ネムルバカのレビュー・感想・評価
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「夢追い」という荒野における生き残った生存者です。
長い別れの後に再会した時、もし相手が「立派になった」姿で深夜語り合った夢をすでに忘れていたら、幻滅するだろうか?もし惨めな姿でも、瞳に手の届かないあの夢を宿していたら、子供っぽいと笑うだろうか?
全編を通した平坦さ、ナンセンスさ、ささやかな日常が、ラストの柚実の涙と大声での合唱に結晶し、爽快に迸り出した。柚実はルカの才能とバンドの夢を心から信じ、その純粋さゆえにルカが夢を裏切って軽やかなアイドル歌手になることを許せない。幸いこれは映画で、ルカは最後にギターを手に取って初心を貫くあの歌を歌い上げた。
夢を追うことは本当に贅沢な行為だ。映画を見ながら、自惚れほど自分の記憶がフラッシュバックする。大学の寮で五十音を覚え、周囲に日本に行くと大言を吐き、深夜の賃貸部屋で赴日就職説明会の主催者から諦めるように説得される電話——もう四回目だね、毎回君がいる。私は諦めなかった。10年前の大風呂敷を奇跡的に実現した。だが私はただ「夢追い」という荒野における、たまたま生き残った生存者なのかもしれない。
予想以上に面白かった女性バディ物
石黒正数先生の同名漫画が原作となった作品でした。監督は、「ベイビーわるきゅーれ」と同じ阪元裕吾監督。話は全然違うけど、若い女性二人組の話で、チラシのルックが同作とソックリで興味がそそられました。
内容的には、2人で下宿に住むバンドをやってる先輩・鯨井ルカ(平祐奈)と、ノンポリの後輩・入巣柚実(久保史緒里)のお話。2人とも金欠で汲々とした生活を送っているところも「ベイビーわるきゅーれ」と重なっており、現在の貧困化著しい日本では、これが実態なんだということで、土台の部分にリアリティを感じました。一方リアルじゃないのは、久保史緒里と平祐奈の甚だしい”可愛さ”くらいのものでしょう。
コメディタッチのお話ですが、柚実にキモいオッサンが再三迫って来るシーンは、オッサンにとって耳の痛い話で笑えないところ(笑) また、柚実自身が、好かれてると思ってた同級生田口(綱啓永)が、実はルカ推しだったところは、何となく予想は出来たけどコメディ全開で非常に面白かったです。
バンドで活動していた鯨井ルカ1人に大手レコード会社から声が掛かり、バンドメンバーと別れるシーンで、ルカとメンバーとの間に分厚い壁を見せていた画面構成は、「天才と凡人の間に壁がある」と言っていた前半のセリフの伏線回収になっていて、実にお見事でした。その他にも、将来の夢とか、自分の限界とか、一生懸命にやるとか、若者らしい期待と不安の綯い交ぜになった感情表現やストーリー展開も、青春群像劇の片鱗があって実に共感出来ました。
メジャーデビュー後、順調に売れたルカでしたが、1年後にコンサートに柚実やバンドメンバーを呼び、トリでバンド時代の思い出の曲、しかも柚実の寝言がきっかけで作った曲を演奏して失踪するという流れも、冒頭のシーンと韻を踏んでいて良かったです。
チラシのルックが「ベイビーわるきゅーれ」に似ているというだけで観に行ったので、正直大きな期待をしていなかった作品でしたが、かなり面白くて大満足でした。
そんな訳で、本作の評価は★4.4とします。
先輩と後輩。
大学女子寮の同じ部屋に住む、…夢、目標がなく古本DVD買取店でバイトする後輩・入巣柚実と、「ピートモス」というインディーズバンドでギター&ボーカルをし活動してる先輩・鯨井ルカの話。
基本ゆるく自宅で過ごし、いつもの居酒屋で飲み駄弁りライブ活動と、そんなある日、大手レコード会社から声が掛かり2人の生活が変わり始める。
“先輩失踪”と始まる冒頭から?で始まり寮での生活、「ベビわる」の監督が本作の監督ってのもあり、ベビわるのチサトとマヒロのやり取りを見てる様で面白い!
2人一緒にいれば基本ゆるくダラダラな感じでボソボソ駄弁り見せるけど、ライブで見せるルカの切り替えのカッコよさ!「ネムルバカ」ってタイトルには?だったけど…。
レコード会社から声が掛かりラッキーとは思う心情、いざやれば自分のやりたい音楽は出来ず、でもこうじゃないと見せた曲変更の3曲目の「ネムルバカ」には涙。
入巣とルカの2人のダラダラなやり取りと、この世界観もっと見たい!続編希望!
昔を思い出して、グサグサッ胸に突き刺さる
女子大生のゆるふわコンビニが楽しく生活してるのを見守る感じで見ていたら、まずビデオ屋の店員に胸をグサグサさされた!俺も同じ事をしてないかとても不安になった。その人と行ったクリエイターかぶれの店で出てきたオーナーに爆笑&自分も同じ事をしてないか不安になる。
とにかく楽しいが、若い頃によくあるあの感じに心をえぐられる!ただ好きな事を一生懸命やる事がそんなにかっこ悪いのだろうか?俺は素敵だと思う。
やりたい事がある人も、やりたい事が見つからない人も、みんなに見て欲しい1本🥺
また大好きな映画が増えた🍿🎬📽
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2人のカールズトークが最高の邦画だけどイマヒトツ刺さらず。
多分、自分のやりたい事を見失わずに突き進め!
みたいなメッセージは感じたけど満足度は低めだった。
本作のタイトルから、自分がやりたい事を眠る様に目を瞑って生きる人達に向けた作品だったのかも。
久保史緒里さん演じる柚実。
平祐奈さん演じるルカ。
この2人を中心に展開するストーリー。
本作の監督のアクション映画が好きなんだけど、終始緩いガールズトークで進行する感じ。
それはそれで面白いけど結局何を表現したかったなか?
良く分からない(笑)
ルカがアーティストとしてステージに立つものの自分が表現したい事を封印した後、自分がしたった事をラストです表現するシーンは良かった。
だけど、柚実やバンドメンバーには何の変化もなく中途半端な感じ。
平祐奈さんがカッコ良い!
久保史緒里さんにも歌って欲しかったです( ´∀`)
ルカ先輩、好きだー!
「ベイビーわるきゅーれ」シリーズの阪元裕吾監督作品。
「誰よりもつよく抱きしめて」のヒロインつきちゃんの久保史緒里主演。
期待せずにいられない。
今週末公開作品数多ある中で今作をまず一番に選んでよかった。(河合優実が出てる映画もあったのに)
思っていたよりもゆるくて、これはこのままゆるゆるで終わってしまうやつかな、いやいや阪元監督だから最後にぐっと持っていってくれるかな、と期待していたら、予想以上にもっていかれましたよ。
最後の ネムルバカ 。
ルカ先輩カッケー。
もう入巣やピートモスのメンバーたちと一緒に泣いていた。
早乙女カナコのようなお洒落な部屋に住んでるハイスペックな女子大生よりも、汚い女子寮でグダグダ暮らしてるこっちの子たちの方が共感できる、というか応援したくなる。
ビジュ爆発してるのにアホで底が見えて酔っ払ってもかわいい入巣。一生懸命生きているのにテンション低めのルカ先輩。ゆるゆるの前半から感動のラストに向けて、二人のキャラクターを演じる久保史緒里と平祐奈が絶妙。
エンディングに流れるネムルバカ、口づさんでいる久保史緒里を見るだけでも、もう一回観に行ってもいいな。
映画はやっぱり面白くなくちゃね。
ダサイクルで映画作ってる奴らへの挑戦状だ。
阪元裕吾監督をもってしてこれか
まったりした日常会話の中で笑いを取ってくんだよね。それなりに面白いけど、そこまでじゃなかった。笑ってる人もいるけど、自分はそんなにじゃなかったな。少しわらったけど。
途中、眠くなるんだよね。
観るべきものがなくなっちゃうから。
レコード会社の人から電話がきて、平祐奈が行くあたりから盛り上がるね。
そしてラストのカタルシスはすごい。
ここを描くためだけに、そこまでのまったり感があっても良いと思ったよ。
監督だれだろうと思ったら阪元裕吾監督だったね。
ある程度の笑いを取るのもさすが。
でも《ベイビーわるきゅーれ》は、もっとすごかったんだよね。
そう思うと、あれ、実は髙石あかりがスゴイんじゃないかな。
「高石あかり、想像以上にスゲエな」と思いながら劇場を出たよ。
あと平祐奈が売れてくところを観ててね、こうやってパッケージを作って売ってくなら、歌う人は誰でもいいなと思ったな。
もうAIでいいよね。そうすれば人の気持ちも踏みにじらないしさ。
アイドルは全部AIになるなと思ったよ。
苦しくなったら逃げても良いが・・・。
石黒正数先生の「ネムルバカ」は、初版が刊行された頃に購入して購読済みですが、残念ながらほとんど記憶に残っておらず、また漫画本も処分した後で読み返すこともできません。既に17年も前の作品だったことに驚いています。
大学の相部屋の女子寮って今も現存しているのか定かではありませんが、簡単に男子が出入り出来るセキュリティの甘さについてはちょっといくらなんでも・・・と思ってしまいました。最悪、隣の部屋の女子に通報されて退寮ですよ。原作もそうだったっけ・・・と思い返すもまるで記憶にありません(笑)。
ただ、そんな粗探しなんてどうでも良いくらいセンパイとコウハイの掛け合いがユルく、かつヤサグレてて楽しいです!ダメ人間認定される一歩手前・・・というか片足突っ込んでからが楽しいんだよ、と言わんばかりのグウタラさが大学生として経験上でもリアルでした。
将来の夢を追う不安、その追うべき夢さえ現時点で形になっていない焦り・・・それらの為に彼女らは時に暴走したりするんですが、なんとかギリギリ綺麗に演出できていたんじゃないかと思います。まあ暴力はダメですけどね(笑)。
最後に。苦しくなったら逃げても良いがいつかは帰ってこいよ・・・と親心込みで強く「彼女」に伝えたいです。
では。
日常系と思ったら熱かった! 今の若い人だけでなく、自己の才能に悩み...
いきなりのセルフ?ネタバレ
阪元裕吾監督作品
個人的に「サカモトユウ◯」と言えばこちらなので🙇♂️
「ベビわる2」劇中での「はな恋」ネタは笑えた😀
作品冒頭いきなり「先輩失踪」というナレーションによるネタバレ?にびっくり
原作は知らないけど映画では観客はいきなりラストを知ることに?
ラストのライブは印象深くてよかったのですが考えてみたら先輩はどうなったのか気にはなります
主演の2人のやさぐれ方?がよかったです
2人の役が逆でも面白かったかもです
先輩の見どころはライブシーン
後輩の見どころはエンドロールに流れる1人芝居?
雰囲気は「ベビわる4」
笑って泣けたいい映画
乃木坂ANNリスナーです。
久保史緒里目当て楽しみにしていました。
ちょうど前日はANNの日だったので、radikoで聴きながら行きました。
原作は知りませんでしたが、前半は会話劇、所々切ないけど、基本はコメディかな。ベイビーわるきゅーれっぽい。でも、ところどころ刺さる。
最後は良かった。泣けたよ。あのシーン忘れなそう。前半からのギャップがいいな。
可愛いけどちょっとブラックな面もあるのはANNの久保史緒里のママですね。金髪の平祐奈も良かった。
全体的に映画としてとても良かった。坂元監督もピン留めだね。
本当はもう一本べつの映画も見ていく予定だったけど、余韻がいいので、今日はこのまま帰ろう。
帰りもANN聴いて帰ろう。
飽きないねー
何回見ても矢口だよね〜😂
主演二人の感情表現がいい
原作の雰囲気を汲み取りつつ、阪元裕吾監督らしい殺し屋じゃない『ベイビーわるきゅーれ』みたいなグダグダで無軌道なガールズトークで、事態がよろめいていく感じがすごくいい。
主演二人、平祐奈と久保史緒里の表情(感情表現)が上手い。
ラストは予想通りではあったが、そこを含めていい。
阪元作品の常連、伊能昌幸(国岡役でお馴染み)くんが、意外な役で出ていて、登場した瞬間に烏龍茶が気道に入りました。
私には大受け。
新たな脱力系女子コンビ誕生
公開初日に鑑賞。阪元監督が「ベイビーわるきゅーれ」シリーズに続いてメガホンをとった脱力系女子コンビの日常を描いた青春ドラマ。
W主演となる久保史緒里&平祐奈の息もピッタリの印象で何気ない日常会話もなかなか面白くて思わず笑ってしまいます。観ていて全く飽きない癖になる作品で新たな脱力系女子コンビ誕生です。
2025-46
(採点においてネタバレを含むためネタバレ考慮)アクションシーンのない「初代ベビわる」に近いか
今年85本目(合計1,627本目/今月(2025年3月度)19本目)。
この週は木曜日スタートで公開されている映画が多いですね。どれもなかなかの作品といったところです。
こちら、展開が何というか本当に「アクションシーンのないベイビーわるきゅーれ」(初代。無印でもよいが)といった感じが結構します。好き嫌いは分かれるでしょうか(なお、どちらの出演者さんも無関係)。今どき大量のVHSを古本屋の買い取りに持ってくる(そして「巻き戻す時間が楽しい」とか言っていたり)、あるいはコンビ女子2人が微妙にやる気がなかったり、あるいはネタな発言をしたり、そうかと思えば著作権法違反(いわゆるファスト映画)の話と結構ネタは多いです。そのネタの多さはおそらく原作準拠なのでしょうが、監督さんのテイストも加わって、まさに「初代ベイビーわるきゅーれに近いか」(アクションはない)といったところです。
音楽を目指す彼女(主人公は「2人」いると考えられるところの、1人)には共感できるところも多いし、結構よかったなというところです。
採点はちょっと辛いのですが、以下まで考慮しています。
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(減点0.3/寝言に著作権法は働くのか)
この映画で「著作権法」というのは、実際に、いわゆるファスト映画をアップしている人が大手から(民事訴訟で)訴えられた、というところで登場します。かつては著作権法上、ややアウトよりのグレーかといったところですが、判例などを経て現在はアウトというところです。
そして、ある歌の「歌詞」にも著作権法は働くものの、この映画のタイトル通り、この映画のタイトルは「ある人の寝言」からきています。
日本の「著作権法」を見ると
> 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
> (用語) 一 著作物
> 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
> ( ニ 以下省略。なお、法律には著作権法は働きません。)
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第十三条
次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
一 憲法その他の法令
( ニ 以下省略)
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ここで、著作物の定義を見ると、「思想又は感情を創作的に表現したもの」とあり、寝言に「創作性があるか」というと微妙な気がします。一方、寝言のメカニズムも完全に解明されてはいませんが、「自分の知らないことは言えない」とされます。また、発言にハンディのある方(聴覚にハンディのある方)も「手話の寝言」をするといわれます。もっとも、よほど「うるさい」場合を除いて治療等の対象外で、その「寝言」も仕事か何かの夢を見て「やってらんない」とか、そんな「何をいってるの?」みたいな発言が大半です。
ただ、「創作的に表現したもの」に絶対にあたらないか?というと微妙なところこもあるような気もしますし(このあたり、著作物の取り扱いは、弁理士と行政書士の共管業務の部分があるので、その観点では見ました)、ここは何とでも取れるような気がします。
※ かつ、この映画作品全般をみても「ファスト映画で訴えられる話」や「ファスト映画をいわゆるYoutubeなどにアップする話」も出てはきても展開に一切関係しないからこそ、この「レビューする歌の歌詞は実は寝言から着想を経た」という部分はその問題提起なのかなぁ、といったところです。
※ なお、当然、このようなことを論じているサイトはほとんどなく(日本は具体的な事件に対して裁判所が関与するのであり、抽象的・架空の事件に対して裁判所が判決を出せるのではありません)、そのような運用です。
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