劇場公開日 2024年12月14日

「カウリスマキの映画館」キノ・ライカ 小さな町の映画館 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0カウリスマキの映画館

2025年2月2日
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鑑賞方法:映画館

アキ・カウリスマキが出身地の田舎町に映画館を作った。映画館ができるまでの作業の様子に加えて、町の住人や彼と関わりのある人々が、映画館への期待や彼の作品について語る姿を、ある意味無造作につないでいく。
ほとんどのショットがフィックスで、色調や間の取り方含めて、カウリスマキの作品世界そのもの。ヴィダク監督は、映画館ができる1年前から実際に現地に移住していたそうだが、膨大に撮りためた映像を編集したのか、それともカメラをセットしてから人々に語らせるフェイクドキュメンタリーにしたのか?
突然ニューヨークに変わって、ジム・ジャームッシュが出てきて驚くが、カウリスマキの作品や想いについての良い解説になっていた。
最後に彼自身が語る「映画館を作ったのは町への恩返し」という言葉を、そのまま素直に受け止めた。
音楽の使い方も、まさしくカウリスマキ調。謎の日本人歌手、篠原敏武の実物を観られたのも嬉しい。

山の手ロック