劇場公開日 2025年1月17日

敵のレビュー・感想・評価

全363件中、281~300件目を表示

4.0見事!長塚京三

2025年1月20日
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長塚京三という素晴らしい役者が
日本にいたことを、改めて知らせて
もらった映画です。

物語は、77歳の元大学教授
(仏文)の一人暮らしの優雅な日々の
前編と、不穏なメールをきっかけに
襲いかかる夢幻、妄想のシーンが
続く後編で構成されている。

原作者の筒井康隆氏が「映像化は無理だと
思ったが、すべてに渡り映像化してもらった」
と絶賛。
僕は小説は読んでないので詳細はわからないけど
ユーモア、老いへの恐怖、愛欲への僅かな執着を
とにかく長塚さんが自然に見事に演じる。
身長181、ソルボンヌ大学留学、現在79歳の
この俳優にぴったり、堂々の主演作だ。

もちろん監督の吉田大八の力はいうまでもない。
「敵」とは何か。
本作を観た人と話をしたくなる映画です。

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高坂圭

4.0老いを研ぎ澄ます。

2025年1月20日
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鑑賞方法:映画館

箱入りの初版原作本に、とある番組ゲストで来局した筒井康隆さんにサインを入れてもらったのは、相当に昔の思い出だ。
小説と同じで、老いてボケてゆくインテリ教授の、ボケの『無自覚な進行の主観』を客観的に描いている。原作では、ボケとの対比で、様々な情景や行動描写が、狂気に近いほど細密に表現されていた。その緻密な文章が映画でどこまで再現できるかに、興味があった。結論として『映画は映画として』在るに過ぎない、ということだ。

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t2law

3.5

2025年1月20日
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これは全て夢の中の話です。
何故なら最後のシーンで双眼鏡に主人公が写っていました。
現実なら有り得ない事。もっともな日常のシーンも夢の中でみている。そこから異常な出来事が起きて行く。
全てがある日にみた夢であり、
主人公は今でも同じように生活してるのだと思います。

毎日同じような日課で生活するも、老いの怖さを感じるようになり、みた夢です。
定年後の老後をしみじみと考えさせる作品。

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vvv

3.5どう感じてよいか…難しい作品

2025年1月20日
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難しい

モノトーンの映像で現実と妄想の線引きがなく、不思議な感覚になる作品でした。やがて迎える死への『寂しさ』と『淋しさ』の狭間の孤独と欲望が『敵』という形で表現されてのは興味深い視点でした。自分が77歳になったら理解できるのでしょうかね。

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あにゃい

3.0何はともあれ、叱られたい爺さんなんだなあと思った

2025年1月20日
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鑑賞方法:映画館

難しい

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Dr.Hawk

4.0「老い」とは何か

2025年1月20日
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知的

難しい

歳を重ねれば、「老い」を迎える。
その「老い」への備えと、「老い」に向けての心の準備を考える作品だった。
ひとり悠々自適の暮らしを送るのではなく、決められた時間に起床し、朝食を作り、委託された仕事のためにパソコンに向かう。洗濯や買い物は必要に応じて。
僅かな収入と年金と預貯金の残高を考えながら、「最後」の時を迎える。
彼の日々の生活をモノクロのスクリーン越しに観ながら自分自身のことを考えた。

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ちゃ坊主

4.5Lewy小体型認知症か

2025年1月20日
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ラッキーアミーゴ

4.0人生の敵とは老いと後悔

2025年1月20日
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鑑賞方法:映画館

怖い

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noriske

4.5老人を主人公とした新たな傑作‼️

2025年1月19日
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悲しい

怖い

知的

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活動写真愛好家

4.0考え始める時期かもしれない

2025年1月19日
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Scott

4.025-007

2025年1月19日
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筒井康隆原作の作品を鑑賞。
モノクロで描かれる老いた元教授。
人生の終焉を淡々と平凡に予定調和で過ごそうとする。波風の無い日々に少しづつ変化の波が近付く。

現実なのだろうか、
夢なのだろうか❓
玄幽の境目はどこだったのだろうか❓
それとも全てが夢だったのだろうか❓

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佐阪航

4.5「敵」がいることが不幸なのかあるいは幸せなのか、考え込んでしまう一作

2025年1月19日
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モノクロームで映し出される長塚京三の容貌は今までの役柄以上に年齢を感じさせますが、その所作の数々、特に食事を行う際の動きなど、クロースアップでも美しさを感じてしまうほどに洗練されています。

元大学教授なだけに、言動はあくまで物腰柔らかく知性的、かつ洗練されているけど、どこか高慢さを醸し出している「渡辺」という人物を、彼以外の俳優で演じることは不可能だったのでは、と感じさせます。

吉田大八監督はこの役を長塚京三を想定して練り上げていった(いわゆる当て書きした)と何かで読んだ気がするのですが、深く納得です。

物語が進むにつれて、彼の前に、「敵」なるものが付きまとってくるわけですが、それが何であれ、渡辺の理想的な生活を破壊しにかかってきて、静謐に保たれていた秩序やつじつまが千々に乱れていきます。その顛末を、観客も渡辺とともに体感していくことになります。

原作小説の出版(1998年)以降だけをとらえても、(本作のとらえ方にもよりますが)某アカデミー賞受賞作品を含め、本作に近しいテーマ設定の映画作品は、実は決して少なくないのですが、ということは、観客が本作のテーマを映画作品という形式で解釈し、受容する解像度も高まっているということでもあります。

その意味で、原作出版時のような新鮮な心理的衝撃を現代の観客が感じる余地はやや少なくなっているかも知れませんが、一方で本作の中核的なテーマを映画作品として味わい、理解するのに、今この時代はむしろ適切なのかも知れません。

渡辺が怯える「敵」の存在。その正体が見えてきたとき、それは渡辺にとって不幸なのか、いやむしろ幸福なのか、考えさせられる結末でした!

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yui

4.0老いていくのは怖いけど…

2025年1月19日
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悲しい

怖い

難しい

年老いた元大学教授が主人公。
先生の丁寧な日々の暮らしぶりは、PERFECT DAYSの平山さんを思い出した。
死への覚悟、準備はできているのに、
やっぱり怖くて怖くて、
今までの人生の罪や後悔やごめんなさい…が、
どんどん大きく育って、追い詰められて、
狂っていったのかな…。
老いていくのは辛いなぁ。
そんな中でも喜び見つけて
笑えるといいんだけどなぁ。
帰り道、そんなことをぼんやり考えていた。

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エリー♪

4.0死ぬことは生きることと見つけたり

2025年1月19日
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笑える

怖い

知的

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ぺぺまる

4.0“おい”の棲家

2025年1月19日
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コロナ禍中、30代に読んだ筒井康隆の小説『敵』を再度読み直していた吉田大八監督はこう思ったそうである。家の中に閉じこもっている男の日常が妄想に侵蝕されていくストーリーは、ロックダウン下にある現代社会にも相通じるポテンシャルを持っている、と。脚色大魔王の異名をとる吉田大八監督曰く「今まででもっとも原作に忠実な映画」だそうで、90歳をこえて車椅子生活状態の筒井康隆があと20歳若かったら、実際主人公へのキャスティングをオファーしていたかもしれない、と語っていた。

奥さんが20年前に他界後フランス語大学教授を退官した渡辺儀助(長塚京三)は、古い家で独居生活を送っていた。原作小説同様、炊事洗濯掃除の作務を執拗に追いかけた前半を見ていると、こりゃヴィム・ヴェンダース監督『PERFECT DAYS』とおなじ“小津安二郎”へのオマージュか、と錯覚させられる。渡辺家に度々現れる色っぽい元教え子鷹司を演じた瀧内公美には、実際吉田監督から「原節子のイメージで演じてほしい」というオーダーがあったそうなのだ。あれあれやっぱり小津なの?と思いきや...

この映画、同じモノクロで撮られているのだけれど“小津調”とはどこかニュアンスが違っている。劇場で見ながら誰かのモノクロ映像に似ていると思ったのだが、監督自らがインタビューで白状していたようにおそらく“ホン・サンス”のパクリだろう。硬派なようでどこか胡散臭いコントラストを効かせたモノクロ映像は、まさにホン・サンスそのもの。明確に死を意識させるキャラをどこかで茶化しているホン・サンスの近作同様、預貯金が底をついたら自殺しようと遺書まで用意している殊勝な儀助を、筒井や吉田はどこか覚めた目で見つめているのである。

「健康診断じゃ健康にはならないよ」なんて、悟りきった名言を友人(松尾貴史が筒井康隆にそっくり!)に披露する儀助ではあるが、(妄想の中では)瀧内公美や河合優実演じる若い娘に手出しする気満々だし、(やはり妄想の中で)死んだ女房(黒沢あすか)と念願の湯船につかったり、(これもやっぱり妄想の中で)キムチの食いすぎで出血した肛門に内視鏡を激しく突っ込まれたりと、本音ではまだまだ“若さ”の象徴でもある“春(性)”にしがみつきたい儀助77歳なのである。

が、そんな儀助のパソコンに謎のスパムメールが入り始める.....「敵が北からやって来る」何かにしがみついても、逃げても、物置小屋に隠れても、棒切れを持って立ち向かおうと抗っても、どこまでもどこまでも追いかけてくる“敵”。隣の『裏窓』から眺める分には暇潰しの格好のネタになる“敵”。“枯井戸”のごとくけっして甦ることのない“敵”。フランス人なら絶対道端から拾いあげない“犬の糞”のように悪臭を放ち、しまいにはふんずけられる運命の“敵”。そんな“敵”が、自分が予想すらしない時に目の前にふいに現れたら、あなたは素直にそれを受け入れますか、それとも.....

※因みに遺産相続を受けた槙男くんは儀助の“おい”でしたよね。お後がよろしいようで。

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かなり悪いオヤジ

3.5転調する映画

2025年1月19日
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買い物に行き食事をつくり洗濯をして風呂に入る。食べ始めると電話が鳴り玄関のチャイムが鳴る。近所の爺さんはくだらないことで騒ぎたまに教え子がくる。
普通…いや「敵」が現れるはずだ。
それは何なのか誰なのか。若い女に騙されるのかフィッシング詐欺か?それとも自身の内なる敵か?
大昔に「パプリカ」も読んだのに筒井康隆をすっかり忘れていた。
あーそうだ!これだ!という映画です

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木曜日

4.0『PERFECT DAYS』が綺麗すぎるなと思った部分を補ってくれ...

2025年1月19日
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『PERFECT DAYS』が綺麗すぎるなと思った部分を補ってくれるような老いと欲とのせめぎ合い、虚構と現実の狭間に苦しみつつも楽しむ感じ、敵=メタファー、役者の佇まいの艷やかさ、吉田大八監督らしいスローの使い方と突き破り方。

『桐島、部活やめるってよ』のドラフトが終わるまで練習をやめれない野球部のキャプテンや『騙し絵の牙』の紙媒体にこだわることに決めた編集者を想起した ラストのトーンは『紙の月』を想起。原作ものが続いても吉田大八監督の作家性が一貫しているように感じた。

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わたろー

4.0敵とは?

2025年1月19日
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老いの孤独を丁寧にエピソード割いて描いてて良かった。
長塚京三の存在感もリアルを感じさせてくれた。
ただオチとしては弱いと思う。
敵とは何を言っていたか、よくわからない。
もう少し明確に指しているものを見せてほしかったな。語らないことが魅力につながっていたとは思えなかったから。

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ドラゴンミズホ

3.5【”老いという敵に抗う”元フランス近代演劇史教授の姿を、彼が観る夢と現実が混交していく様をモノクロームで描いた作品。瀧内公美さんの長い黒髪のエロティックさが妖艶でありました。】

2025年1月19日
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悲しい

知的

難しい

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NOBU

4.0人間が弱ると、わき出て来る「敵」

2025年1月19日
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原作未読。筒井氏の作品なら面白いだろうし、吉田氏の演出なら外す訳もない。
長塚氏の少し気の小さい感じもじつに役にあっていたし、女子部の存在もぶ厚く彼の計画を妨害する敵として素晴らしい。後半から入ってくる音楽も丁寧に積み上げられた前半を壊す事なく寄り添ってくる。
原作自体1998年出版、筒井氏64歳ころ書いたものでおそらく老いと、煩悩、思い通りにならなくなっ肉体という檻に閉じ込められた自分の被害者意識からくる妄想も自身のなかから抽出されたのではないかと思う。

調子こいて仕事や飲み屋でモテた気になっている自分自身も、映画と被ってお恥ずかしい次第である。
何とか清潔に老いて、サラッとこの世から消えたい物だと切に思いながら映画館を出た。

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masayasama
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