「若い頃のボブディランのことをもっと知りたくなった」名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)
若い頃のボブディランのことをもっと知りたくなった
世界的に有名なミュージシャン・ボブディランの伝記映画として昨年話題になった作品ですが、ジェームズ・マンゴールド 監督がジョニーキャッシュの人生を描いた映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』の続編という認識で見ました。見ておいてよかったウォーク・ザ・ライン/君につづく道』。意味が深くなりました!!
ティモシー・シャラメさんがボブを好演されていて、私がもっていたボブディランのイメージより可愛い! 若きボブディランも可愛かったのかもしれません。劇中は当然ですが彼の曲が満載で、それにしても詞が重いです。若いのに辛辣で深刻です。当時の世界情勢では、いつ核爆弾が飛んでくるか分からない酷い状況で、世の中は狂っていて、ボブディランは冷静に怒る若者の代弁者だったんだと思いました。
アメリカ文化を語るとき、「ボブがエレキを持った時」と、ボブディランが革命家のように語られる文脈によく出くわすのですが、当作では「エレキをもったボブディラン」の闘いが淡々と描かれていて、淡々とした感じが、逆にリアルでよかったです。
この作品、全体的になんというか淡々と描かれていて、ボブディランを神格化してないし、ただ天才だということは分かりましたが、当時に生きる人たちの怒りが伝わってきて、彼は代弁者なんだと思いました。
ドラマもいいですが、若い頃のボブディランの本物の映像を見てみたいなあと思いました。
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