劇場公開日 2025年1月3日

「何を述べたいかはっきりさせるのが大変か/2024年の映画事情等」ぼくらのふしだら yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5何を述べたいかはっきりさせるのが大変か/2024年の映画事情等

2025年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年1本目(合計1,543本目/今月(2025年1月度)1本目)。

 少し遅くの起動になりましたね。

 さて、こちらの作品です。
一応、性的に不穏当な発言や描写があるので一般指定ではないですが、ことさらその部分を強調させるような表現になってなかったのが良かったところです。

 一方でストーリーを追いかけるのが容易ではなく(細切れに出てきたり時間ずらし描写などあるため)、結構これは苦労するんじゃないかなと思います。おそらく時間は、現在と過去の2軸だと思います(その間を行き来することはしていない?)。

 80分ほどでさくっと見たいという方にはおすすめ以上ですが、やはりその時間でまとめあげるのに失敗したか、何を言いたいかいまいちはっきりしない部分も多々あります。典型的に「2度3度見ることが想定されている作品」でしょうね。その点では、そういった作品は過去ありましたが、不愉快にさせるような発言がほぼなかったので、そこは安心といったところでしょうか。

 採点に関しては以下まで考慮しています。

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 (減点0.3/事務管理と無権代理)

 事務管理(697)の管理人にはあらゆる代理権が与えられているのではないので、対外的に第三者を巻き込む構成にすると(本人の追認がない限り)無権代理(か、条件を満たす場合、表見代理)にしかなりません。

 ※ 表見代理を、有権代理よりに解釈する立場と無権代理よりに解釈する立場があり、ここでは前者の立場にたったものです(判例もなく、学説上の争いがあるところ)。
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 ※ 2024年に気になった映画等

 ・ ライド・オン → ジャッキーチェンが出てくるカンフー映画…と思いきや、飛んでくるのはカンフーのパンチキックではなく、なぜか(中国)民法用語というこれまた変わった映画。それでも何とかみていると「善意取得」という語が…。これ、理解できる方いるんでしょうか…(日本民法では即時取得(192)に似る部分もあるが、制度がかなり異なる)。

 ・ もしも徳川家康が総理大臣~ → 憲法/行政法(公法)の関係で解釈が成立しない映画はかなり評価が落ちます(0.5評価。詳しくは同評価参考のこと)。

 ・ コンクリート・ユートピア → 時期が悪かった(石川・能登震災とかぶった)部分はありましょうが、この映画の真に述べる趣旨を理解するには、韓国の住宅の賃貸借システム(チョンセ権等)まで理解していなければならず、その観点では厳しかったかなぁ。

 (5月だったか6月だったかの「ビニールハウス」も同様)

 ・ オッペンハイマー → 賞も取った有名作品ですが、裏で述べられている「当時のアメリカ行政手続法の不備を論じる」ことまで読み取るのは結構しんどい印象です。

yukispica