「♪ 片隅で聴いていたボブ・ディラン」名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN 越後屋さんの映画レビュー(感想・評価)
♪ 片隅で聴いていたボブ・ディラン
これは大当たり、おめでとうございます、でした。
こっちが作品賞じゃないかっていう人も大勢いて、ベイカー監督贔屓の私もこっちの方が遥かにアカデミー賞っぽい、という印象です。
内容はご存じボブ・ディラン先輩の伝記ですが1961-65の5年間だけを描いています。ただこの5年間は「風に吹かれて」を始めとする一般的に一番知られた曲を連発していた時期に当たり、加えて話の進行に合わせて公民権運動、ベトナム、ケネディ暗殺なんかのニュース映像が挟まれて時代性も十分です。
残念ながら私は「ボヘミアン・ラブソティ」世代で、ディラン世代には10年位遅れているため同時代感は乏しいですが、内面描写や抒情性を後回しにして(そこに不満の人もいるでしょうが)2時間20分の半分くらいを歌のシーンで埋め尽くした音楽映画ならではの圧倒的なブルーム感に泣きそうになりました。やはり音楽映画は映画館で観るべきでしょうね。
ただ、この人のことを良く知っている前提で作られているので、WIKIで最低「ボブ・ディラン」を、時間があれば「ジョーン・バエズ」と「ウディ・ガスリー」を予習してゆけば面白さ100倍です。
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