違いを、国境をたやすく跳びこえる。

この映画はディランの1961年~1965年(19歳から24歳)
を取り出して、
ギター一本しか持たずにニューークへ出てきた無名の青年が、
ターニングポイントを迎える1965年の
《ニューポート・フォークフェスティバル》で、
ボブは聴衆を裏切る・・・と原作者のイライジャ・ヴォルドの、
「ボブ・ディラン裏切りの夏」という著作で書いている。
聴衆が求めるものは、いつまで経っても変わらず、
「風に吹かれて」を歌うボブ・ディランであって、
彼が成長することも、変化することも、ロックの大音量で
エレキギターをかき鳴らすことも許されない。
ボブ・ディランは一つの決断した。
「マギーズ・ファーム」と「ライク・ア・ローリングストーン」を、
エレキギターを掻き鳴らしてボブは叫ぶように歌い上げた。
ブーイングの聴衆を呑み込み、ファンは興奮して拍手喝采の嵐‼️
こうしてボブのロックンロールは、受け入れられたのだが、
ピートを裏切ったようで、ボブの顔色は曇ったままだ。

デュランは苦しんでいた。
悩んでいた。
「フォークの貴公子」と呼ばれて枠にはめられている自分に
耐えきれなくなったのだ。
しかし彼は答えを出したのだ。
そんなファンの要求に、屈する事なく、
《彼が出した答え》
ファンの求めるものを提供するのではなく、
ファンを時代の流れに沿ってリードして行くこと。
デュランの進む方向、
それこそが、時代と共に生きる事だから、

キューバ危機を乗り越えて、
ケネディは暗殺され、
時代は変わったけれど、
現在と変わらず同じに、人々は貧困と差別と病苦に苦しんでいる。

彼の60年に渡る音楽家としての
《常にスターであり続ける魅力》
それは常に新しく変わる事だと思う。
音楽性が変化して更新されることにあるだろう。
ジョーン・バエズの事を、現役の歌手だと思う人は誰もいない。
ベトナム戦争に反対して「花はどこへ行った」で一世を風靡したが、
今はもう忘れられた歌手でしかない。
けれどもボブ・デュランは、83歳の今も先駆者であり、現役の歌手だ。

フォークシンガーという縛りを、重荷に思い、もっと広いステージを
目指して、エレキギターに持ち変える瞬間の決断を、
1965年のニューポート・ロック・フェスティバルを、
一つの大きな《大きなムーブメン》であり、
《ターニングポイント》であり、
ボブ・デュランが、持続可能なミュージシャン、詩人であり、
伝道師であり、つまり文学者としての
スタートラインについた日なのだ。

ラストのロックとも言える大音量のステージは、圧巻で素晴らしく
涙を堪えることが出来なかった。
そしてディランは心根の優しい青年で、
尊敬するウディ・ガスリーの病床を見舞い、励まし、
チカラを貸してくれた恩人のピート・シーガーの願いを
できる限りに叶える。
エドワード・ノートンが、人柄の良いピートをきめ細かく好演している。
ジョーン・バエズ役のモニカ・バルバロはシャラメに負けない迫力の歌唱力。
バエズがデュランの曲を本人より早くテレビで歌ったり、
目先のきくやり手として描かれている。
恋人のシルヴィ(久しぶりのエル・ファニング)は、時代と共に疾走していく
ディランに置いていかれる寂しさに耐えられない女性だった。

最後にボブ・ディランのメッセージを書こう。
『ティモシー・シャラメは素晴らしい役者だから
信頼している。
映画を観た後には、本(ボブ・ディラン 裏切りの夏)を
読んでみてくれ。』

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琥珀糖

4.5これぞホンモノの音楽映画!

2025年2月28日
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鑑賞方法:映画館

間違いなくティモシー・シャラメの代表作になると感じた作品。
音楽・音響が素晴らしくDolby Atmosシアターで鑑賞して本当に良かったと思う。

無名のロバート・アレン・ジマーマンが、ボブ・ディランになって
フォークの枠を超えていくストーリーで、わずか数年間しか描いていないものの
なんと濃密、なんたるスピード、なんたるライブ感、
久しぶりにどっぷり没入できた映画体験。

もうひたすら音楽を奏でるディラン(ティモシー・シャラメ)。
しかもティモシー・シャラメが演奏&歌唱しているところも見どころ&聴きどころ。
作曲風景も素晴らしくカッコいい。まるで名曲誕生に立ち会っているかのよう。

そしてバイク🏍️に乗るティモシーもかっこいいし、バイクが奏でるエンジン音も最高。
それだけじゃなくて全編にわたる音響へのこだわりを感じる作品でもあると思う。

脇を固める女性俳優も何と魅力的なことか。
ジョーン・バエズ役のモニカ・バルバロ。ビジュアルが美しいのみならず演奏&歌唱もステキだ。
シルヴィ・ルッソ役のエル・ファニング。表情の演技が実にせつなくて儚げで美しい。
私の大好きなエル・ファニングを久しぶりにスクリーンで観ることができて幸せ。

SEARCHLIGHT PICTURES作品というだけあって、パンフレットが実に充実していて満足。
オススメ。

とにかくティモシー・シャラメのディランは、ディランそのもの。
是非ともアカデミー賞の主演男優賞を獲ってほしい、心からそう思う。

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ひでちゃぴん

3.5期待通りだけど期待以上ではなかった

2025年2月28日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

興奮

ボブ・ディランの曲は2曲しか知らなかったけど作中流れてる曲は良かった
最初の歌(知らなかったけど)聴いた時に感動して涙ぐんだ
それ以外の知らない曲でも聴いてて自然と体が揺れてしまってた(鑑賞客少なくて良かった😅)

ティモシー・シャラメがとにかくカッコいいし所作もカッコ良すぎる
タバコやバイクなど画になる
あと当時のものや景色なのかな、それらも良いし周りの人物も良かった

ただ実話ベースだから仕方ないと思うが、よくある話の流れや登場人物の掘り下げがないから無知で鑑賞すると分からないところも
ベタな展開なのに何か言葉では表しにくい分かりにくさを感じた
何よりボブ・ディラン自身に感情移入しにくかったかな(これは見方の違いか)

映画を作品全体として見ると物足りないが曲やティモシー・シャラメをメインで見ればめっちゃ良かった

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すなぎも

3.5なりきり具合は、見事。

2025年2月28日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

ボブ・ディランのデビューから、エレキ化するまでのお話。
各俳優の実在する歌手のなりきり具合は、お見事ですね。見た目だけじゃなく、楽器の演奏や歌唱まで、本人を彷彿するレベル。エンディングクレジットに、楽器や歌唱のコーチという役目の人がいましたね。
今時の歌は、好きとか嫌いとか、愛しているとかいう歌ばかりなので、世の中に向けたメッセージのある歌詞のものは、特に日本ではあまり聞きません。歌で世の中に影響を与えるということになじみがない人達には、このストーリーは、分かりづらいのではないかと思います。歌の内容の本質は変わらないのに、演奏形態が変わっただけで騒ぎになるというのも、今となっては理解しづらいかなと。ある程度、当時のアメリカの音楽界のことを知ってから見た方がいいのかも知れません。
初日で、それほど大きくないスクリーンでも半分ぐらいの観客。そして見た感じ、ボブ・ディランの歌に影響されたと思われるシニア料金の人が過半数。音楽界の著名人で、ノーベル文学賞受賞者であっても、上記のような理由から、若い人には難しいように思いますね。

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豊島区のはずれ

3.0入り込めないまま

2025年2月28日
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ボブディランを知らないせいかストーリーに入り込めないまま終わってしまった…!
あの時代は煙草を吸う人が沢山いたんだなとびっくり。

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はな

5.0最後のステージ 震えたぜ🫨

2025年2月28日
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スンゲ〜😳作品だわ👏👏👏
最後のステージ 震えたぜ🫨

物語りの舞台となる1961年
この年に生を受けた自分にはボブ・ディランは長いこと焦点が合いづらい存在でした

そしてこの作品で全ての疑問が繋がった
音楽を愛する者なら絶対観るべき映画だし観たら解るはずだ

賞賛したい感動ポイントが沢山あるのだけど
ボブ・ディランと同じ時を生きた諸先輩にお任せすることにして私は鑑賞前の準備について余計な一言を書き添えさせていただきます

200円足してドルビーアトモスのスクリーンで観るのを全力でオススメします💩

ボブ・ディランをWikiで予習しといてよかったわ

必修とは言わないけど1961年〜1965年のボブの関係者と時代背景を知ってるのと知らないのでは感動の幅が大きく変わると思うな🥹

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あさちゃん

5.01961年から1965年を駆け抜けていたボブ・ディランの姿を、音楽を盛り沢山で軽快に魅せる快作

2025年2月28日
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鑑賞方法:映画館

ボブ・デュランと聞くとリアルタイムでは生まれないので、タモリ倶楽部の空耳アワーで取り上げられていた「鼻血ピュー〜♪」ネタとか、漫画家よりタレント印象が強い、みうらじゅん氏の渾身の傑作漫画『アイデン&ティティ』に主人公にしか見えないイマジナリーのボブ・ディランが現れて生き方を指南する内容などで知ったので、有名な曲などはその辺りで聞いていた。(ちなみに続編にはイマジナリージョン・レノン&オノ・ヨーコが登場して感動的なラストを迎える傑作です)

さまざま題材を扱いながら質の高い作品を撮る雇われ職人監督のイメージもあったジェイムズ・マンゴールド監督(そういえば監督作の題名に“アイデンティティー”があったな!)ではあるが、今回も見事な演出で小気味良く若いディラン姿を、名曲盛り沢山に使い見事につないでくれる。(アカデミーの主演が取れなかったのは残念)

主演のティモシー・シャラメの演技も歌も素晴らしく。
コロナ禍も挟んでかなり長い間練習して望んだらしいが、実際のディランとは見た目は余り似てないが、映画を見てるとなりきっている印象

ピート・シーガー役のエドワード・ノートンの温厚で抑えた雰囲気からの後半に激怒にいたる演技も上手いのと印象に残る。

見ていて思うのは、バイクを乗り回すディランを筆頭にギターを持ったミュージシャン達が、バイクを馬に、ギターをライフルに置き換えると各地を周り音楽を奏でるカウボーイ&ガールにも見え、ラストにガスリーを見舞った後にバイクで去ってゆくのは西部劇ぽい(題材はフォークソングだが、カントリーソングとも親和性が高い)

気になる点は、割とスケール感に乏しいのと、やはりあえてらしいがディランの内面やバックグラウンドはあまり描写されず、ひょっとして共感し難い可能性もあるのと、個人的に撮影は最新のデジタル撮影をしてフィルムライクに調整していて色調や背景のルックは抜群だが、手前と奥の人物にフォーカスが移動する場面で画面がヤケに歪むのがとてもノイズになった部分(何度もあるのでちょっとね)

予想より音楽が盛り沢山で、演出も小気味良く、ギターで歌いバイクで疾走するアクション性に、ボブ・ディランの内向きな英雄譚の側面もあるけど鑑賞感は爽やか😊で音響の良い劇場で観るのをオススメします。

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ミラーズ

3.5フォークソングはたっぷりと楽しめるのだが・・・

2025年2月28日
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コンサートの途中で「レコードで聴ける曲は歌いたくない」と帰ってしまったり、フォーク・フェスティバルで、エレキギターを使ってフォークとはかけ離れた曲を歌ったりと、ボブ・ディランが、常識や定石に囚われない「反骨の自由人」だということはよく分かった。
ただし、それ以外に、彼の何を描きたかったのかが、今一つ分からない。
彼が、人権運動や反戦運動の象徴として祭り上げられる様子は描かれるのだが、彼自身に、そのような思想的な背景があったようには思えない。
ギターを抱えて、頭に思い浮かぶフレーズをノートに書き留めながら曲を作り出すという、彼の創作活動の様子はよく分かるのだが、彼自身が、一体何を考え、何をしようとしているのかが理解できないのである。
実際のボブ・ディランも、こうした「つかみどころのない」人間なのかもしれないし、そこのところは、ティモシー・シャラメもうまく演じていると思うのだが、それでも、もう少し明確なキャラクター造形ができなかったものかと、少し残念に思ってしまった。
映画のタイトルからは、無名の時の自由と有名になった時の不自由のトレードオフ、あるいは、観客が求めるものと自分がなりたいものとの違いから生じる葛藤といったことがテーマなのかと思ったのだが、そこのところも描き込み不足の感が否めない。
ボブ・ディランのサクセスストーリーとしても、2人の女性とのラブストーリーとしても、どこか、インパクトに欠けると言わざるを得ない。
あえて、ドラマチックな演出は避けて、ボブ・ディランの生き様を淡々と描こうとする姿勢には好感が持てるものの、ドキュメンタリーでも、再現ドラマでもなく、劇映画である以上、もう少しパンチの効いたストーリー展開があっても良かったのではないかと思えるのである。

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