劇場公開日 2025年2月28日

「風に吹かれて」名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN 奥嶋ひろまささんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 風に吹かれて

2025年8月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ミュージシャンの伝記物と言えど、
こんなに音楽が流れ続ける映画も珍しいのでは?
体感だと半分以上曲が流れてたような、
それはそれでとても贅沢な時間でした。

ティモシーシャラメの新しい魅力と才能を堪能出来て
眼福でした。

ボブ・ディランを名前だけは知っててどう言う人かいまいち分かってない僕のような人には、とても分かりやすい
映画だったと思う。

天才でありその苦悩も分かるけど、
周りの人の振り回される苦労も大変だったと伺える。

誰もが知っている「風に吹かれて」や「ライクアローリングストーン」「タンブリンマン」を少しだけ聴かせて、
あと全然歌ってくれなくて、ヤキモキしてたら
最後のライブ場面でバンド編成で聴かせる演出は
めちゃくちゃ格好良かった。

音源も残っていて観客からのユダ発言からの嘘つきは
聞いた事があったけど、なるほどこう言う流れで
こうなったのか!と言うのが分かって感動しました。
ただ同時に有名曲をやってくれ!と思ってた自分と
観客が重なって見えて恥ずかしくもなりました。

体制に反発し居場所を見つけたはずが、
ただ自分のやりたい事をやってるだけなのに
観客から裏切り者と呼ばれ、
恋人も去り、天才たちだけが残り、独りになって行く
天才故の孤独。
限られた人にしか出来ないものにとても痺れました。

奥嶋ひろまさ