「T.シャラメだけではない!」名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN のらりさんの映画レビュー(感想・評価)
T.シャラメだけではない!
ティモシー・シャラメに縁も関心もない中、見に行ってみた。どうぜ「ハリウッドの寵児」の独壇場だろう、と構えて。
あの時代の社会の動き、音楽界に漂う特別な熱、ボブ・ディランと彼をとり巻く人たちがよく描かれていた。
シャラメの演技も抑制が効いていた。ウディ・ガスリー、ジョン・バエズ、ピート・シガー、ジョニー・キャッシュら、自分の音楽を求め、もがくミュージシャン達のひとりにしか見えなかった。それは良い意味で。
名のある者のもとを訪れた、ひとりの名もなき若者は、名のある者となっていく。逃れることのできない名をもったその若者は、最後もひとり去って行く。オープニングとエンディングのあのふたりのシーン、交わされる言葉はない。忘れがたいシーン。
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