6888郵便大隊のレビュー・感想・評価
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複雑に絡み合ったプライド
集合ラッパ、
様々な作品で聞いてきた、
「刑事コロンボ 祝砲の挽歌」
パトリック・マクグーハンを思い出す。
訓練シーンは、
黒人女性版「フルメタルジャケット」
陸軍婦人部隊、黒人兵の物語だ。
志願した理由が各兵士の等身大で描かれている点は、
観客に自分事のように受け止めてもらうよう、
突きつけてくる狙いが感じられる。
田舎を抜け出すため、
戦地にいる夫を帰還させるため、
あるいはイケメンを見つけるためといった現実的な動機から、
国のため、ヒトラーを倒したいという理想的な動機まで様々だ。
この多様性が観客にとって、
より身近に感じられる要素となり、
それに沿ったエピソードも積み上げられていく。
グラスゴー到着後の行軍シーンは、ラストまで必見だ。
軍人としての誇りと、
同時に人間としての尊厳を守りながら進む彼女たちの姿には胸が熱くなる。
軍人としてのプライド、
それを支える女性としての怒り、
さらに黒人としての誇り、
人としての尊厳が絶妙に絡み合って描かれている。
同胞であるはずのアメリカ軍からのあらゆる差別や妨害、
嫌がらせと闘いながら、自らの存在と誇りをかけて戦う兵士たち、
『6888郵便大隊』は、戦争の残酷さとともに、
戦争を生き抜いた人々の誇りと闘志を描き出した作品であり、
ただの戦争映画にとどまらず、
観客に力強いメッセージを届けている。
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