「私、あなた嫌いじゃないわ。」I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ iccoさんの映画レビュー(感想・評価)
私、あなた嫌いじゃないわ。
自己中で、言わんでも良いこと言って、やるべき事やらないけどやらなくて良い事して大失敗して、周りを巻き込む厄介君。
でも大好きな映画愛だけは何一つブレがなくて、そこだけはなんか良いねって認めたくなる。
だってそんなに好きなものがあるってすんごい幸せじゃない?
彼の視野の狭さは、歯痒くもあるけど、そこまで没頭できるものがあるってすごく幸せだなと思う。
ただでさえ揺れ動く思春期だけども、通常はもっと自ら体験してそうな色んな心の機微を、あなた映画で全部学んでるんじゃない?と思うほど、映画に没頭している17歳。
そのせいかはわからないけど、なかなかリアルでは対人関係で悩ましい様は見ていて、あー、となる所が多かった。
そもそも基礎のありがとうとごめんねが言えない。
どの映画が好き?って、どんな本が好き?と同義だよね。
私も遊びに行った家の本棚はザーッとみる。
どんな本が好きな人かなって思うから。
相手の好みを探る常套句だと思うけど、この子の場合はなんか一応聞きはするけど、相手の話を聞いてなくて、そこから広がる自分の好きな映画の話を延々展開なんだよな。
とにかく人との距離の取り方が下手だし、自分でもわかってるのに、正直に言うねと言いながら普通の人が半分にするようなとこもフルスイングしちまう何とも不器用、いや、残念な彼。
とは言えどもなんか憎めないのは、辛い過去はもちろんだけど、やっぱなんかもう本当にはちきれんばかりの映画への欲望と愛だよねぇ。
それさえあれば幸せ、なのが全面に出ていて、そしてまたそれがこの思春期の時期だからこその盛り上がりもあり、なんだかんだ希望に満ちた17歳ってのが大きいな。青春だねぇと甘酸っぱい気持ちにもなった。
うん。
良い映画だ。
映画大好き少年の話かと思ってみてたけど、映画大好き少年の思春期の成長記録だった。
面白かった!
このまま自分の好きを貫いて!
嫌いじゃないよ!息子だったら悩むけど!!
あとウェンズデー のイケメンに個人的に心を持っていかれました。
この子知ってるわ、この顔、この身長覚えがある。(イケメンカメラ作動)
あーーー!!わかった!ウェンズデー だわっ!!になった。笑
色々面白かった。