「馴染めなかったことと良かったこと」TOUCH タッチ てつさんの映画レビュー(感想・評価)
馴染めなかったことと良かったこと
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認知症になりかけの男性の話と、日本料理店を経営する男性の娘の奔放な恋愛への父親による介入の展開に、なかなか馴染めなかった。やがてそれが胎児被爆による遺伝の防止という優生思想による悲劇だったことがわかる。恋人となった若いアイスランド男性が、自ら広島の被爆を映像で学ぶという展開は、唐突だったけれど、良かった。高齢となった男性に対して、航空機の客室乗務員やホテル従業員たち、そして海外勤務経験の長いはずの中村雅俊氏演じる男性も、日本語でいきなり話しかけているのに違和感があった。二人の日本人女性が案外容易に探し当てられ、広島の名所が出ていたのは良かった。結婚することはなかったけれども、愛によって産み出された二人の子どもの成長した姿に名乗らずに対面することができた様子は、NHK大河ドラマの『光る君へ』の道長とまひろと賢子の対面にも似た感じを受けた。
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