「過去あったヒーロー伝記映画のような過度な脚色をせず、生身のディラン...」名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN mickeithさんの映画レビュー(感想・評価)
過去あったヒーロー伝記映画のような過度な脚色をせず、生身のディラン...
過去あったヒーロー伝記映画のような過度な脚色をせず、生身のディラン初期の時代、フォークからエレクトリックへ進化する様を、あくまでも曲を中心に淡々と描いているが好感度高い。圧巻は5年の歳月を準備にあてたというシャラメが40曲におよぶ楽曲を自ら演奏し歌唱している点。通常、演技は本職なのでともかく、歌唱などはプロ歌手の吹替に依存するものだが、これは立派。しかもディラン節はただでさえ難易度大。チョコレート工場や砂の惑星とはまったく異なるシリアスな役柄でオスカーノミネートも頷ける。脇を固める役者もセリフ数少なく、表情豊かな素晴らしい演技で映画を締めた。改めてディランの名作「追憶のハイウエイ61」までを聞いてみたくなった。
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