TOUCH タッチのレビュー・感想・評価
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Cursed by Dad
Touch is the first to make a period piece out of the COVID epidemic while it contrasts with the radiation poisoning of the Hiroshima disaster, two events that punctuate the plot here. Balance that with the shared experiences of an immigrated odd-couple: a young Icelander and Japanese working a restaurant in 70's London, and you have an interesting cocoction of tough love across the earth and ages.
知らない人には驚きだったかもしれない
テーマは知らない人には驚きだったかもしれない。自分は一応知っていたのと、ちょうど民放の某ドラマでも触れられていたので認識した人もそれなりにいたのでは?
演出の方は、役者も絵の作り方が美しく、コロナ禍の日常を揶揄した感じも個人的には良かった。
絵は美しかったが、日本文化や養子制度の部分で違和感があり、演出自体が淡々としすぎた故に、かえって気になってしまった。個人的にはもう少しエモーショナルな演出でも良かったのでは?と思った。勢いがあればきっと気にならなかったかも。
さて、何よりkokiがもつオーラが素晴らしかった。キムタクの血なのか分からないが、醸しだす雰囲気がちょっと異質だった。今後の活躍に期待。
ドントタッチ、そしてタッチ
第二次大戦で中立を宣言しながらもイギリスから侵攻をうけ、さらにアメリカの駐屯地となったアイスランド。そのアイスランドの映画。
広島で被爆した高橋とその娘。被爆者の生きづらい社会から逃げるようにイギリスに渡り、日本食の食堂を開く。そこで働くことになったアイスランドから来た若者。
恋人同士になった娘ミコとアイスランド人のクリストファー。やがて突然の別れがくる。
51年後、クリストファーはミコを探しに東京、そして広島へ。という物語。
時はまさにコロナ禍、人と人の間に距離が生じ、触れ合うことができなくなった時期。かつての食堂の同僚に巡り合えてもドントタッチ。
広島で無事再会できたミコとクリストファー。距離はあっという間に縮まる。彼が知らぬ間に2人の間には子供が誕生していた。2人で手をつないで歩いて子供に会いに行く。2人の人生が大きく回転した。
言葉にできない辛さを内に秘め、静かにひっそりと暮らしてきたミコは広島そのもの。今、海を越えて来た彼は広島と手をつなぎ、生まれた子供を2人で見守り続けていく。
ラブストーリーの形をとった反戦、世界平和を願う物語と受け取った。
私は北関東の小さな町暮らしだが、行きつけのクリニックには今でも、広島、長崎で被爆したかたは体調管理のお手伝いをしますので申し出てください、という張り紙がしてある。
また昨年旅行途中、新幹線で乗り合わせたオーストラリアから来たご家族と話をしてみると、広島にいくところだという。高校生くらいの娘さんに原爆や戦争について教えるため、とのこと。ショックを受けるだろうから気をつけて、と私は伝えたがその後どうだっただろうか。
エンディングの美しい曲を聴きながらそんなことを考えた。
ただ美しいと変わらないこと
10代の恋愛
欧州から日本へ、突然いなくなった恋人を探す旅
アイスランドのバルタザール・コルマウクル監督がアイスランド、ロンドン、東京、広島を舞台にロケを敢行し、かつての恋人を探す旅を描いたラブストーリー。
2020年、アイスランドで暮らすクリストファー(エギル・オラフソン)は初期の認知症と診断され、記憶が薄れる前に学生時代に恋人になるも突然姿を消してしまった日本人女性のミコ(koki,)を探す旅に出ることを決意する。
ロンドンの学生時代に働いていた日本料理店でオーナーの娘であるミコに出会い、恋に落ちていく回想シーンと現在のミコの足取りを探すシーンを交えながらロンドンで日本で暮らしている手掛かりを見つけ、日本に飛ぶ。
過去と現在を目まぐるしく行き来する編集は落ち着きないが、テンポがある展開として面白い試み。
ただし展開が予定調和な感動ラブストーリーで引いてしまい、心を揺さぶる感動は残念ながら無い。
学生時代のミコとの恋愛はプライベートのシーンがほぼベッドシーンでミコは色狂いの女性に見えてしまう。
ボディタッチで誘惑するシーンなどは過剰では無いか。(それをタイトルと掛けているのか?)
また、ストーリー上重要な「被爆者」の件は間違っているとしか思えない。
コロナ禍での旅を帰れないリスクを冒してでも強行する思いとしたいのかもしれないが、表現がマスクとソーシャルディスタンスを表面的に描くだけで薄いのも気になる。あえてコロナ禍にする意味はなかったのではないか。
印象として自分の思いを遂げるために相手が今どういう思いで暮らしているのかも考えずに思いつきで行動している物語にしか見えなかった。
いい話カナー?
被爆者の苦しみと…
コロナ禍の日本人と戦後の日本人
映画冒頭で「原爆描写が出てくるので試聴にはご配慮を」みたいな表示が出てきて、急にそんなこと言われても「じゃあ観るのやめます」とはなかなかならんだろ、なんて思っていたが、実際観てみると日本人なのに今まで見てきた「被爆者」に関する映像の中で最も刺激の強い内容で、短い映像だったがなかなかの衝撃。
日本国内での「被爆者」に関する描写がいかにオブラートに包まれていたかを痛感(不勉強なだけかもしれないが…)。
ロンドンの大学を勢いで辞めてしまった20歳の青年・クリストファーが、ロンドンの日本料理店で働くKōki,演じるミコに一目惚れし、勢いでそのまま日本料理店に就職。
仕事をしていく中でミコと親しくなっていくが、ある日、街でミコが男を連れて歩いているのを見て、彼氏がいたことを知るクリストファー。
恋愛ドラマにありがちな展開で、他の作品だと恋人の存在を知った瞬間に「ガビーん」みたいな演出が入ってもおかしくないところを、この映画だとクリストファーがまるで何事もなかったかのような対応をしていて、こっちの方がリアルな反応で良い演出に感じた。
クリストファー自身はミコに特にアプローチをかけるわけでもなく「皿洗い」か「料理作る」か「歌を歌う」ぐらいしかしてないのに、ミコの方がどんどんクリストファーに惹かれていくので、「結局顔かよ」とは思った。
クリストファーの方はミコに会えなくなってから50年経っても彼女のことが忘れられず、結婚してて(奥さんは亡くなってはいるが)娘もいるのに彼女を探そうとするのに対し、ミコの方は彼氏と喧嘩別れしたわけでもないのに破局後、すぐに前の彼のことは忘れてクリストファーとくっつこうとするのが対照的。
あと、ミコがクリストファーに「人と付き合ったことある?その人とは寝たの?」みたいな質問をしていたが、男が女の人にそんなこと訊いたら炎上しそう。
でもまあここは若気の至りということで納得。
Kōki,という方を今回初めて見たので「これが噂のキムタクの娘か」となりつつ、「キムタクの娘」という意識が強かったため、最初は本木雅弘演じるミコの父親に感情移入しながら観ていたが、この父親が途中から共感しづらい行動ばかりとるようになるので、「モッくん、それは違うよ」と思う場面が多かった。
途中、東京出身だと思われていたミコやその父親が実は別の場所から来たことがわかり、その地名が東京と同じぐらい世界に知れ渡っていることが興味深かった。
前半はコロナ禍のロンドンが舞台で、ホテルでアルコール消毒する場面やソーシャルディスタンスをとるように注意を受ける場面が出てきて「他の国も同じなんだ」と思いつつ、ロンドンでマスクをしている人はゼロ。
一方、後半は舞台が日本に移り、みんなマスク姿なのを見て、日本が他の国よりも「感染」に敏感なことがよくわかる。
後半、50年前の日本人たちの被爆者に対する行動が、今の日本人からしたら理解不能だが、前半に「コロナ禍でのロンドンと日本の対応の違い」が描かれている結果、「日本人ならば被爆者に差別的な態度をとってしまうのも納得」な作りになっていて、映画の構成が上手いと思った。
怒る人は多そうだけど…
エンドロールに流れる音楽が久石譲っぽくて沁みた。
厨房で働く頑固親父な見た目の方のオペラが美声すぎて吹いてしまった。
邦題は考えて欲しい…
ヒロシマを扱った北欧の映画ということで鑑賞。とにかく映像が美しくきちんとした作品でした。原爆被害の模様や被曝に対する当時の社会の扱いもニュースフィルムなどが使用されていることできちんと伝わってきた。中盤かなり厳しい状況もあり最悪の展開も想像してしまったが、とにかくミコも息子もきちんと生きていた事がわかって良かった良かった。奈良橋陽子の演技は見た事がなかったが、自然だったと思う。中村雅俊の歌はいつもの通りで…。
コーキ、名前の表記にカッコつけて長音の記号やコンマ付けたりして個人的な第一印象は良くなかったのだが、英語も演技もなかなか堂に入っていてよろしい。普通の俳優として成長されることを願う。
しかしね。たとえ原題SNERTINGあるいはTOUCHだったとしても、邦題として「TOUCH/タッチ」では全く伝わらない。何なら「感触」でもいいが考えていただきたかった。
優しさの映画
ヒロシマ
知らなかったな、そんなこと
染みる年代には染みます。
日本語は美しくて優しい。
10代の時から知っていたが、主人公クリストファー
(パルミ・コルマウクル&エギル・オラフソン)の話す日本語を聴いて、いつの間にか、不意に泣いていた。
海外に行くと却って余計に日本の善さが染みるように。
クリストファーの穏やかな日本語に、久しぶりに言葉の優しさを感じた。
自然に、この物語に寄り添う。
私はまだ主人公よりは若いが、共感もし易い世代となった。
すれ違いや、原発の影響や苦悩がありながら、2人が再会してからは作品自体が彼らを暖かく抱擁するかのように救いが広がる。
過去とか、別れとか、もうそんなこと、何でもなかったかのように
2人が手を取り合い歩く後ろ姿に、もうそれ以上
いらないとさえ思った。
それだけで、もう、いい。
外国作品で日本人をキャスティングする時はこの人あり的な奈良橋陽子さんの演技を、
もしかしたら初めて観たかも知れない。
(本作の日本人キャスティングは奈良橋さんによるものか?)
その為、御子息で今は表舞台から製作側になった野村祐人さんを久し振りに観られたのか。
(彼のファンだったのでうれしかった。変わらず素敵でした。)
Koki,さんが観たかったので存在感や演技に満足した。
馴染めなかったことと良かったこと
認知症になりかけの男性の話と、日本料理店を経営する男性の娘の奔放な恋愛への父親による介入の展開に、なかなか馴染めなかった。やがてそれが胎児被爆による遺伝の防止という優生思想による悲劇だったことがわかる。恋人となった若いアイスランド男性が、自ら広島の被爆を映像で学ぶという展開は、唐突だったけれど、良かった。高齢となった男性に対して、航空機の客室乗務員やホテル従業員たち、そして海外勤務経験の長いはずの中村雅俊氏演じる男性も、日本語でいきなり話しかけているのに違和感があった。二人の日本人女性が案外容易に探し当てられ、広島の名所が出ていたのは良かった。結婚することはなかったけれども、愛によって産み出された二人の子どもの成長した姿に名乗らずに対面することができた様子は、NHK大河ドラマの『光る君へ』の道長とまひろと賢子の対面にも似た感じを受けた。
映像美と純愛を愛でたい人におすすめ
ごめんなさいクリストファーさん
COVID-19も既に「過去」
IMDb、RottenTomatoesでの評価が高いようなので鑑賞を決めた本作品。会員サービスデイのTOHOシネマズシャンテ、10時30分からの回はけして多くはないものの平日にしてそれなりの客入りです。
と言うことで観た感想ですが、小説的でリアリティーよりは雰囲気に寄った作品という印象。全般「美しさ」が前に押し出された画作りで目の保養です(古い表現w)。特に本作最大の魅力「1969年のクリストファー(パルミ・コルマウクル)とミコ(Kōki,)」はとても初々しく、二人の美しさやはかなさを感じる演技は、それだけで本作を観る価値があると言っても過言ではないでしょう。
ただ、逆にそれ以外は設定も展開もややフンワリ。何ならそれも「2020年のクリストファー(エギル・オラフソン)」が初期の認知症であることが影響しているのかと思いきや、話自体は結構強引に進んでいき、そこまで行ったらもはや奇跡の展開。中でもCOVID-19については記憶に新しいだけに気になってしょうがない。。如何にも障壁のように扱われるものの、物語の展開としては「都合の良い省略や改変」があって悪目立ちしています。少なくとも日本のコロナ禍はそんな感じじゃなかったし。そうなるともう、COVID-19が「単なる状況として消費されている」としか思えず、更には本作で扱われる「認知症」や「高橋家の秘密」など、観る人にとってはセンシティブな内容にまで波及していかないかと懸念も。ただ、原作本のあらすじをAmazonで確認してみると、特に映画で脚色されたわけではないらしく、そこは文学的には引っかかってはいけないのかな。。そしてCOVID-19も既に「過去」であり、今後もこんな風に切り取って扱われるんだな。。なんて。
いやいや、けしてネガティブな見方ばかりしているわけではありませんよ。昨今では海外が描く「日本、或いは日本人」に関し、一昔前ほどの違和感は感じなくなってきているように思えますが、その背景には本作でもキャスティングディレクターを務めつつ、自らも「2020のミコ」として出演している奈良橋陽子さんのような存在が大いに貢献しているはずです。実に素晴らしい仕事。
目の付け所は悪くない…が
映画が始まってすぐ、「○○についての描写が出てきますのでご注意下さい」との注意書きが画面に。
予告編では全く触れられていなかったので、そんな重い映画なの?と軽く驚きながら鑑賞。
現在パートはコロナ禍で、過去パートは1960年代後半のロンドン。
過去パートにまず突っ込みどころ満載。
日本料理屋の店主、高橋を演じる本木雅弘の生活感がなさすぎて、苦労人(のはず)の雰囲気がゼロ。ところどころ「モッくんが板前を演じる日本酒か何かのCM」を見ているかのよう。
高橋の娘、ミコを演じたkokiさん、初心な雰囲気は悪くないものの、演技が思わせぶりに台詞をふたことみこと言ってボディタッチをしたり、ねっとりした視線を向けたりの繰り返しで飽きる。
(これは脚本にも問題があるような)
2人が惹かれあう過程の会話が薄っぺらく、特に親日というわけでもない学生運動かぶれのアイスランド人の青年が、なぜミコを好きになるのか?
ミコは「ガイジンさん」と呼んでいたクリストファーをなぜ好きになるのか?説得力がない。
ベッドシーンは綺麗に撮れていましたが、あんなに何回も必要かな?
2人の会話がつまらないので、余計に身体だけの関係に見えてしまう。
後半で高橋の謎の行動すべてが○○○への偏見から来ていたというのがわかるのだけど、当時の偏見がどれだけ酷かったのかの描写もなく(当然知識として知ってはいますが)。
差別や偏見は思わぬところに潜んでいてそれは時に愛をも引き裂く、というのは普遍的なテーマですが、エピソードの積み重ねが効いていなかったのと、全体的にリアリティがなく感動できずで残念。
現代パートにもかなり気になる部分はありましたが、ネタバレになりそうなのでこのへんで…
あ、これだけは言いたいのですが、現代パートでクリストファーに唐突に絡んでくる中村雅俊、違和感しかなかったです。カラオケのシーン、要らないよね…
「シルク」の
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