劇場公開日 2025年1月24日

「欧州から日本へ、突然いなくなった恋人を探す旅」TOUCH タッチ kozukaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0欧州から日本へ、突然いなくなった恋人を探す旅

2025年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

アイスランドのバルタザール・コルマウクル監督がアイスランド、ロンドン、東京、広島を舞台にロケを敢行し、かつての恋人を探す旅を描いたラブストーリー。
2020年、アイスランドで暮らすクリストファー(エギル・オラフソン)は初期の認知症と診断され、記憶が薄れる前に学生時代に恋人になるも突然姿を消してしまった日本人女性のミコ(koki,)を探す旅に出ることを決意する。
ロンドンの学生時代に働いていた日本料理店でオーナーの娘であるミコに出会い、恋に落ちていく回想シーンと現在のミコの足取りを探すシーンを交えながらロンドンで日本で暮らしている手掛かりを見つけ、日本に飛ぶ。
過去と現在を目まぐるしく行き来する編集は落ち着きないが、テンポがある展開として面白い試み。
ただし展開が予定調和な感動ラブストーリーで引いてしまい、心を揺さぶる感動は残念ながら無い。
学生時代のミコとの恋愛はプライベートのシーンがほぼベッドシーンでミコは色狂いの女性に見えてしまう。
ボディタッチで誘惑するシーンなどは過剰では無いか。(それをタイトルと掛けているのか?)
また、ストーリー上重要な「被爆者」の件は間違っているとしか思えない。
コロナ禍での旅を帰れないリスクを冒してでも強行する思いとしたいのかもしれないが、表現がマスクとソーシャルディスタンスを表面的に描くだけで薄いのも気になる。あえてコロナ禍にする意味はなかったのではないか。
印象として自分の思いを遂げるために相手が今どういう思いで暮らしているのかも考えずに思いつきで行動している物語にしか見えなかった。

kozuka