最後の乗客のレビュー・感想・評価
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最期の忘却
「衝撃と感動」なんて煽ってあるが、粗筋から想像した範囲はまったく超えない。
致命的なのは、みずきの「私、死んだの?」という台詞。
これにより予想は確信に変わってしまい、“誰”が“どっち”かもここでほぼ察せてしまう。
台詞としては「お父さん!?」「なんで!?」くらいで十分だったのでは。
サスガにもう一捻りあるかと思ってたのだけど…
驚いたのは、親子を拾った場所から動かず終わったこと。
車を走らせながら、会話したり寄り道したりする流れだと思ってたので、これは相当な低予算では。
演技もヒドくはないが平凡で、見どころは終盤に冨家ノリマサが見せる滋味深い声と表情くらい。
これ系の作品を観たことがなければ別だが、あまりにベタベタで逆に驚いた。
みずきはリストカットによる臨死であそこに居たのかと思ったが、そういうことでもなく。
顔を隠していた理由も結局なんだったんだろ。
タケちゃんへのお願いも結局分からず。
震災遺族に『あの日を忘れない』的なフレーズを否定させたことだけは新鮮だった。
無理じゃない。だって、お前はまだ生きているじゃないか。
2024年映画館鑑賞91作品目
10月13日(日)イオンシネマ石巻
特別料金1600円→dポイント−300円
監督と脚本は仙台出身ニューヨーク在住の堀江貴
大どんでん返し
浜辺でのみずきの夢オチ
みずき以外の登場人物は震災によって亡くなった人たち
現場は仙台市若林区荒浜地区
この世じゃない人が怪談話するっても随分滑稽な話だけど
配役
上京後仙台に戻ってきた遠藤みずきに岩田華怜
みずきの父でタクシードライバーの遠藤に冨家ノリマサ
遠藤のタクシードライバー仲間のたけちゃんに谷田真吾
幼女のこころに畠山心
こころの母に長尾純子
足が不自由なこころの祖父に大日琳太郎
with伝説の男
港町の駅の終電後、不穏な女性客を乗せたタクシー運転手の話。
浜街道で大学生ぐらいの女の子を乗せ、浜町までと言われて到着すると…という噂話を聞かされた運転手が、実際に浜街道を走っていると…というストーリー。
あれから10年後の字幕で始まり東北の駅前で客待ちするタクシーということで、ちょっとお察し。
そして乗せた女の子、フードにサングラスにマスクフル装備で年齢なんかわかりませんがな(´・ω・`)
そして今度は飛び出しマダム…謝罪も礼もなしですか?
誰が?というところはあるものの、なんとなく話しはみえる訳で、そういう意外性はあんまりないし、だとしたら…のツッコミどころとか有耶無耶に流されてしまっているところは結構あったけれど、明かしてからの話しも悪くないし、なかなか面白いファンタジーだった。
いい映画だけど、kino cinema でかけるのがそもそもの間違い。
kino cinema は横浜みなとみらいと、天神にしか行った事はないけど、横浜みなとみらいに限って言うと、横浜駅から、みなとみらい線に乗り換えるんだけど、深い地下にあるからホームに行くまでが長いし、
快速では通り過ぎてしまうから、普通に乗らないといけないし、みなとみらい駅から映画館までは地味に遠い。
ここまでして、映画を見に来るのは映画マニアしかいない。天神では、あの大傑作デッドストリームもかかっていたけど、話題にならなかったもんなぁ。
一階には早く開店する本屋とスタバはあるけど、ここのスタバにはスタバwifiが無い。wifiが無い喫茶店って、クリープを入れないコーヒーと同じじゃない?( 森永乳業さん、そろそろクリープちょうだい)
ヒット作、侍タイムスリッパーを上映した、池袋シネマ・ロサではかかっているけど、横浜はkino cinemaだけど、ここは一発勝負をかけて川崎チネチッタでかけてみては如何でしょうか?
自分が殺した人達を冷蔵庫に保管して、コンプリートしたら、その死体を一軒家に組み立てるという、イカれた映画、ハウス・ジャック・ビルドをかけた映画館ですぞ?
こんなチャレンジャーが運営している映画館なら、かなり集客できる筈。この船に乗らない選択は無いぞ?
え?失敗したら?そのときゃ、俺は知らんぷり!( by.江口寿)
さて、長い前置きはさておき映画の内容だが、
映画冒頭、
あれから10年
と、テロップが表示される。
え、どれから?
俺、何か見逃した?
と、思うが、察しがいい人ならすぐに察しはつきます。
とある港町、駅付けしているタクシー運転手が客待ちで停車している。最近は地方でも、ジャパンタクシーか、プリウスのタクシーが走っているのに、主人公が乗っているのは今では見かけないフェンダーミラーのセダンタクシー。これは後の伏線となる。
主人公のタクシーの後部座席から、コーヒーが差し出される。渡したのは同僚のタクシー運転手。
同僚は、幽霊を乗せたタクシーがあるから気をつけろと進言する。んなわけねーよ?と答えた主人公がタクシーで走っていると、夜中なのにサングラスかけて、マスクをしてパーカーを被った女を発見。
この女が幽霊か?と思いながら、走るタクシー運転手。暗い道を走っていると、突然正面に女の子を連れた母親が飛び出してくる。
すんでの所で、止まったが転んで怪我をしてしまったようで、幽霊かもしれない乗客と行き先が同じだという事が分かり車を走らせようとするが、車が故障して動かなくなる。
今回は、途中で話しは飛ぶけど、タクシー運転手あるあるで客から聞かれるのは、
「 運転手さん、タクシー運転手って稼げるの?」
って、よく聞かれます。今はなくなってしまったけど、東京と横浜でタクシー運転手になるには、二種免許と地理試験が必須でした。
この地理試験が曲者で、東京中の美術館、TV局、役所、警察署、美術館、学校などの主要施設の場所と、幹線道路の名称、高速道路の名称、交差点、挙げ句の果てに交差点の並び順などを覚えなければ合格できないのです。
この地理試験に受からなくて、タクシー運転手を諦める人もいるくらいでした。
今はタクシーセンターで2日講習を受けて二種免許を取ればなれます。都内の地理に詳しくなくても、GOアプリが自動的に行き先をナビしてくれるから、問題無し!トーシロの俺でも月100万は売り上げがあったんだよ?
あと、タクシー紹介会社だけど、ジョブイントルダクション、youtubeでタクシー屋さんと検索して、野口さんに相談しましょう。とことん、つきあってくれます。
もう一つ、タクシー紹介会社があるけど、これから貶すので名称は自粛しますが、ここはタクシーで稼げるテクニックを教えてくれるという事で、行ってみたら、そのテクニックというのが、
曲がり角にある一本道の手前で停車して客が来るまで動かない!
って、ドヤ顔で発言して悦に得ているのを見て心のシャッターががらがら音を立てて降りました。
あとねー、
「 運転手さん、幽霊とか怖い経験ありますか?」
ってのも、よく聞かれます。
そのお客様は団体で、早朝に渋谷から移転する前の築地に行くお客様で寿司食いに行くって言っていたので、
空気読んで、お風呂場に沈んだまま一週間が経っていたご遺体を引き上げた時に腕を掴んだら、皮がずるっと剥けた話しをしました。さぞかし、食欲がなくなったに違いない。けけけけけけけけ。
話しは戻るが、停車中に幽霊だと、思っていた女は実は自分の娘だった事が分かるのだが、こんな偶然あり得ないよ?って、思うでしょ?
あるんだよ?それが。俺がタクシー運転手をやっていた時に遠くへお客様を送った帰り、弟が住んでいる区を通りかかった時に、
ふと道路を見るとチャリで自宅に帰る弟を発見して、携帯に電話して呼び止めて、弟の携帯でジャパンタクシーをバックに記念写真を撮りました。これって天文学的な確率だよね?
で、ころころ話しは戻るが、タクシー運転手のお父さんは何とか、冒頭でコーヒーをくれた同僚のタクシー運転手に来てもらう。車を見てもらうが、どこも故障しているところは無いと言われる。
運転手は、飛び出してきた母親に聞かれる。
「 運転手さん、貴方が最後に乗せたお客さんは誰ですか?」
運転手は営業記録を見る。最後に乗せた客?最後に乗せた客は...。
と、ここからは演劇集団キャラメルボックスの芝居でやりそうな感動する展開が待っています。シネフィルだったら、察しがいいから途中で気づきますけどね。いい話しですよ?
惜しい点は、父親特製の卵焼きが入っているおにぎりを食べる描写が無い所。ここは、山口馬木也に、おにぎりを食べて欲しかった( 違う映画だし)
あと、卵焼き入りのおにぎりって字面を聞いてもあまり美味しそうに思えない。卵焼きおにぎりのアドバイザーは2人もいたんだから、ちゃんと考えよーぜ?
卵焼きはおにぎりに添えるもの、左手は添えるだけ。
50分の上映時間だし、上映している劇場も多いから、お時間がある方は是非鑑賞することをお勧めします。うん、この映画はいい映画だ!
優しい気持ち(11月1日追記ネタバレあり)
あの災害からの物語なので面白いとか楽しいとかではないのはあたりまえですが
鑑賞後は爽やかな朝を迎えた感じでした
そして温かな気持ちになります
鑑賞後にGAGAによる作品の公式HPのスタッフ紹介の「監督メッセージ」を読んであらためて胸が熱くなりました
登場人物が少ないのですが皆さんいい感じです
父と娘なんてだいたいあんな感じかと
(追記ネタバレ)
この作品簡単に説明すると2年前公開の「天間荘の三姉妹」(上映時間150分)をギュッと凝縮して55分にまとめたような感じ
父はともに震災で亡くなり天界?と現世?の間でタクシー運転手をやっていて、生と死の間にやってきた娘(たまえ、みずき)を乗せる
結果的に「たまえ」も「みずき」も家族や仲間に生かされて生きていくこととなる
本作の「たけちゃん」は「イズコ」の役割を担って「みずき」さんを現世に戻した
以上、勝手な解釈です
どちらも好きな作品です
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