遠い山なみの光のレビュー・感想・評価
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業深き漆黒の闇の中で一筋の光を追い求める
109シネマズ二子玉川の舞台挨拶付き上映会にて鑑賞。
いや〜、色々な意味でスゴい映画でした。
① ノーベル文学賞作家カズオイシグロがえぐり出す人間の業深さの闇が半端ない。
② その漆黒の闇と、その中でも光を追い求めて必死でもがく者を演じる俳優 広瀬すず、二階堂ふみ、吉田羊がこれまた超絶凄すぎた。
子役の子の演技もいい意味でゾッとするほどスゴイ。
③ 監督のセンスと才気の凄さがスクリーンからダダ漏れになっている。
正直、ものすご〜く重たい映画です。
でも、映画好きの人には是非是非映画館でご観賞いただきたいです。
3人の名優と天才子役の演技を見るだけでもこの映画を観る価値があると思う。
なんてかっこいい女優
美しい
Ceremony
記憶が書き変えられること
長崎の亡霊
外国映画に描かれた戦後日本のような感じを楽しむ
なかなか渋そうな企画だと思いつつ、俳優陣に興味があって見に行った。
しかしやはり渋い。イギリスに住む長崎出身の日本人女性が家の処分と共に娘からの問いに対して日本に置いてきたものを振り返るのだが、、という感じの回想劇。
劇中の現代の舞台が80年代で振り返るのが戦後。頭の中で何かを変換しつつ観る。当然ながら再現するのにとてもお金が掛かってるだろうことはわかる装置の中で、とてもつつましい秘密が暴かれていくので、そのギャップが、、贅沢なのか地味なのかわからない映画。
そして確か『国宝』も外国人カメラマンであったがこちらも合作で監督が石川慶なので外国人カメラマンであり、ルックもわざとそうしてるのだろうけど、この密やかなエピソードにこのルックが最適解だったかはわからない。逆にこのルックと冒頭とエンディングに流れる音楽くらいが現代映画(つまり過去にはないアプローチ)を示してはいるのだけど、あのカチッとしたクリーンな感じが箱庭過ぎて日本人の戦後の密やかなヒダを描くものにあっているのかどうかはわからない。もっと吐き気がするような裏側があってはじめてイギリスでの回想が生きるような気がするが、とにかくあの女の子も男の子も美術も食べ物もいろんなものが箱庭的でクリーン過ぎで、いわゆる外国映画の中の日本のような感じでう〜ん。。。という感じ。ではあるが、確かに過去の日本映画のルックにないものではある。
しかし毎回個人的に石川慶監督の映画はそんなに乗り切れないので今回も、、、なのだけど。
お芝居の点では二階堂ふみが堂々と昭和の女優っぽいセリフ回しを披露。ただそういう役とは知らず、なるほどね。これ以上は言えない。
なぜ今映画化?
1982年刊行の小説の映画化で、当時はちょうど良かったのかもしれないけど、
そのテーマ(女性開放、戦後教育)が今の空気感と全く合っていない気がしたので、
なぜ今映画化されたのかナゾでした。
お母さんの語る嘘がだんだんわかってくる辺りで、ゾワ〜と怖くなりましたが一過性。
ただ「ハイ、真相はこれ!!」という明示はなく、解釈は観客に委ねられているので、
もう一度見直して考察したくなる作品ではあります。
二階堂ふみは「SHOGUN」の時とだいたい同じ演技で、古い役やるときは全部これ??
朝8時の回だけ、一番でかいスクリーン3での上映なので、早起きして。
割と同じ考えの人が多かったようで、まあまあ人は入ってましたよ。
人の記憶の不確かさ
大学の卒業論文がカズオイシグロだった者です。
カズオイシグロの作品のテーマは「人の記憶」なんです。それも「人の記憶の不確かさ」です。
誰もが現実を受け入れられない時に自分にある種の嘘をついて生きている。その嘘は生きるために必要なものなんです。それが悪いのかというと、視聴者に考えさせるかのように、過去の自分を時代に合わせて捉え直さずに生きようとすると周囲と衝突する事もとある人物を通して描かれています。
前提として、エンターテイメントではないので説明的なカットやセリフは少なく文芸のように読解する必要があります。小説の場合、語り手が一人称なのか二人称なのかに着目して読む必要があります。そうではないと読んでいる方が騙されてしまいます。え?どういうこと??とページを遡りながら読む必要があるんです(これも楽しみなのですが)逆に過去の自分がした事を時代に合わせて捉え直さずに生きようとすると周囲と衝突してしまいます。とある人物と対照的に描かれていますね。
芥川龍之介の藪の中、フォレスト・ガンプのように小説や映画などの物語において、語り手(ナレーター)の信頼性をあえて低くすることによって、読者や観客を惑わせたりミスリードしたりする技法です。この語り手は、たとえば精神疾患や記憶の欠落、強い偏見、悪意によって意図的に事実を歪める、あるいは自覚なく誤った情報を伝える場合があります。
こういう作家が現れるからノーベル賞に文学がある理由です。人類を進歩させた、言い換えると「人は何をする生き物なのか」にまた一歩近づいたと言っても過言ではないと思います。
映像化されると聞いてどうするんだろうとずっと思っていました。広瀬すずの演技無しに決して成り立たない作品だったと思います。
アメリカなのにイギリス?
予備知識が全くない状態で鑑賞したため、ラストで頭が大混乱した。ただ、イギリスにいる女性が誰であるかをそのまま受け取ってしまったとしても作品としては、とても見応えがある。
長崎に落とされた原爆がもたらした壊滅的な被害は、原爆後遺症だけでなく、被曝者を差別するという社会的な分断を生む。
戦後社会の影の部分が、食堂でのシーンなどで語られる。また、悦子の義理の父親が戦争に積極的に関わった教育者として、教え子から糾弾を受けることも描かれるが、思想の面裏がひっくり返ったことに気がつかないというか、理解したくないであろう。
わからないことが多すぎるので、ChatGPTに6ターンくらい解説をしてもらって全容が理解できた。
世界線が複数あることについては、自分が感じた通りだったが、その他については脳内で再生してようやく腑に落ちた。
理解できないとしても、聞かずにはいられないストーリーテリングで物語が語られるし、ショットが惚れ惚れするくらい美しい。
ざます言葉が出てきそうなくらい二階堂ふみの際立つ上品さに圧倒される。娘を愚弄する男への啖呵の切れ味もすごい。
難解だけどオススメでございます。
ネタバレ厳禁
体と心の共有
広瀬すずファンと言う事で鑑賞。
正直冒頭から一時間半は実に眠かった。
これどうやってラストを迎えるのか?と興味が出きて、あぁそう来るのね、と中々複雑なラスト。
終わってから色々と考えさせられて中々腑に落ちない。
これは考察と言うより、それぞれが感じた事で終わらせて良いんじゃ無いかと。
あの戦争の混乱の中食べて行くのもやっとの時代を生き抜いていた時代、ましてや当時弱者の女性、子供がいかに虐げられていたか。
悦子、佐知子、万里子、誰が実在し、誰が空想とかでは無く登場人物全員が存在し、みんなで意識を共有してると私は感じました。
二郎を旦那に持ち、子を授かり、周りから見れば幸せそうに見える悦子ですら、あの時代は女性は下に見られ旦那に尽くすように言われる。
当時、子供を捨てたり、我が子に手をかけたり、子供を取り違えたり、子供をさらったりと、とんでもない時代に生きた人達を描き、復唱になるが、誰が誰と言う話じゃなくて、みんなの意識と体を共有してると私なりに解釈しました。
あと原爆の差別の事を思い出した。
私事なんですが、当時広島の方と知り合いお付き合いする事になった。
付き合い間もない頃、彼女から私の家族は被爆して無いと言われた。
そうなんや、と特に気にする事も無かった。
数ヶ月過ぎ、彼女の実家まで行く用事があり、親御さんと初めてお会いし挨拶して話していると、私共家族祖父母は被爆してませんと伝えられ、そこで気づいた。
その頃すでに戦後60年以上経っているのにもかかわらず、私がそこを気にしてるんじゃ無いかと親御さんが伝えてくれたんだと。
親御さんにそう思わせてしまう自体、まだ暗黙の被爆差別がずっと今も続いてるんだなぁと。
静かな映画だったが、一生忘れる事のない作品でしょう。
解釈
外国の賞に出すためのお手本のような作品
原作は海外でも著名な作家。
出演俳優は実力派を揃えた。
舞台は広島ではなく、ニッチな長崎。
日本は女性の社会参画指数が低い国。
日本は変わる必要がある。
そんな既存の声に寄り添う手間暇のかかったクソ作品だった。見る人全員を馬鹿にしてる。
背景は明らかにCGだし、合成であることは一目でわかる。「手間暇のかかった」のとこも嘘かもしれない。
原作を知らないが、おそらく、信頼できない語り手、叙述トリックを使ったミステリーを映像化したのだろう。困惑しかない。ああ、そういやこいつが語り手やったな、ってならせる余韻がない。小説だと余韻は読み手が作れるけど、映画だとそれができない。
こういうのは裸の王様が作るんだろうなと思う。反面教師にしたい。
面白かった、でも想定外の難解作・・・
観終わっての第一印象は、
“デヴィッド・リンチ監督の『マルホランド・ドライブ』(2001)みたい”だった
決してあんなホラー要素は無いし、精神分裂云々ということではないんだけど、綺麗なお姉さん2人が主役、終始不穏なBGMが流れ続け、薄暗い画も多く、後半のセンセーショナルで難解なストーリー展開というのが何となくあの作品を想起させ、グイグイ引き込まれました
独特な映像世界も楽しかった
特に人物を大写しで捉えたショットがとても美しく印象的、長崎パートは意図的に背景がCGで作り込まれ、異世界に引きずり込まれるという意味ではとても効果的な映像美だったと思う
とにかく広瀬すずさんがすごく綺麗で魅力的、よくあるエセ訛り台詞じゃなくて、長崎言葉がバッチリ合っていてビジュアルも耳も含めて完璧な眼福にとても心地よかった
二階堂ふみさんの演技も良かった、口調やセリフ運びがとてもレトロな演技で相当昔の映画を観て勉強したのかなという印象、素晴らしかったです
その他 吉田羊さんが英語メチャ上手い
松下洸平と三浦友和は何だったんだー!というほどストーリーとの関係性が理解できなかった
おおおおおー
見ごたえのあれ作品
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