ワン・フロム・ザ・ハート リプライズのレビュー・感想・評価
全3件を表示
コッポラを地獄に突き落としたトンデモ映画!かと思いきやー
立川シネマシティの極音上映で初鑑賞!
どうやら全編ゾエトロープスタジオでセットを組んで撮影したトンデモ映画らしい!一体どんなヤバい映画なんだ!?
OP後最初のショット!ネオンがバキバキのベガスのカジノ通りが大写し!これだけで空いた口が塞がらない。
え、コレ全部セットなのよね!?
部屋が交互に映るシーンとかはシンプルに面白いし、
クライマックスのミュージカルシーンも凄い。
ラストはまさかの空港と飛行機→雨土砂降りのシーン!ここだけで一体幾ら掛かってるんだ!!??
見所はセットだけではない。
間延びしてしまいそうなただの恋愛話を、シーンの繋ぎと編集の巧さで全く飽きさせない。
そして主役のハンク(フレデリック・フォレスト)とフラニー(テリー・ガー)!
どっちも憎めないいい奴らじゃないか。
ゴッドファザーや地獄の黙示録のような引いた視点ではなく、コッポラはこの二人に愛着を持にながら撮っているように思った。
フラニーと飛行機で別れ、家で彼女の服を暖炉に焚べようとしてよよよと泣くハンクにつられて、こっちももらい泣きしてしまうよ。
ストーニーに捻りがあるわけでも、とんでもバイオレンスがあるわけでもない恋愛話な訳だが、EDで感動してしまった。
個人的にゴッドファザーの次に好きなコッポラ映画の一つになった。
いつになったら再編集は終わるのか?
初公開時、1982年8月30日に新宿ロマン劇場で観た時の上映時間は1時間47分だった。
日本では東宝東和の配給で、発売されていた日本公開版のVHSビデオテープとコロンビアの輸入版LD(レーザーディスクです。DVDはまだ存在していません)を友人と見比べて、こっちはテリー・ガーの乳首が見える、見えないとか騒いでいたのだが、一番驚いたのがレイ(ラウル・ジュリア)の部屋でフラニー(テリー・ガー)とベッドにいると二人の上からハンク(フレデリック・フォレスト)が屋根から落ちてくるシーンだった。カットしているとかでは無く、完全に別のテイクが使われていたのである。バックの曲はキャリオカなのだが映像が完全に別のアングルのテイクだった。日本公開版とアメリカ版でこの差がある。コッポラ、編集凝り過ぎだろう。
今回のコッポラの特集上映のタイトルは「終わりなき再編集」である。
2024年12月2日(月)新宿武蔵野館で「ワン・フロム・ザ・ハート リプライズ」を。
上映時間は1時間33分だった。初公開時より14分も短い。
ハンクは自動車解体工場を経営していて作業服を着ているシーンが何度かあるのだが、今回はそのシーンは全部カットされていた。後、ハンクとフラニーが言い合いをするシーンがカットされているようだが、二人はすぐに衝突して言い合いするシーンが多いのでどこだか良く判らない。
今観ると、5年間同棲していても二人は些細な事ですぐに衝突して飛び出てお互いが友人のモー(ハリー・ディーン・スタントン)とライラ(レイニー・カザン)の部屋に逃避してしまう。二人ともワガママ。
この友人の部屋のセットが並びでくっつけて作られていて、布で仕切られ両方から布越しに撮影されているのが斬新だった。ライラの部屋にいるフラニーがモーの部屋にいるハンクをワンショットで捕らえているのだ。その逆もある。だいたいこんなセットを作るやつはいない。本作は全編がコッポラのスタジオで撮られているのでこういう事が出来るのだ。
こういった撮影技法等で映像は凄いのだが、ストーリーは、喧嘩した二人が一晩別の相手と過ごしてよりを戻す話に過ぎない、ナスターシャ・キンスキーと寝て、起きた途端にフラニーに電話するハンクって嫌な奴だよな。ボラボラ行きの飛行機にレイと搭乗しながら戻って来るフラニーも同様。映像的には関心するも、この二人の行動には関心出来ない。
だから、アメリカの観客の共感・同意が得られず、そっぽを向かれて興業は歴史的なオオコケだったのかな。
おまけ
テリー・ガーとラウル・ジュリアが乗っているエレベーターに同乗している老夫婦はコッポラの両親、レイが働いているレストランに食事に行ったフラニーの隣のテーブルにいて料理の皿を取る女は映画デビューのレベッカ・デモーネイである。
話題の映像が良く、テリー・ガーも愛らしくナタキンが美しいが、主人公の男がムカついて嫌い
やっと観ました。40年経ってしまった。
巨額な費用が投じられたという全編セット撮影とデジタルエフェクト、ネオンサイン溢れる画面。
奥行きが狭く、描き割とミニチュアモデルの背景。
そこから表現される虚飾の町の閉塞感が息苦しい。
主人公のカップルも、それぞれ新たな出会いから、この街を出るように促される。
しかし、結局よりを戻して、家に帰る。
これは、間違いなくバッド・エンドだ。
ショーウィンドウの出会い、二人のダンス、綱渡り、中古車のオーケストラ。
良いシーンがたくさんあるのに、主人公の男がどうしても許せない。
ナタキンを誘い出すも、元カノが気になって、ナタキンを捨てる身勝手さ。
暫くほっといた女が別の男の所に行くのが許せなくなって、押しかけて、上半身裸のままの女を無理やりかついで連れ戻す。
昔の西部劇じゃあるまいし。
「テルマ&ルイーズ」の10年前だから仕方ないのかな?
女はいよいよボラボラ行きの飛行機に。
いまさらながらに歌って引き留めようとする男がほんとうにイヤ。
ここで引き返さなくて本当に良かったと観ていたら、まさか、ラストで大逆転。
ここは絶対、男の妄想だった、というオチだと信じてたが、まさかの現実!
「私が間違ってた・・・」ナゼ!?
これを現代風に作り直すと「ラ・ラ・ランド」になる。
なるほど。
全3件を表示