「実写版アンダーニンジャの感想」アンダーニンジャ 陰キャ太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
実写版アンダーニンジャの感想
元々実写化反対派で好きな漫画やアニメの実写化があっても興味無く基本的に観ないのだが、同作者の実写版アイアムアヒーローの完成度と、アンダーニンジャの実写化に向いた内容で期待していた。
マンガがめっちゃ好きでアニメも見て今回相当楽しみに映画見てきたが、正直残念だった。
良かった点
配役が完璧
蜂谷くんのアクション凄かったし、都合上のキャラの補填のやり方もよかった。
九郎を始め、全員の配役の顔やキャラがちゃんと一致していた。
ストーリーの繋げ方が案外良かった
外国人編の簡略化や九郎のエアバッグに気づくシーンや透明化の設定、川戸さんの母親設定の削除、ヤンキー高校の代替えストーリー
あと主題歌がすごく良かった。
悪かった点
ギャグの寒さ
佐藤二朗のギャグが寒い
最初の佐藤二朗もムロツヨシと九郎のやり取りもいらない
長いしくどい。
佐藤二朗やムロツヨシが悪いのではなく2人ともキャラに合っているからこその無駄なギャグシーン。
途中で九郎役の山崎賢人が素で笑って普通にNGシーンだと思う(監督は面白いと思ってOKをだしたのだろう)
普通に序盤から九郎のキャラ崩壊
ギャグ路線にしようとしたのか原作の良いところを壊してる。
のくせに初めの九郎の年齢を原作とは違い、先に24歳とばらして川戸さんとの飲みのときの「17歳に見えねー!」を潰してる
逆に原作沿ったギャグシーンは完璧ゆえの最高の完成度だった。
が、オリジナルの寒いギャグのせいでそれさえも寒く見えてしまっている。
ストーリー
繋げ方は悪くないが、アンダーニンジャの良さである伏線の張り方や演出がイマイチ
映画にする上でこういう漫画はどうしても設定やキャラを消すのはもちろん仕方ないことだが、消した分のストーリーの進み方が端的でつまらなかったし、入れれた伏線も簡略化されていてつまらなかった。
摩利支天の設定
(練魔が最前線だという重要性と緊張感)
瑛太を九郎が守るところや佐藤と野口の絡み
猿田と鈴木の戦闘、九郎の指輪、UNスーツの正体の気づき、山田と九郎の戦闘など
(Gなので全年齢対象向けに作ったからかも)
ラストシーンの無理やり感
原作でも映画中でもそういう雰囲気の内容じゃないのに、感動シーンを無理やり作っているのが寒い。
原作の野口のほんのり恋心を匂わせる感じがあるがそこが本題じゃないからメインにもサブにも入れてない良さが無い。
さらにこのシーンを入れたことによる圧倒的チープさ。
無理に"いい話でしたよ"感、"お涙頂戴"感が最悪。
まとめ
全体的なチープさが否めない
演出や小道具の安っぽさは仕方ないが、ストーリーの伏線や点と点が繋がる面白さ、九郎たちの敵の壮大さ、シリアス展開にギャグが混じるギャップなど。
特にUNスーツの謎を解くシーンは普通に削らずにそのまま使えだと思う。
初め、わからない→弱点なし→オーバースペック→何故オーバースペックなのか→ゴーグルの素材から宇宙服と推測→荷物を積まず飛んだロケットに繋がる→UNの真の目的が遁の剥奪および忍びの個人データ入手だと断定
の流れが気持ちよかったし面白かったし、納得したときの事の重大さなどが表現されていたのに今作はそこが簡略化されていて「そうはならんくない?」と感じた。
アンダーニンジャの良いところがほとんど潰れている。
配役が完璧だからこそ勿体ないと思うし、もっと面白いものが作れたと思う。
なんなら二部作、三部作にしても良かったと思う。
キツい言い方すると配役に金かけすぎて台本が文化祭
もし、予算がなくこういう結果になったのだとするなら、はなから作るな。
ちゃんと作品を作りきらないなら作るな。
監督を見たら福田雄一で担当作品は
今日から俺は、左江内氏、勇者ヨシヒコだった。
うん。帰ってくれ。この作品はごめんけどコメディじゃない。
原作を逆さまで読んだのかもしれないけどちゃんと正しく読んでくれ。
この配役でちゃんとしたやつを見たすぎる。
みんな演技上手いしキャラに当てはまってるし、逆になんでこんなつまらなくなったのか不思議でしかない。
白石麻衣も演技上手いしキャラにあってるし
九郎も野口も蜂谷くんに瑛太でさえも完成度が凄かった。
最後に十郎が出てきて次回作を匂わせていたがこの設定じゃ厳しいと思う
この先もっと設定や組織間のいざこざが複雑になっていくのに無理でしょ
エンコーいない
鬼首、日々兄妹、佐々魔はいないし
雲隠兄弟の設定も無い
UNの規模の小ささ
現状上層部の設定皆無
九郎が死ぬまでの間に踏み固められた設定、ストーリーがあったからこその雲隠兄弟登場の驚きや今後のNINとUN、政府の動きが気になり面白いのに、そこを全く描けてないのにこれからどう次回作作るつもりなのか。
おそらく興行収入が低いから次回作はないと思うけど
とにかく残念でした。