「天文部の青春映画」この夏の星を見る クロイワツクツクさんの映画レビュー(感想・評価)
天文部の青春映画
天文部という部活や同好会がある学校は少ないだろう。私も高校の頃自分で作ろうとしたが上手くいかなかった。だいたいにおいて活動内容は地味だろう。夜に輝く星を観測するという性質上、活動時間が未成年が制限されやすい夜が殆どということで、他の部活動とかなり異なる点もある。
そうした天文部の、コロナ下で活動が制限された高校生の部活動に捧げた青春映画がこの作品。
映画内でコロナのパンデミック時の様子が描写されていたが、ほんの3年ほど前までのことが、自分の中ではもうだいぶ過去になっている感覚になっていたことに気づかされた。
そうしたコロナ下での中高校生の青春模様とでもいうような話が展開していくが、NHKのドラマっぽい雰囲気をなんとなく感じた。
女生徒が多い感じだが、実際の天文部も意外と女生徒の方が多いらしい。高校の天文部の全国的な活動というと、「しし座流星群全国高校生同時観測会」というものが昔あって、「星のかけらを探しに行こう」という曲がテーマ曲になったりしていたことがあったが、そのことを思い出した。
天文マニアとして無粋な突っ込みをすると、ナスミス式として造っていた望遠鏡の口径は三十センチ以上はありそうで、あの口径の反射望遠鏡の主鏡は完成品だと十万円前後はするだろう。最初業者に鏡筒の製作を依頼していたようだが、それを加味すると全体で三十万は下らない結構高額な望遠鏡になりそう。光学系は寄付で無償という設定かもしれないけど。結構金のある部活動だな、と思ってしまった。
あと、望遠鏡を覗く位置が全く変わらない(動く必要が無い)のはクーデ式の方だが作る難易度も上がるので部活動で扱わなかったのだろう。と思う。
天文部が舞台となるドラマやアニメ、漫画は意外と多い。星空にロマンを感じる人が多いからだろうか。メディアに取り上げられることがあると、天文部員が増加するという現象があるようだ。
この映画で、天文部に部員が増えたりするかもしれない。
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