この夏の星を見るのレビュー・感想・評価
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距離と時間の見事なコントラスト
コロナ禍の悲劇のひとつは、
体も心も含めて様々な”距離”を作られてしまったことだが、
どんなに辛い困難な状況にあっても、
若者たちは、自ら世界に発信し、つながって、
力強く、逞しく長いハードルを飛び越えて成長していく。
そんなコロナ禍の距離感と対峙する示唆的、象徴的な存在としての
宇宙や星々に想いを馳せる人々の姿がほんとうに感動的。
海や山などの自然の背景を存分に生かした広視野の画像は
若者たちの心象、感情を浮き立たせているし、
随所に高低差を出した構図も、心の距離感を強調していてすばらしい表現。
電車の中で主人公が悲しい告知を受けるときの画面構成や、
コンテスト時のスピード感のある画面展開も見事。
また前半のエピソードを回収するラストの展開には泣かされる。
恋愛要素もある青春映画でありつつ、
ストーリー、映像表現、すべてにおいて
数ミリから数光年まで、距離、時間のコントラストを
詩情豊かに描いてみせてくれた傑作映画
岡部さんが好演!!
覚えている今こそ、観ておかなくては
綿引先生の言葉にグッとくる
大人にはコロナ禍は人生の数年だけど、学生には貴重な数年。
世界中が不安や疑心暗鬼に陥っていた頃、部活に制限があるならリモートでやっちゃえという、若者ならではの発想。
それを応援する大人も素晴らしい。
年取ったのかな、最初から最後までずっと沁みてた。
冒頭から映像がとても好み。
高校生になった亜紗と凜久の出会いが、恋の予感ではなく「よろしく同志」とでも言うように、無言で手を合わせるのが非常に良い。
コロナ禍あるあるが点在してるけど、星を見るという軸がしっかりしているのが好感。
ターゲットが星ゆえに、画面が暗くなりがちなのは仕方がないと思っていたけど、丁寧に撮影しているので、ちゃんと暗がりでも表情が分かる。撮影班お見事。
ほとんどマスクをしての演技だったけど、みんな目から上だけで好演。
うっかり輿くんがかわいすぎてニヤニヤ、そして佐々野さんのリアクションも可愛い。なんか...高校生っていいね、はるか昔だけど懐かしい。
とても胸が熱くなる映画だった。
君が思う程に弱くはない。という歌詞を思い出した
原作未読。辻村美月さんの学生ものの作品はすてきに違いないと思い観ました。
ストーリーはコロナ禍で鬱屈した気持ちを抱える学生たちが、「スターキャッチ」というイベントに向けて志を同じくした仲間をつくり同じ時間を共有する話です。
それは実際のコロナ禍を経験した学生からすると、現実とは異なる「夢物語」や「幻想」だと言われるかもしれません。しかし、この物語の登場人物たちは、ただ現状を嘆くのではなく、大切な誰かのために何ができるかを考え、行動する強さを持っていました。生徒の決断に対してすべてのリスクを背負って見守る先生達の決意は、とても眩しくどれ程の苦労があったかを想像し心打たれました。
脚本で印象的だった点として、スターキャッチの紹介でリクが「月」の被り物をしていた事が後々に繋がると思っておらずきれいな流れだと思いました。
ハルカ・ナカムラ氏が手がける音楽はこの物語の世界観をより一層深く美しく彩っていました。
公開から一ヶ月過ぎ、気づけば県内の映画館で一館のみ、ラスト公演になってしまいましたが滑り込みで映画館で観ることができ本当によかったです。
浄化されるレベルの尊さ
超爽やかな青春群像劇。
2020年の、コロナ禍に貴重な1年を奪われそうになった中高生たちの、抗いと努力と、楽しむことを忘れない心を描いた傑作。
あの年、接触を避けることはウイルスの対処としては正しかったが、排除と隔絶と差別につながり、また3年しかない短い時間の記念イベント=成長の機会を奪い、子どもたちの気持ちをズタズタにする闇の側面もあったことを思いださせ。
そんな中でも「やりたいことをやれる範囲で諦めない」という少年少女たちの姿を描いた本作は、観る人間の心を打ち、何か浄化されるレベルの尊さを感じさせてくれました。
観てよかった。
青春クロスプレイ
500点!ちくしょう、震えて泣いたわ。
毎年言ってる気がするけども、今年ホントすげーなぁ。毎月今年ベストを更新している気がする。これは人生ベストにランクインするけどもね(かつメダル圏内)。
原作が良いのは勿論想像つくのだが、原作を愛してる人達が「伝えたい!」という気概を細胞の隅々にまで行き渡らせて「こういう事だよな」とその仕事(観)にまで影響を与えたであろう作品。青春もので実は大事な大人達が素晴らしい。そして脇役がいない。どうしてもどこかにフォーカスしてしまうのだが(ちゃんとあるにはあるのだが)、全員主役。なんなら大人も。素晴らしい。"コロナ禍映画"なんて括りにしたくないけども、青春に苦味がエッセンスになる様に歴史的な闇が物語を加速させる事はあると思う。でもそんな枠に嵌めたくない映画のひとつ。そうではあるのだけれども、僕自身あの当時に嫌いで嫌いで仕方がなかった「ソーシャルディスタンス」「三密」「黙食」「オンライン◯◯」に対する感情の琴線に触れたのも事実。
ともかく観て欲しいし感じて欲しい今年一番の映画。これが長きに渡り繰り返し映画館で上映される日本の劇場文化が守られていけば良いなと強く思い直した一本でした。終わった後に「ありがとう」と思った映画は久しいです。
コロナ禍文学であり夏休みらしい青春映画
辻村さんの作品は白黒で大別してしまいがちだか、今回は白い方。主人公たちが中高生ということもあって、むしろ子どもたちに見て欲しい映画でした。
ストーリーは文句無しで良いですし、なにより役者陣が素晴らしい。虎に翼色が若干濃いなと思ったりもしたが、これからブレイクするであろう俳優がずらっとならんでいてパフォーマンスも素晴らしかった。
演出も所々ややMVっぽさは感じるものの、徐々にコロナ禍に時代が変わって行くところなど、丁寧に描かれていて、追体験にもなったし辛い気持ちも思い出した。
また、自分は当事者ではなかったけども、確かに中高生のそれぞれ人生の刹那な時間が、コロナ禍ですべてが狂っていってしまう状況下で、彼らのもどかしさや憤りや焦りみたいな気持ちは自分なりに理解できたような気がした。
つまりこの映画は中高時代にコロナ禍で様々な影響を受けてしまった彼らへの讃歌でもあり、厄災に対する受容の映画でもあったと思う。
音楽も素晴らしく、歌については最初ヨルシカとは気づかなかった。それくらい作品にフィットしていたということだろう。
もっと多くの人に見てもらいたい。そんな映画だった。
こういう子どもたちが楽しく生きる世界を作りたい
コロナ禍で社会がストップしてしまったあの頃、自分たちが生き抜くのに必死で、子どもたちの不安を取り除くことをやれなかった自分を悔やむ。この映画を見て、大人の役割はもっとあるんだよな、と改めて考えさせられた。
何気ないシーンに「うぅ」と泣かされた。ほぼ満員の劇場で鼻を啜ってるおじさんがいました。どうもすみません。
本作は真摯に、手際よく、そして面白く現代の青春とコロナ社会を描いた傑作。
10年後も残るものになるだろう。思い出しただけでも泣けてきた「うぅ」。
清く美しく人が羨む物語
誰にでも制限や制約があった時期、こんなにも楽しくてワクワクするイベントをしていたなんて─・・・いいなぁー。コロナ世代と勝手にレッテルを貼られてしまったけれど、それを自分たちの力でプラスの意味に変えてしまったと思えるぐらいに清く美しく、創造的な作品でした。あまりにもピュアで穢れ無き映像や音楽で構成されていたので、結構現実離れしたところもあったと思うのですが、それは敢えてというところも大いに感じたし、それこそが真の目的というか作り手側の思いだったのかなと捉えることができました。
色んな場所で煩雑に絡み合う物語で、似たキャラもあったり、しかも制服にマスクということもあって、瞬時にはどこ?誰?という箇所もたまに・・・それでも、分かりやすく伝えようとしていた作品であったため、細かな物語の楽しさや感情をしっかりと噛み締めつつ総体的なストーリーに感動できた気がします。
内容が細かいのに、映像も結構細かい・・・それもイメージ映像の数々・・・でも、それは非常に効果的で、美しく、何気に音楽でうまい具合につなぎ合わせていたのかなーという印象でした。
想像力で困難を打破していった若き血潮を大いに堪能出来ました。
大作じゃないけど秀作。劇場で是非。
大作話題作が多く上映館上映回数のしわ寄せをくらってるんだろうけど、朝7:20の回早起きして滑り込んだ甲斐があった。
コロナ禍が舞台になっているが、学生たちは取り立てて悲劇の主人公ぶることなく、内なる熱量で仲間を惹きつけ、先生や天文台の館長さんなど周りの大人たちが愛情を持って彼らの青春を豊かにすべく手を差し伸べる様が、静かにずーっと胸を打ち続ける。
大事な友人とのすれ違いや淡い恋模様、家族への思い、コロナ禍でなくとも思春期に経験する心の動きも丁寧に描かれている。
桜田ひよりをはじめとする学生キャストは若手だけど実力があり、今後またどこかの作品で会えるのが楽しみ。
また先生や天文台館長役の岡部たかし、上川周作、朝倉あき、近藤芳正も脇をしっかり固める。
昨年夜明けのすべて、ぼくのお日さまを鑑賞した時の”出会ってしまった感”を再び感じられた作品。
物理的な距離はスクリーンで観た方が感じられるし、よりグッと来ると思う。観れる方は劇場で是非。
素敵な若者たちだけれど
コロナの時の社会のむき出しの排除を若い時に観てしまうと差別的な生育になってしまいそうだな。大人でも露骨に排除を見掛けると「やっぱよそ者は気をつけないと」という考えはもってしまうよな。コロナがなかったらこんなに参政党が伸びることはなかったかもなとかも考えてしまう。コロナ禍をはっきりと打ち出した映画は「春原さんのうた」「夜を走る」が思い浮かぶが高校生映画ではあったかな?、メッセージ含めてこれが決定版になるかもしれない。更に嫌味なことを思うと、この大会とか出るとAO入試に点数入ったりしそうだなと思ってしまう。桜田ひよりは日本を代表するアヒル口だ。それとこの競技スポーツ化もなんだかピンとこない。スポーツ化してから、競争じゃないんだよという二段構えだが、そのはじめのフリに乗れていない。Eスポーツ的なものに対するなんかしゃらくせーなーという意識とも似ている。この題材で競争を一切なく渋く知見を深めようという話だとさすがに地味すぎるか。
この夏、1番観てほしい映画になりました!
この夏1番観たいと思っていた映画『この夏の星を見る』。
引越しやイベントやなんやでバタバタしすぎてやっと本日朝8:50の回で観る事ができた。
もちろん朝から涙したw
辻村深月の原作の小説を監督山元環が桜田ひより主演で映画化。
コロナ禍でさまざまな活動が制限されてしまった茨城、東京、長崎五島列島の3つの学校の生徒たち。彼女たちは、オンラインを駆使して天体観測のスピードを争う「スターキャッチコンテスト」の開催に奔走していく青春ムービー。
出来ない事に対してアイデアでカバーする生徒も、そのアイデアをちゃんと「いいね〜」と受け取る大人も素晴らしい。
全ての中高生に、その中高生を見守っている全ての大人に観てほしい映画。
鬼滅よりも観てほしい!!
期待の若手が勢ぞろい!
『国宝』で気になった黒川想矢くん出てるし、周りでこの映画観た人が全員高評価なのも知っていたけど、今更この年で高校生の青春群像劇観てもな〜(わかり合える感覚絶対に無いだろーし時間の無駄だろ〜な)と及び腰になってたものの、結果的にちゃんと観に行ってよかった〜
ただただ甘酸っぱいだけの高校生物語ではなく、この映画では『他人を思いやる気持ち』が溢れてる!!登場人物にひとりも嫌な人がいない!!!それでも無理矢理な感じが一切なく、愛に満ちていて心地よい💜そりゃ涙もでるゎ!と妙に納得✨✨✨
スターキャッチコンテスト
めっちゃ興味ある!
その場にいる先生が審判って公平性に欠けるのでは??なんて突っ込みは置いといてw
鬱々とした時代に自分が楽しむために何が出来るのか、他人のために自分が何が出来るのか、遮断された感覚の強かった時に人と繋がるために何が出来るのか。若い子たちが自分で考え実現に向けて動いていく様には胸が熱くなったし、巧みに散りばめられた伏線の回収もお見事としか言いようがなかった🌀減点ポイントが見当たらない!!
【涙活報告】泣いたよ‼️←今年一番泣けたよ。(大きめタオル持っててよかったー)
円盤化されたら絶対買います!
靑春
驚くほど良かった(笑)
綺麗な写真の連続、だけれど、決して単なる『静』じゃなくて、「青春」みたいな漠然としたあの頃(年代)の色んなものを燃料に活き活きと突き進む連続・冒険活劇だった。
編集も自分的にはどハマりだった。ちょっと驚くほど上手いなって思ってしまった。それに、桜田ひよりが一応主人公なんだろうけど、みんなが主人公っぽく感じられて、(実際そうなんだけども)本当に上手く作られていた。
多分、好きな歌手の曲が今なら自分の為に作られていると信じれるぐらいに変に前向きになれる作品だったわ。
中学の頃に夏の星座をよく観ていて、アルビレオとかもだけど、環状星雲(作中の)とか北アメリカ星雲とか亜鈴状星雲とかまた見たいなと懐かしくなってもいた。
劇伴素晴らしい。息苦しいからこそ輝いた青春に一等星⭐︎4つです
恋愛要素最小限の青春ものはいい。
観るきっかけharuka nakamuraさん(ルックバックの音楽の人として初めて意識して、時々曲を聴くようになった。都道府県単位で言えば同郷だったのも注目の理由)の劇伴素晴らしかった。アニメ「チ。」で思ったけど、星モノとヨルシカsuisさんの相性いい👍
コロナ禍の中高生が主人公だからしゃーないけど、演者が8割方マスクした状態なのは息苦しくて…もどかしさ満てん(星だけに)
その息苦しさもどかしさが物語の大きなところを形成していて、だからこそリモートでの交流が生まれもして、ともすれば地味な天体観測という趣味、天文部の活動にドラマを生んだというのはちょっと皮肉だ。
それにしても、改めて気付かされたのは、多感な時期にコロナ禍という本当にやっかいな数年間を過ごさなくちゃならなかった子どもたちの存在。それぞれが置かれた環境の中で自分なりの楽しみを見つけてはいたんだろうけど、奪われたもの、与えられなかったものもかなり多くあったよなって思うし、学生時代にあんな特殊な数年間を過ごした人たちの物語がこれから増えていくのかなってことを心に留め置いた。
宇宙は希望に溢れている
茨城、東京、長崎それぞれの地の学校を舞台にした群像劇。
登場人物が多く舞台も転々とするのに、描写不足に感じることは全くなく、キャラクターや関係性の描写が最低限のシーンで最大限発揮されているのが素晴らしい。
みんな愛おしくて、本当にこの世界に存在してるんじゃないかって思わせてくれる。
決して主張しすぎることはなく、スパイスのように織り込まれる恋愛模様もいい味が効いている。
若い俳優皆様の繊細な演技がとっても良くて、若者達を見守る大人もとっても良くて、中盤からずっと泣いてしまった。
あー私もこんな青春送りたかったな……
個人的に『ゴールドボーイ』から注目している星乃あんなさん、
内向的かと思いきや強引で可愛らしい中井天音を好演されてました。
黒川想矢さん演じる真宙とのやり取りがずっと甘酸っぱくて可愛かった!
全部がめちゃくちゃ良かった。
エンドロールへの入り方も良かった。
良い映画をありがとうございます!!
全183件中、41~60件目を表示
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