劇場公開日 2025年2月28日

「あらゆるジャンルを超えた最高の映画」名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0あらゆるジャンルを超えた最高の映画

2025年3月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

映画鑑賞後、Sony Music Japanの名もなき者公式予習プレイリストでティモシー・シャラメの映画での歌声とボブ・ディランのオリジナル楽曲を聴き比べしながら余韻に浸っております。
あらゆるジャンルを超えた最高の映画でした。私のベストムービー入りです。オスカーは無冠でしたが、私が審査員なら作品賞、監督賞、主演男優賞賞などすべてトップで推します!
ティモシー・シャラメは5年半をかけボブ・ディランの歌と演奏のパフォーマンスを自分のものにしたとの事だし、モニカ・バルバロもジョーン・バエズになっていた。2人のデュオがいくつも出てきたがその度に痺れたし、初めて「風に吹かれて」を自室でディランが歌った時バエズが追っかけて歌いハモるシーンに鳥肌がたった。スタジオで演奏してた「追憶のハイウェイ61」のディランが吹くあの笛の音や「ライク・ア・ローリング・ストーン」でアル・クーパーが弾くオルガンの高いキーの音など一音で強烈に響くシーンも感涙ものでした。ニューポート・フォーク・フェスティバルでフェンダーのストラトキャスターをかき鳴らし叫ぶように歌うシーンを筆頭にすべての場面で最高のパフォーマンスを観て、聴かせてもらいました。
スージー・ロトロ(映画ではシルヴィの名)との出会いと別れの物語は切ない青春物語だったけど、彼女の気持ち(ディランが遠い存在になっていく)もわかるし、音楽の世界の虜になり彼女だけを見ていれないディランの気持ちわかる。でもディランを社会に目を向けさせたのは彼女であることは紛れもない事実。エル・ファニングには助演女優賞を与えたいと思う。

公民権運動、キューバ危機、ケネディ大統領暗殺など60年代前半のアメリカの背景を差し込みながらも世の中は確実に豊かに向かい、人々が希望に満ちていた頃。日本も同じだったのではと思います。だから、映画を観ていてとってもいい気分になれたのかなぁ、。

アベちゃん