「ミステリーというジャンル分類も微妙?」最後の乗客 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリーというジャンル分類も微妙?
今年394本目(合計1,485本目/今月(2024年10月度)45本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
60分を切る映画で特別料金扱いになっています。
そのような時間の設定なのでストーリーがほぼ一つか二つにしかならないし、タクシー運転手が人を乗せて走ったらトラブルになって降車させたら、元乗っていた乗客と、ぶつかった乗客の関係はいかに…という筋のストーリーであり、ここの紹介、あるいは映画内でも何度か登場しますが、先の東日本大震災をテーマにした映画であることもわかります。
その意味では「ミステリーか」というとこれまた微妙なジャンル分類だし、問題提起型のジャンル(この点後述)とすると時間がいかんせん短すぎてちょっとどうだろう…という気がします。ただ、問題提起型の映画は概して長くなることが多く、60分をちょっと切るあたりから70分~80分程度でサクッと見たいという層が想定できるのはわかるし、そこはまぁ好みかな…といったところです。
一方でこの映画のもう一つのテーマであろうところの「忘れないための記憶」というところにおいてはもうちょっと配慮が欲しかったというところです(この点後述)。
タクシー運転手が乗せた人、途中でぶつかって止まった人との関係、あるいは主人公のタクシー運転手との関係は…といったストーリーですが、そこはネタバレになりましょうね。短いストーリーですが、そこまで了知してみるならそれほど極端に変な作品ではないだろうといったところです。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.3/この映画のもう一つの「忘れないための記憶」の問題提起が足りない)
エンディングロールが主になりますが、当時の震災のときの実際の写真がいくつか登場し、エンディングロールも最後になって、仙台市からのお知らせとして「これらの持ち主不明の写真の持ち主を探しています。お問い合わせはこちら…」という趣旨の文章が登場します(したがって、仙台市(宮城県)はこの映画にクレジットしている)。
ただ、この「写真の探し主」に限らず、震災や大火災ほかで同じようなことが発生するのは当然のことですが(熊本震災、石川震災等数々)、このことがサブテーマを超えて主テーマであるととらえることもでき、そうであれば55分ほどのこの作品でさほど「ミステリーものか」というと微妙な時間の映画の作品でこの話を最後に持ってくるのはややどうかな、と思いましたし、実際に「持ち主探し(尋ね)」を想定した映画ではないと思いますが(震災の当事者が必ずこの映画を見るとは限らない)、実際に「震災などで思い出となる写真や動画などの落とし主を訪ねて」という趣旨のストーリーにするならそちらに振るべきだったでしょうし、やや時間の使い方も含めて「どうかな」と思いました(よって、55分ほどの映画としては「想定できる見方」がいくつもあるが、どうにしても時間が足りない)。
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