鹿の国

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劇場公開日:

鹿の国

解説・あらすじ

信州・諏訪盆地に位置する日本最古の神社のひとつ、諏訪大社の四季の祭礼を追ったドキュメンタリー。

長野県の諏訪湖を囲むように建てられた、上社前宮と本宮、下社春宮と秋宮の四社からなる諏訪大社。その創建は古事記の国譲り神話にまでさかのぼり、自然そのものを御神体とする古来の信仰の姿を現在に伝えている。本作では、いのちの循環への原初の祈りが込められた四季の祭礼を追うとともに、畏怖と謎に包まれてきた中世の「御室神事(みむろしんじ)」を再現。冬の間に神域の穴倉に籠められた少年の生き神・大祝(おおほうり)の前で繰り広げられた芸能と、春に化粧を施されて出現する大祝に捧げられた75頭の鹿の生贄の謎に迫る。

諏訪の古代史を長年にわたって探求してきた映画監督・映像民俗学者の北村皆雄プロデュースのもと、これまでネパールやチベットの生と死の文化を題材にドキュメンタリー作品を手がけてきた弘理子が監督を務め、諏訪大社の撮影協力により3年をかけて完成させた。声優の能登麻美子とクリエイターのいとうせいこうがナレーションを務め、国内外から高く評価される音楽家・原摩利彦が音楽を担当。

2025年製作/98分/G/日本
配給:ヴィジュアルフォークロア
劇場公開日:2025年1月2日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
プロデューサー
北村皆雄
撮影
毛利立夫
三好祐司
明石太郎
矢崎正和
整音
斎藤恒夫
音響
斎藤恒夫
編集
髙橋慶太
EED
和田修平
芸能監修
宮嶋隆輔
太鼓
塩原良
愛蓮和美
音楽
原摩利彦
語り
能登麻美子
いとうせいこう
監督助手
髙橋由佳
デスク
渡邉有子
制作協力
三浦庸子
山上亜紀
CG
山田みどり
題字
吉澤大淳
劇場公開
遠藤協
イメージアート
大小島真木
宣伝デザイン
岩田和憲
ガイドブック編集
石埜穂高
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(C)2025 Visual Folklore Inc.

映画レビュー

3.0守矢氏への言及がないのが残念

2025年3月14日
Androidアプリから投稿

鹿の国。
諏訪という字ばかりが登場するが、この地は元々「守矢氏」が治めており、そこへ出雲から入った諏訪氏が戦いの末に奪ったという逸話もある。

なので大祝は諏訪氏が務めてきたが、諏訪大社上社の神長官は守矢氏が担ってきたという。その後ろにそびえたつ守屋山は、守矢一族のご神体だ。その辺のいきさつを、深く掘り下げてくれるのではと期待したら、守屋氏の守の字も出なかった。そこには少し物足りなさを感じた。
また、「御神(おんこう)」を御贄柱に縛り付け、神官が小刀で刺そうとした瞬間に止めて子供は解放される、という神事も映像にはなかった。

この儀式は旧約聖書との類似も指摘されている。
「モリヤ」はユダヤ人の国イスラエルの首都エルサレムにある山の名前と同音。御頭祭は別名「ミサクチの祭」と呼ばれているが、「ミサクチ」はヘブライ語で「ミイツハク」に似ており「イサク由来の」という意味にとれる。などなど。

この映画は確かに美しいが、イメージフィルムのような仕上がりだった。代々守り継ぐ桜の木、諏訪周辺に残る民間信仰、いろいろと知らないことも多かっただけに、もう一掘りしてほしかった。
それにしても、諏訪。知れば知るほど謎も深まるばかりであった。

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REX

4.0映像が神秘的で美しい

2025年3月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

チラシのビジュアルと、少年を生き神とする神事というのに興味を持ち、前から行ってみたかった劇場でも上映されると知り田端へ。
20席と小さいながらもこういう劇場好き。

生き神の少年というのは長年行われているものではなく、再現してみたという事で出鼻くじかれるも、諏訪大社の神事や法要を軸に、鹿にまつわる地域の人々の営みと、大きな神社ならではの数々の祭りを観れる興味深いドキュメンタリーだった。

タイトル通り、いろいろな場面で鹿が登場するが、ある所では神の使いとして、ある所では神への贄として、またある所では害獣として扱われる、実に不思議な存在。
森に佇む鹿はなんだか神秘的。

桜の御神木を守る一族から、田植え稲刈り、冬を経て春になり、また桜の一族に戻る、季節ごとの風景を丁寧に撮影していて映像が美しい。

少しウッとなる所もあるけど、ヒステリックなプロパガンダもなく、淡々としていて観てよかったと思える映画だった。

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コビトカバ

4.0神話の世界 聖なる世界 は単純に美しく清潔な世界ではない。 見てよかった。

2025年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

聖なる動物として鹿はよく登場する。

思いつくだけでも、鹿島神宮、春日大社、もののけ姫のだいだらぼっち、仏陀が悟りを開いた鹿野宛(ろくやおん)、映画「鹿の王」「聖なる鹿殺し」(ギリシャ神話に着想を得た必見の映画)…。

描かれるのは日本の古層だ。
仏教が入る前、動物を贄にして神に感謝する信仰があった。

仏教という外国の思想・宗教によって殺生を禁じられた。

日本の伝統の否定だ。

それでも諏訪大社は伝統を失わなかった。

そこで唱えられたのが、以下の諏訪勘文と呼ばれる唱え言だ。

業尽有情(業の尽きた生き物は)
雖放不生(放っておいても死ぬのであるから)
故宿人天(人に食べられて仏教を信じる人身になることで)
同証仏果(人と一緒に仏果を得ること(成仏)できるというものだ)

お諏訪さまで、鹿食免(かじきめん)・鹿食箸(かじきばし)というお守りがある。

この札を拝し、この箸で食すれば肉食しても罪にならないという。

昨今、国際団体から天皇家の男子のみの継承にクレームがついたが、そういう外圧は昔からあったのだ。

この映画は諏訪大社でかつて行われた「ミシャグジ祭政体」という神事の復活をめぐるドキュメンタリーだ。

かつて75頭の鹿の生首が生神(少年・大祝(おおほうり))にささげられたという。

現在でも三宝にささげられて生首がささげられる。

画面には生きている鹿が鉄砲で撃たれ、頸動脈を切られて鹿が痙攣するさまが映される。

鹿の角は毎年生え変わり数か月であのような立派な形に育つそうだ。

なるほど稲(あるいは小麦)の生命力との相似がある。

神話の世界 聖なる世界 は単純に美しく清潔な世界ではない。

見てよかった。

最初の画面に映るのは「諏訪大社は動物を殺すな」の横断幕。

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ふくすけ

2.5内容の薄い継ぎ接ぎドキュメンタリー

2025年3月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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魔グニ彦