劇場公開日 2025年1月24日

「ギャグ自体が悪いのではない、あまりにもつまらなすぎるのだ」アンダーニンジャ 桃子さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0ギャグ自体が悪いのではない、あまりにもつまらなすぎるのだ

2025年1月25日
iPhoneアプリから投稿

福田監督は1度お笑いとはなにか、ユーモアとは何かについて本気で考え直すべきだ。貴方のギャグセンスの無さを指摘してくれる人はいないのか。というか、あれはギャグですらないだろう。笑いもしないが、もはや怒りすらも消え失せる、ただただ「これが本当に面白いと思っているのか?」という不思議な感情につつまれた120分であった。

○良かった点・悪かった点

毎度「身内ノリ」と揶揄される佐藤二朗とムロツヨシという配役も今回に関して言えば原作とピッタリ合致していたし、間宮祥太朗の加藤、蜂谷詩音、瑛太あたりも正解だったと思う。
しかしそれ以外は、しつこすぎる鼻くそのくだりやムロツヨシとの絡みであり、福田節全開で行くのかと思えば、原作そのままのなんのストーリー展開。

あまりにも中途半端である。

アンダーニンジャがワクワクするのは、彼らが「現代版忍者」で、最新の科学技術を駆使した武器や装備で組織して成立している所である。彼らが刀じゃなくて銃を使うところが現代版忍者としてのリアリティであったのに、福田映画は刀しか使わなくて超典型的、古典的な「ジャパニーズニンジャ」となってしまった。

福田さんは原作を詳しく読んでいないのか、まいやんが殺されそうな時に敵に向かって手を伸ばすシーンも、説明がないので本当にただ命乞いしてるようにしか見えない。
命乞いじゃなくて銃弾を手で受け止めて致命傷を回避するためなのね。でも映画ではそもそもみんな刀だし、説明もないから毎回命乞いしてるようしか見えないし、忍者弱くみえる。残念。

『寄生獣』を撮った山崎貴監督あたりがとればそれこそ素晴らしい、歴史に残る実写映画になっていたのでは無いか。

原作に忠実にしろって言ってるんじゃなくて、ギャグのやり捨てすんなってことなんよね。部分じゃなくて全体の完成度で勝負して「原作と違うけど、こういうのもアリだよね」ってとこまで持ってて欲しかったのよ。福田のキャリアからしても。

○福田監督へ

福田監督の良さは、配役と現場の空気感や笑いをそのまま作品に活かせるところであろう。彼の良さを純粋に受けいれたいからこそ、彼には原作の実写映画ではなくオリジナル脚本作品を撮って欲しいと切に思う。そして、実写映画の仕事は断って欲しい。

ここ数年、『聖☆おにいさん』や『ヲタクに恋は難しい』の大失敗などを経験し、何故福田さんはこれほどまでに素晴らしい原作たちをゴミカスにしてしまうのだろうかと頭を悩ませたが、ようやく答えが出た。

恐らく、彼の信念は「実写化を成功させること」ではなく、「自分らしさ、オリジナリティ、福田作品」であることの方が重要なのだ。

ここに観客の期待とのズレがある。大半の観客は、福田組や「福田監督の作品」を目的に足を運んでいるのでは無い。キングダムなどアクション映画で確実にキャリアと経験を積んできた山﨑賢人や、花沢健吾『アンダーニンジャ』の実写映画を見にきているのである。

だから、福田監督の作品を見た時に失望、落胆、怒りという感情の渦に巻き込まれることになる。

このような悲惨な現状を繰り返さないために、福田監督は、自分の自我や思想をいかんなく発揮し、また誰もそれを邪魔しないオリジナル脚本作品を撮るべきなのだ。

、、、それにしてもやはり、福田監督は1度NSCに入るべきだ、と真剣に思う。

桃子
callさんのコメント
2025年1月27日

福田監督作品が好きで、福田組や「福田監督の作品」を目的に足を運んでいる私からしても、この言語化は本当にその通りでごもっともだと思います。

>恐らく、彼の信念は「実写化を成功させること」ではなく、「自分らしさ、オリジナリティ、福田作品」であることの方が重要なのだ。

>ここに観客の期待とのズレがある。大半の観客は、福田組や「福田監督の作品」を目的に足を運んでいるのでは無い。キングダムなどアクション映画で確実にキャリアと経験を積んできた山﨑賢人や、花沢健吾『アンダーニンジャ』の実写映画を見にきているのである。

>だから、福田監督の作品を見た時に失望、落胆、怒りという感情の渦に巻き込まれることになる。

call
大吉さんのコメント
2025年1月26日

原作があるものでふざけたらダメですよね。遊びたかったら三谷幸喜みたいに自らのオリジナルでしなきゃ。成功するしないは別として。

大吉