この夏の星を見るのレビュー・感想・評価
全190件中、121~140件目を表示
星空の下のデイスタンス‼️❓願いは一つさ‼️❓
なんだろう、意味なく泣けてきた、若い頃の一コマの思い出、それを輝かせる、シーンの数々。マスクしてるから、声と目から、数人の俳優しか判別出来ないけど、それもまた、コロナ禍の時代を浮かび上がらせる。余談だが、マイナンバーの本人確認は目だけとゆうことだ。目は口ほどにものをゆう、それを切実に感じた。恋バナは控えめで、好感度大。空と宇宙は、宇宙全体の星を繋げている、何百億光年でも、誰もが繋がれている、そう想い、今夜は星空を眺めた、ありがとうございました😊😭
五島の景色は良いな
こんな映画があっても良いですよね~
清々しい気持ちになった。
こんなに学生が学生らしい演出は久々
桜田ひよりさん
アクティブな天文部
良い青春映画だった。
原作が辻村深月さんなので、たぶん面白くなってると思って観たけど、予想を上回る作品。天体観測でこういうアクティブな楽しみ方があるのかという新しい発見。天文部で自主トレーニングというイベント面白い。
長崎五島の風景も最高にキレイで、星空が広いっていいなぁと思った。
学生の天体観測というと「君は放課後インソムニア」を思い出すけど、あちらを静とするとこの作品は動。偶然ではあるけど七夕の日に良い作品に巡り会えた。
新型コロナ禍をここまでしっかりと取り上げた映画作品はなかった気もするので、色々考えさせられるシーンも多かった。あの時の社会全体の対応は本当に正解だったのだろうか、学生たちへ学校生活や友人関係への影響も描いていて、少し心が苦しくもなった。
エンドロールと一番最後、個人的には好き
個々、天文に触れている部分はあるが、コロナ事情を描いた作品で後世でも見られる映画
今年154本目(合計1,695本目/今月(2025年7月度)3本目)。
一部、天文的なお話があり、そこがちょっと不正確かな…と思った部分はありましたが、映画の論点はそこでは当然なく、コロナ事情という日本ではおよそ体験したことがない(SARSのときだって、あのようなことにはならなかった)その3~4年間に起きた、部活の制限といった特殊な活動の制限を描く映画です。
思い返せば、「今となって考えれば」過剰な規制もあったようには思えるところ、日本はこういったことを経験したことがおよそ存在せず(第二次世界大戦は別として、その後の公衆衛生も発達したので、天然痘撲滅等も早かった)、そこに突然やってきたコロナ事情(特に最初は「武漢で何か病気が流行っているらしい」というような断片的な情報ばかりとびかっていた)の中で、実質的に中高の生活「そのもの」を失ったといえる当事者を描いたもので、そのことは程度の差はあっても、実体的にテレワークを余儀なくされた社会人や、たまの散歩やそれに付随する囲碁将棋を楽しみにしていた高齢者の方など、何らかの形で誰しもが「損失を被った」ところは同じです。一方で、そこに趣旨を限ったために、コロナ事情の「対応のまずさ」(後からなら何とでも批判できるが、2020年、2021年時点で何が正しいかすらわからない状態で誰かを責めるのはフェアとは言えない。もちろん、WHO(当時はテドロス氏))等も同様)についてはほぼ触れられておらず、そういった点は良かったのかな、と思います(それはそれで、ドキュメンタリー的な映画として、第三者的な目線で、その当時の対応が妥当だったかをドキュメンタリー的に描くことが望ましいのだと思います)。
やや天体関係について気になるところはありましたが、当時の中高生はこのコロナ事情で実質中高の生活「そのもの」を奪われたも同然で、それにささげる意味でもよい映画だし、日本が今後また同じような感染症や似たような事情にあったとき、「こういうことが過去にあった」ということを残す意味において意義がある映画と考えられますので、特段減点要素とはせず、フルスコアにしています。
良い題材だが、飲み会のようなハイテンションだな(笑)
原作未読。コロナ禍でオンラインを通じて、皆が天体望遠鏡で星を観察する喜びを分かち合えることは、大変素晴らしいことだと思います。
しかし、個人的には気持ちがあまりのってこなかったです。土星や木星のコスプレまでする必要があったのか。ISSに向かって、皆が「よいお年を」とはしゃぐ辺り、飲み会のようなハイテンションで、ズレを感じました。
終盤からは、盛り上がってきたかなと思います。ラストの笛を吹く場面は、淡い恋を絡ませて、マスクからの解放感を感じ、後味は良かったです。
七夕の日に
絶望の中に光る一筋の光。
新型コロナウイルス。それは私たちの日常からたくさんのものを奪っていきました。
自分自身、緊急事態宣言のときは、高校生で、文化祭など、楽しみだった青春のほとんどを奪われて、辛い自粛生活を毎日送っていました。
本作の舞台は、そんな状況の中、何もできない絶望感に苛まれている中、葛藤し、希望を見出していく青春群青劇。
スターキャッチコンテスト。それは、自作の望遠鏡を作り、星を見つけるスピードを競うというもの。
星であれば、日本中どこでも、同じ景色、同じ時間、感情を共有できる訳です。素晴らしいなと思いました。コロナウイルスは、たくさんのものを奪っていきましたが、コロナだからこそ、出会えたご縁も必ずある。そのご縁も大切にして生きていく。
そんな前向きな気持ちにしてくれる作品です。
青春時代、コロナ禍を経験した方々に、特に観ていただきたいそんな作品です。
すべてのキャラが愛おしくて、まるで天体図にある星座のようなつながりを見せてくれる
2025.7.7 MOVIX京都
2025年の日本えい日本映画(126分、G)
原作は辻村深月の同名小説
コロナ禍に青春を奪われた高校生たちが天文学でつながる様子を描いた青春映画
監督は山元環
脚本は森野マッシュ
物語は、2014年の夏に、牛久市で行われた天文学イベントに出席する中学生の亜紗(桜田ひより)が描かれて始まる
ISSに搭乗予定の宇宙飛行士・花井うみか(堀田茜)の言葉に感銘を受けた亜紗は、高校に入るなり天文学部に駆け込んだ
そこにはナスミス望遠鏡を作りたい飯塚(水沢林太郎)もいて、部長の晴菜(河村花)たちとともに、スターキャッチコンテストに臨むことになった
顧問の綿引先生(岡部たかし)の指導の元、高校1年を過ごした亜紗たちだったが、翌年はコロナ禍の到来によって、クラブ活動も制限されるようになっていた
一方その頃、東京に住む中学生の安藤(黒川想矢)は進学先のサッカー部が廃部になってしまい、路頭に迷っていた
クラスメイトの天音(星乃あんな)は何とかして彼を理科部に入れようとアプローチするものの、安藤は全く興味が持てなかった
だが、サッカー部の先輩・柳(秋谷郁甫)がサッカーを辞めて物理に入れ込んでいることを知り、徐々に興味を持ち始める
さらにその頃、長崎の五島に住む円華(中野有紗)の旅館はコロナの風評被害に遭っていて、それが原因で幼馴染の小春(早川憩)と距離を取らざるを得なくなっていた
吹奏楽部にも居づらくなった円華だったが、東京から離島留学制度で来ていた野球部の武藤(和田庵)が心配して声を掛けてきた
武藤は天文台の観測ショーに彼女を招待し、友人の小山(蒼井旬)、東京から戻れなくなっている輿(萩原護)とともに参加することになった
物語は、亜紗が安藤から電話を受けるところから動き出す
安藤は「スターキャッチは中学生でも参加できますか?」と聞き、亜紗は反射的に「できる」と答えた
亜紗は綿貫先生に事後報告をして、「オンラインでスターキャッチコンテストをしよう」と提案するのである
映画は、亜紗たちが本格的にオンライン開催に向けて動き出し、行けなかった修学旅行先の長崎に向けて発信する様子が描かれていく
その発信は天文台の館長・才津(近藤芳正)を経て、円華たちの元へと届いた
そして、茨城、東京、長崎の3つの都市の4つの学校が、オンラインでつながることになったのである
映画は、コロナ禍に青春を奪われた子どもたちを描いていて、今だとあれはなんだったんだろうと言う感じに思えるのだが、当時を生きた人にとっては、これほど苦しい時代もなかったと思う
普通の高校生たちがしてきたことをさせてあげたいと思う大人もいて、子どもたちの発案を無碍にしたりもしない
そう言った優しさもある一方で、友だちを気遣ったり、寄り添ったり、時には恋の応援もしたりするのが初々しくもある
それぞれが学んできたことを誰かに伝えていって、それが伝播して誰かの勇気になったりもする
社会に迎合することなく、その中で抗い続けた人に向けてのエールにも思え、あの時間は無駄ではなかったことを思い起こせるのではないだろうか
個人的には普通と呼ばれる青春時代を過ごしたと思うものの、普通だったが故に何も残っていないなあと思ったりもする
覚えていることが「中学の修学旅行は雨でどこにも行けずに3日間体育館で過ごした」とか、「高校の修学旅行は雪でバスが動かず生まれて初めて新幹線に乗った」とかだったりする
ある意味、ハプニングの方が思い出になりやすく、そこで何を思い、何をしたのかと言うことが大事で、その時の経験は社会に出ても役に立つのだと思う
見えないものを見ようとする努力、知恵、起点、人とのつながりというものは「普通」では生まれづらいものだ
そう言った意味においては、貴重でかけがえのない時間を過ごせたのではないかと、羨ましくも思えるのである
いずれにせよ、優しい世界が描かれていて、真剣にあの時を生きた人々の面影が残っている作品だった
コロナ禍の総括と言うのは難しいものだと思うが、個人的には「会うはずもない遠くの人と会う機会を作り、親しい人が遠くに行っても近くに感じられる世界を作った」と言うふうに思っている
一期一会の先にある世界は、その瞬間を生きた人たちの行動によって未来につながるもので、そう言ったものを強制的に促進させたものでもあったと思う
オンラインのスターキャッチを見ていると、オンラインの先にある人を信じていないと成立していない競技だと思えた
自分のチームを勝たせるためにジャッジをすることもできるイベントだが、不思議と誰もがそんなことを思いもしない
このような価値観が人間不信で満ちていた時間にも失われなかったのはすごいと思うし、アルビレオで負けた天音が言う「これは勝ち負けではない」と言う言葉は素敵だった
様々なドラマが展開され、近くにいながらも分かり合えないもどかしさなどもあるのだが、映画では何気ないセリフの中に「思いやっている人が見ている景色」と言うものがたくさん出てくる
同じようにあの時代を生きているのに何かを埋められなかった人にとっても、それが何なのかがわかる映画だったのかな、と感じた
七夕に観たい
映画館で観て本当に良かったと思った。
あの星空は、映画館で味わって欲しい。
惜しむべくは、「普通の見やすい席」で観てしまったこと。
できれば、視野からスクリーンがはみ出る位置で、あの星空を仰ぎ見れば良かったとも思う。
コロナ禍の閉塞感を背景に、青春の心の機微と、スターキャッチコンテストの疾走感が、それぞれに大きな物語を紡ぎ出していた。
望遠鏡を覗いたことはなく、あんな風に動かすことも知らなかったけど、素敵な世界に吸い込まれるようだった。
もともと辻村さんの本が好きで、この映画の公開を知った時、すぐに観たいと思った。
この作家さんは、本当に若者の心を描くのが上手で、今回も爽やかな世界だった。
俳優さんたちも、それを上手に表現してくれていたと思う。
コロナの差別は、田舎ほど強かったように思う。
とても閉塞的で疑心暗鬼の世界だった。
しかし、きっとその時も、田舎ほど星空は綺麗だったのだろう。
その対比も鮮やかだった。
個人的には、コロナ禍を振り返る「フロントライン」とこの作品を一緒に観ることで、「戦場」としてのコロナ禍を、闘う「兵士」側と、翻弄された「市民」側の両面から観ることができるようにも思う。
七夕の夜に、映画館で満天の星空を観てもらえたら嬉しい。
みなさんが爽やかな気持ちになれますように。
コロナ禍で行動が制限された学生が、ある発想で全国の学生達と繋がって行く感じの作品。 本年度ベスト!!
夜空に輝く星がメッチャ素敵な作品だった!
映画館のスクリーンで観るべき作品!
本作は「スターキャッチコンテスト」と言う競技がキーワード。
大会が規格した天体望遠鏡を自分で作成。
コンテストに参加。
出題者が星の名前を言い、参加者が誰よりも早くその星を天体望遠鏡に収める。
みたいなチーム戦。
星の明るさの等級が低い星を一番先に収めると高ポイントがゲット出来る、星空の下で行う競技。
観賞後に調べたら実際に茨城県の学校の先生が考えた競技だと知る。
茨城県の高校生。
桜田ひよりサン演じる亜沙がメイン。
彼女と早瀬憩さん目当てだったけどマスク姿に加え夜のシーンが多めで少し残念だった(笑)
多くの人が集まる「スターキャッチコンテスト」
コロナ禍の中、人が集まる事が許されなくなりコンテストは中止。
そんな中、オンラインでコンテストをやる事を決意した亜沙が呼び掛け、長崎、東京の学生がコンテストに参加して行く展開。
実際にコロナ禍で人と会えなくなった学生さんの気持ちが良く解る感じも心に響いた作品って感じ。
コンテストのシーンに引き込まれる!
出題者が星の名前を言った瞬間。
参加者がその星のある位置に望遠鏡を向けるシーンがカッコ良い!
まるでライフル銃で星を打ち落とす感じの俊敏な動き!
見た目はプロのスナイパー(笑)
望遠鏡を瞬時に動かす時の効果音は正にライフル銃のカシャカシャ音!
みたいだった(笑)
判定基準が良く解らなかったけど、そんなのどうでも良い感じ(笑)
終盤のISS(国際宇宙ステーション)を望遠鏡に収めるシーンは圧巻!
時速28,000㎞と超高速で地球を周回するISSを望遠鏡に納めるシーンが胸熱だった!
ISSがとても美しく、実際に望遠鏡で見たくなる!
自分もスターキャッチコンテストに参加したくなったけど星の名前や位置が全く分からない(笑)
本作は広瀬すずサン主演のカルタ競技の様なスポコン系の作風で作っても良かったのかもと感じた。
スポコン系の続編が出来る事を熱望します!!
「良いお年を!」のセリフで涙が出るとは思いませんでした( ´∀`)
中盤からジンワリ涙が出てきて、それがずっと最後まで
何て爽やか!星を観て素敵な出会いを勝ち取る~ そして青春がコロナを吹っ飛ばす!
今日は R7.7.7 七夕ですね (*´ω`*) ラッキ-フィーバ-!
そんな中 今日は、「この夏の星を見る」を観ましたよ
原作: 辻村深月さん。毎回 映画化は楽しみにしております。
今作は2023年に出版された物ですね。
あの コロナ禍が世界を襲った2020年~2023年 緊急事態宣言。この間に入学したり卒業したりした学生は制限された学校生活の中で勉強や色んな事を学んだんだと思う。
友達の顔をまともに知らない人。オンラインでしか会ってない人多かったでしょう。一緒にスポ-ツも出来なくて・・・。
そんな学生たちの胸に詰まった想いを 辻村さんが皆に問いかけて、そして縛られた世界から解放させてあげたい願いを この作品から感じ得ました。
-------------- 感じた事
溪本亜紗役:桜田ひよりさんが あどけない可愛さ炸裂で、
いつまででも学生演じれるのがスゴイかな。
皆で星空を観て、その想いを繋ぐ・・・
僅か数分間しか観れない ある星を、皆でオンラインでリレ-式に繋いで
” 見えた~” って言葉とその思いが素晴らしい。
コロナで会えなくても、卒業しても、引っ越ししても・・・
皆がバラバラに成っちゃっても、夜空は世界で繋がってて。
~ 君が観ている星を、 僕も観ているよ ~ って
言えたなら 何て素敵なんだと思う!
茨城県、長崎県五島列島、そして東京・・・
ナスミス式望遠鏡を必死に作り上げる学生。
そして オンライン スタ-キャッチコンテスト!
この発想いいね。
閉じこもった社会の中で 外は安全だった。
天文台で星座観測や プラレタリュ-ムは観れないけど
集まった皆で綺麗な星空を観ながら 七夕の話は とっても良かった。
毎年 七夕は、 梅雨の時期で曇ってて雨の日が多くって。
でも今年は 梅雨が明けたから きっと星空は綺麗だろう。
主題歌「灯星」、「スタ-ライト」:haruka nakamura+suis from ヨルシカ
とっても素敵な曲と魅力ある歌で 映画を締めくくります。
ちょっと目立たない宣伝チラシが残念だったけど
今居る素敵な友人と一緒に
劇場へ どうぞ!
2020年の学生たち
原作小説は読んだ上で鑑賞。
冒頭10分くらいで涙があふれて、もうこの映画化は成功したなと確信した。
ほぼ原作どおりに話は進み、大きなスクリーンで見るにふさわしい、映像、特に星空の美しさ、そして劇伴の素晴らしさがより感動を引き起こす。
2020年、コロナの影響でほとんどの人が自粛をしていたあの時、それでも今しかない学生生活を無駄にしないために、この映画の学生たちは前を向き続ける。その結果、またとない経験と出会いにつながっていく。私はどんな状況でもやり方次第で、人との交流を深め、今を楽しむことはできるんだと勇気をもらえた。
だからこそ、あの時苦しかった全ての若い人たちに是非鑑賞してほしい。きっとどういう結果であれ、あの時の自分を肯定してあげたくなる、優しさと青春の煌めきが詰まった素晴らしい映画です。
マスク越しに星を見る
観た後そのことしか考えられず、日常生活に支障を来たす映画。数年に一度あるけど、また出会ってしまった。
「スターキャッチ」
星を望遠鏡で捕まえるということ。
それが周りの大事な人とのコミュニケーションに重ねられている、と思う。(印象的に、上にいる人と下にいる人の会話が2回繰り返される。)
時に雲に覆われもするけれど、繰り返しの練習、繊細な心遣いで見れば、必ずキャッチに成功する。
それはつまり、マスクをしてても相手の顔は、心は必ず見えてくるということ。
ほぼ全編マスクで撮られたこの映画が、それを実証してもいる。
クライマックス、ほんのささやかな、なのに妨げられてきた主人公の想いが爆発して伝播していく時、猛烈なエモーションが画面に溢れ、抑えが効かず、震えながら、どうかするくらい泣いてしまった。
劇中歌でエモーション全開にする演出と、エンドロールの本編切り取りショット、そして高木正勝を思わせるharuka nakamuraの音楽は、細田守『時をかける少女』と『おおかみこどもの雨と雪』。
次々願いを込めて叫ばれる「良いお年を!」は大林宣彦『この空の花』。
想いが強烈に伝播していく様は『ちはやふる』。
学生たちの群像劇(しかも野球部と吹奏楽部!)は『桐島、部活やめるってよ』。
青春映画のエッセンスをぎゅっと詰め込んだ大大大傑作。すごい、本当にすごい。
少し飽きるくらいまで観ないと、ずっと思い返して仕事が手につかないので、まだ何回でも観にいくはず。
もうひとひねりあれば!
50歳を越えた男性がレビューしていることをまずお知らせしておきます。
そしてグダグダ長くなります。
以前、過去のレビューに書いたことがありますが、まず前提として、いわゆる「青春」などというものは私にとっておじさんおばさんの最大公約数的な幻想でしかなく、10代を終えた大人達が、当時の山ほどの後悔とほんのちょっとの楽しかった記憶を振り返った時、極端に美化されて現れた虚構世界、それが「青春」というものの現実です。
そして、それを小さな頃から様々な媒体・作品、経験談と称する誇張されたデマによって散々植え付けられた多くの中高生たちは、なぜか大人達が作ったその「青春」という偶像に自分を照らし合わせ、「私も青春でいなければ」という不自由さの中にいます。
部活に時間を費やしている学生達でさえ、大半は目の前の練習や試合に、日々の惰性の中で取り組んでいて、もちろん短期的な勝利や成績の向上を目指しこそすれ、それは次の進路の前にケジメを付けるべきものと思っています。
大半の中高生たちの現実とは、友人や親、世間からの激しい同調圧力、羞恥心、エゴ、そして芽生えた性への好奇心の中、なんとなく、でも当人にとってはある意味必死に日々を過ごしているのです。
実際、私の回りにいる中高生を見ていて、コロナ禍で行事が無くなったり、学校が休みになったり、友達に会う機会が減ったことに「不憫」「可哀想」「不幸」と感情を揺さぶられているのは、むしろその親の世代です。
本人たちにとっては「それが平常運転」であり、日本中いや世界中の同級生が同じ環境にいるので、比較的フラットに受け止めているものです。(もちろん部活の成果が出せずに終わったことを悲しむ学生はいますが)
そして、私は「それが素晴らしい」と思っています。
コロナ禍当時の中高生がそれまでの中高生と比べて自分たちが「可哀想な被害者」だと自覚することは、やはり不自然。
この映画に登場する彼らの様に、「今できる何か」を探すほうがよっぽど現実的だし正しいワケで、彼らは迷い、悩んでいる様で、でも実は着実に正しい道を歩んでいる。
そう思うのです。
彼らには武器がある。
創作物の中では、比較的悪役になりやすい「SNS」「双方向通信」を始めとする「オンラインによる接点」が、コロナ禍で急成長し、彼らは早々にそれを自分の手足として利用し始めた。
日本中の同じ思いを持つ高校生が、気軽に同時に繋がる。
逆に、我々の時代において友人の「引っ越し」「転校」はまさに「今生の別れ」にほぼ等しい意味を持っていたことと比べれば、今の彼らには本来それほど切迫感のある悩みでもないのかも知れない。
世界のどこにいたって声を聞き、顔を見て、話ができるんだから。
話が漠然としてしまいました。
とにかく、登場する中高生は、コロナ禍で大人たちの右往左往に振り回されながらも、「日常」でいようとします。
そして「何ならできる?」をテーマに、それぞれが動き出す。
冒頭のアサとリクの部室で出会うシーンとか良かったよね。
そんな、描こうとした彼らの姿は素晴らしかったけど、やはり物語の展開にちょっと飛躍とデフォルメが強く、ストーリーももうひとひねりあったら最高だったのに。
アサちゃんって、「大きなタマネギの下で」のあの娘よね?
可愛らしくて達者なのはいいのだが、私にとっては「なんかうるさいな」感が残った。残念。
全190件中、121~140件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。