「前半キタノ、後半ビート」Broken Rage 青樹礼門さんの映画レビュー(感想・評価)
前半キタノ、後半ビート
この実験はさすがに地上波や劇場映画ではNG!
まさかのMGMライオンではじまるキタノ作品。
さぞかし潤沢なお金を使うと思うきや、
地下駐車場と取調室と木造アパートばかりなミニマルさ。
とことんチープに徹しているけれど、
クルマや飲み屋や夜の街の撮り方は相変わらず綺麗。
やっぱり映画だ。
この監督は何をやっても映画になってしまう。
映画に愛される子供が、映画を壊そうとして、映画から逃げ回る。
そんなドタバタをみているようで愛らしい。
編集の間の詰め方が絶妙で、最初からゲラゲラ笑えて仕方がなかった。
なんだかこれはゴダール作品に非常に似ている。
蓮實重彦を困惑させるような無邪気ないたずら、稚気溢れた映画遊び。
次作は昭和キャバレー芸人世界と聞く。益々楽しみになりました。
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