「まあまあだ」ネムルバカ 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
まあまあだ
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音楽や演奏が重要なポイントなのだけど、最初のライブシーンの演奏にライブ感が全然ない。録音した音源を流して当てぶりしていてとても残念だ。ライブならではのブレスや演奏の勢いが何もない。他にも無神経すぎる表現が目に付く。無断で借りた車をガス欠で放置とか、貸してくれた男に対して何一つ配慮がない。感謝もない。炊飯器を手に持って振り回して米をぶちまけるとか、炊飯器なんか手に持つか? 不手際を描くとしても他にやりようがありそうだ。誰のことも好きになれないまま終わる。
レコード会社の人たちも無神経でよく一緒にやれたものだ。
ラストのコンサートの場面もカラオケを流すだけのソロライブで熱がない。と思っていたらギターの弾き語りが始まる。それも当てぶりなのだろうけど、けっこういい。かつてのバンド仲間が見に来ていて盛り上がっていて彼らの脳内演奏が音源ということなのだろう。しかしあんなふうにあっさり切り捨てられて彼らもよく見に来てくれたものだ。それほど密な関係にも見えないけど、好意的に解釈すると一緒にバンドをすると理解を超えた関係が築けるのかもしれない。
阪本監督作品なのでどこかで殺し合いが始まると思っていたら全くない。
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