劇場公開日 2025年3月20日

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「アクションがなくても、しっかり阪元監督作品ーーー」ネムルバカ abuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 アクションがなくても、しっかり阪元監督作品ーーー

2025年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

『ベイビーわるきゅーれ』を思わせるような、あのユルくてクセになる会話劇。今回も主役のふたりが延々と他愛のない会話を繰り広げていて、「ああ、阪元節だな」とニヤリとさせられる。アクションじゃなく、実はこの会話こそが阪元作品の“芯”なんだと思う。

とはいえ、好みは分かれる。理解できる人にはクセになるだろうし、イラつく人にはとことん刺さらないかも。個人的には冒頭の「スイカゲーム」のBGMで、なぜかイライラしてしまった(笑)。

でも物語が進むにつれて、これは“ちょっと変わった青春音楽映画”なんだと気づかされる。そして迎えるラスト、ちゃんとカタルシスが待っていて、気づけば胸が熱くなっていた。

アクションができる役者が揃っているのに、あえてアクションを封印した意味も、あとからじわじわ効いてくる。主役のふたりの演技力と阪元監督の丁寧な演出が、ラストに向かってしっかり機能していたことに気づく。

予想外に熱くて、ちゃんと沁みる作品でした

abu
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