「2人の子供達が主役でありヒーロー」スピーク・ノー・イーブル 異常な家族 K.ベイさんの映画レビュー(感想・評価)
2人の子供達が主役でありヒーロー
スピーク・ノー・イーブル 異常な家族
元の胸騒ぎとの比較にはどうしてもなってしまうが、内容はほぼ同じ。
最後の結末がバッドエンドなのが胸騒ぎであり、ハッピーエンドなのが本作である。すなわちどっちの結末を求めるかで好みは大きく変わると思う。
個人的に胸騒ぎの好きな所は、被害者家族の両親が違和感不信感から正しい判断をできず、あらゆる選択肢を間違え続けた結果娘を失うバッドエンドに繋がった所が妙に納得し好きであった。
どんなに娘を思う気持ちがあろうと、両親が間違えた選択を続ければ守れるものも守れなくなるという現実を突きつけてくる様な感覚が好きであった。
対して本作ハッピーエンドでは終わるものの被害者家族の両親の間違え続ける選択シーンは胸騒ぎと同じながら、行き当たりばったりで運が味方して逃げることに成功するのがモヤモヤが残る。
胸騒ぎのIFの世界をせっかく作ったのだが、両親がきちんと正しい選択をし自らハッピーエンドに導く展開が見たかった。
結局この作品の主役でありヒーローなのはアグネスとアントの2人の子供達であり両親が守りきれてない隙の多さが個人的には胸騒ぎと比較してしまうと物足りなかった。
まぁ基本的には胸騒ぎとは同じ内容ではあったが、シリアルキラー夫婦の妻の方も被害者の可能性がある?みたいな所とマカボイの体格が良過ぎで、あの自分本位の行動言動が胸騒ぎの時とは違って気持ち悪さ、不快感より単なるモラハラ感強めに見えてしまったのが気になった点かな。
胸騒ぎでは犠牲者となった少年アントも生存でき(これもアグネスのおかげ)最後これまでの苦しみを少しでも晴らして終わるシーンは個人的には1番好きなシーンだった。