「関西人の土地感覚を舐めてんのか!って、原作者が吉本か。」今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は 三年寝太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
関西人の土地感覚を舐めてんのか!って、原作者が吉本か。
原作を読まなきゃいけないなと思うが、現代における純愛というものを追求したんだろうな。それはストーカーと紙一重だが、まあ昔から純愛というのは、自分の心の中の幻想を相手に投影したストーカー的なものかもしれない。脚本の緩さには目をつぶるとしても、主人公の小西は一体どこに住んでるんだよ!河合優実に「ここに住んでるなら遅刻知らずだね」と言われてるんだから、関西大学前(ちなみにいしいひさいちの母校であり、著書の『バイトくん』では東淀川大学と呼ばれている。昔は関大前の通りは雀荘だらけだったのに、今はこじゃれてるね)のワンルームマンションだろ?それなら、なんで、京都の銭湯で、深夜の風呂掃除のバイトをしてるんだよ!どんな移動をして生きてるんだよ!そして、関大前と、銭湯周辺の京都では、映像で見ても明らかに町並みが違うだろ!大九監督には映像感覚というものがないのか?どこの町かぼかしてるならまだしも、出町柳や木屋町を撮りまくりだ。ひどすぎる。伊東蒼がオーディオテクニカのヘッドホンを付けて出町柳から今出川通を渡るアップを見て、「危ないよ」と思ったけれど、ラストへの伏線でした。幸薄き伊東蒼(これぞ、ザ・失恋という感じでしたね。おまえはシャイロックかと思わせるくらいの長ゼリフ)は、『空白』に続き、今回も古田新太に号泣されました。河合優実が待ち合わせの約束をすっぽかしたという事件の謎の、帳尻合せをするラストの無茶な設定にも関らず、藤井優実は今回も絶品でした。スクリーンいっぱいのアップに微動することのない迫力。これからどこまで成長するのかと、空恐ろしいくらい。