劇場公開日 2025年9月5日

遠い山なみの光のレビュー・感想・評価

全422件中、281~300件目を表示

4.5ぜひネタバレレビューは見ずに行ってください。

2025年9月8日
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鑑賞方法:映画館

知的

驚く

斬新

原爆投下からの絶望、復興への希望、願望、そして現実。素晴らしい三人の俳優によるミステリアスな描写。途中からの違和感にハッとさせられました。これは名作ですよ。
ぜひネタバレ見ないで鑑賞してください。

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アマッポ

4.5曖昧が引きずり出す観客との鬩ぎあい、圧巻の広瀬すずに刮目

2025年9月8日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

斬新

 戦後80年の節目を目指したのか、よりによってノーベル文学賞の巨匠カズオ・イシグロの処女作を以って、長崎原爆の残影を描く。脚本・監督・編集を担った石川慶は映画的なアプローチを果敢に攻め、ミステリーの仕掛けを内包し女性の懺悔を温かく。と同時に、親に従うと言う当たり前の概念で遠く日本を離れされられた理不尽を、原作者自身の来し方に重ねることにより生きづらさにリアルを重ねる。ミステリー形式とは言え、隠されたパズルは決して解かれることはなく、むしろ曖昧なまま提示される、敢えて答えを避けることによる深淵を感じ取って頂ければと。文学でなら可能でしょうが、映像で具象として描く作品でそれを実践し成就させた技量は相当なものです。

 この監督の挑戦を確実に支えたのが主演の広瀬すずです。圧巻とはここでの彼女の演技であって、可愛いアイドル女優はあれよあれよで既に大女優の風格に確実に成長しておりました。映画全盛期の頃の映画スターは当然に美男美女であった、スクリーンを注視し続けうる「美」が必要だったから。吉永小百合が引っ張りだこだったのは当然で、彼女に限らず「美」の上に「演技」が花開く。その意味でピークの頃の吉永に生き写しの圧倒的な広瀬の「美」がスクリーンを支配。そのうえで、視線から眉ひとつ口元ひとつ指先ひとつ肢体の僅かな捻り、そして口跡の的確な表現、すべてを駆使して監督の目指す人物をスクリーンに具象化する。素晴らしい「主演女優」に心奪われるってのは本当にあるのですね。来年春の日本アカデミー賞の主演男優は吉沢亮なのは100%で、主演女優は本作での広瀬すずでしょう。もっとも出演作が怒涛の勢いで、続く「宝島」でどう観客を揺さぶるのかまだわかりませんが。

 まるでタイプの異なる二階堂ふみにとっても、最高の魅力を発揮できたのは確かで、スカーフを巻いたキリリとした意思を湛えた明確な美女は目も覚める程。広瀬と二階堂の2人で行動する長崎の陽光輝く光景は戦後の復興目覚ましい勢いを感じさせる。対する1983年のイギリス式庭園の美しい邸宅の光景はしかし日差しがあるにも関わらず、どんよりと薄暗い。実際にまるでライティングを自然光に委ねたような暗過ぎの中で、吉田羊とカミラ・アイコの噛み合わない会話劇によるコントラストが秀逸です。ネイティブスピーカーのカミラ・アイコの欧米風の演技に対し、吉田の重い演技が本作の肝でもある。ほぼ総て英語のセリフをこなし、結局のところ本作における30年間の総括を滲ませなければならない難役を見事にこなされてました。

 対する男役ももちろん、松下洸平も三浦友和も心地よい演技でしたが、何故か浮いたような存在感の希薄を敢えて滲ませたのでしょうね、作品の方向性の必要性から。終戦を境に価値観の180°の転換により戦前の忠心を非難され、激高する主人公の義理の父親(三浦)。しかしずっとロングショットのままの醒めた描写に留め、何事かしらと立ち上がる広瀬の風情の凄まじさ。なんてことないただ立ち上がるだけなのに、起きている事象を涼風のように流してしまう映画的表現に舌を巻く。

 (以下、ネタバレ含む) 解釈もいろいろですが私的には、長崎での佐知子こそが本当の悦子であり、そこで語られる悦子はとりもなおさず、望ましかった自分を理想的に夢想で描写。万里子は景子であって、ニキとは異父姉妹となる。従って前述の男2人の存在の薄さから、すべては悦子の意識の中だけの息遣いでしょう。とりも直さず原爆の直接・間接の影響を忌避したい闇の存在が浮かび上がる。ケイト・ウィンスレット主演の「リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界」原題「Lee」2023年での晩年のイギリス邸宅での庭の描写と、語られる謎も含め、本作と極めて類似する描写に驚きました。

 カズオ・イシグロはノーベル文学賞受賞でも映画への訴求は強く、本作ではエグゼクティブプロデューサーとしても参加。「生きる LIVING」原題 Living 2022年では脚本も製作総指揮も担ってますね。石川慶との接点は知りませんが、望むべき最高の化学反応が起きたのが本作です。日本・イギリス・ポーランドの3カ国合作による国際共同製作ってステージが効いているのでしょう。

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クニオ

4.0よくわからなかった笑笑

2025年9月8日
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悲しい

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コタロー

4.5このたゆたう感じは、カズオ・イシグロの文体そのままだ。 追記

2025年9月8日
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泣ける

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ふくすけ

5.0見終わった瞬間から一日中考察が続いてしまって大変…

2025年9月8日
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知的

難しい

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SunRiseShadow

4.5久しぶりにいいミステリーを観た。

2025年9月7日
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てつ

2.5信頼できない不安に塗りつぶされた過去

2025年9月7日
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鑑賞方法:映画館

主人公視点(一人称)で語られる「殺人事件の犯人が主人公」ってミステリー、小説なら面白くできるけど、映画だと(=映像化すると)めちゃつまらないケースが多いじゃないですか。
語り手の信頼度を落とすことで、客を不安で揺さぶる、いわゆる「信頼できない語り手」。
本作も、そんな作品に似た印象。

語り手の自分(主人公)が嘘をついているというか、妄想を信じたがっているというか。
おそらく「こうだったらいいな」という夢見た過去、目指した姿を、虚実入り混じえて娘(=観客)に語り、そこに生じる謎を"ミステリー"と言われても……

原作未読なので、再現度、忠実度は分かりません。
ただ、おそらく原作小説は語られない事項を増やしてより曖昧模糊とすることで、「人間の記憶の曖昧さ」と「信じたいもので自己の記憶が塗り替えられていく罪深さ」みたいなものを伝えるために、もっと解釈の幅を広げる余地を残し、読者の心理を揺さぶったもののようにしている気がします。
映像化した故に、過去の記憶が具体性を帯びて生臭く、そしてうさん臭くなったような。
ちゃんと原作が読みたくなりました。

石川慶監督は、『ある男』『蜜蜂と遠雷』は好きだったんだけどな……
今回は『不都合な記憶』『愚行録』寄りで、ちょっと苦手。

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コージィ日本犬

3.0難解…

2025年9月7日
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原作を読んで無いのでわかりませんが、
映画はひねりすぎ?足りな過ぎ?
私レベルでは微妙です…

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alreo

4.0嘘、願望、夢、記憶、現実。そして希望。

2025年9月7日
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TS

4.0母の本心を想像する

2025年9月7日
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怖い

難しい

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セイコウウドク

2.5意味わからん。

2025年9月7日
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前半睡眠。途中からしっかり…。しかし誰が誰だか…?。広瀬と二階堂の美しさの競い合い。役どころ以前の広瀬の人柄の良さが現れて見えたのは自分だけか。まりこ役の少女…良かったな。羊さん…ほとんど英語。役者はなんでもこなさなければならぬ。昭和の背景…トヨタセリカ登場…良かったなー。

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Cinemaオタク女

4.0演技力が凄い

2025年9月7日
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鑑賞方法:映画館

広瀬すずと二階堂ふみの演技力が凄いです。
ストーリーも途中、???となりましたが、最後にそういうことか!となり、スッキリします。
作り方がすごく丁寧で上手な映画だと思います。

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とも

4.0あの頃の自分を抱きしめる

2025年9月7日
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泣ける

悲しい

癒される

後半になって、佐知子は、悦子本人だったと判る、悦子がどのように景子という娘を得たのか?
夫の二郎、悦子と二郎を繋いだであろう緒方も、映画のあるエピソードは、真実ではなさそう。こういう暮らしの中で、景子を産みたかったということではなかったか?
自分の生き方を嫌う景子とは、景子が自殺する最後まで、和解することはなかったようである。
 お祭りからの帰りの電車のシーンが一番秀逸、捨て猫のおうちをゲットして喜び、珍しく悦子にやさしい景子。
 その電車の中の母子を遠くから見つめる
悦子の心、悦子は嗚咽していたか。

自分の生き方の犠牲者になってしまった景子に対する贖罪か、でも
当時の長崎の状況、被爆し、頼る者をすべて失った境遇の中、娘を守って、なんとか生き抜こうとすることの過酷さは、想像を絶する。
英国で、なんとか暮らしを立てたのに、
一番守ろうとした景子が自殺してしまう悲しみは、自分の行き方を二度と許されないことが確定した絶望。
それでも、もう1人の娘、ニキには
なんとか、解ってもらいたくての回想、作り話、一人語りだったのだろうと思う。
悦子は、あの頃の自分を、
思いきり抱きしめて、「でも、よく頑張って生き抜いたね」と言ったのだと思う。
遠い山なみを見ながら。

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ハル

4.0光と影

2025年9月7日
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知的

あの原爆破壊から7年、決して癒やす事の出来ないトラウマを隠して、朝鮮特需と高度経済成長で日本は復興に邁進。
暇になった旧い父世代男性は過去を正当化したく、新しい息子世代男性は新しい時代の超多忙戦士。
置き去りにされるのは相変わらず女と子どもだが、どの女も生き延びる為に自立しようと男たちより逞しい。
悲惨な戦後なのに、希望に向かって明るく、若き主人公広瀬すずと二階堂ふみはキラキラ輝いてて美しい。

一方、その後渡英し我が道を選んだ老いた主人公の暮らすイギリスの静かな田舎家は、雨か曇かのトーンで明るさはなく、様々なトラウマの影が朧げに、母と娘の会話も冷え冷えとしている。

その光と影のコントラストが、悲惨な被爆、戦争戦後時代よりも、現代の方が更に生きづらいのだろうかと、(自分もカズオ・イシグロ世代なので)考えさせられた。

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ゲド

5.0本当に辛い過去をどう伝えるか

2025年9月7日
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shinobu999

3.5配役はなかなか良い。広瀬すず、二階堂ふみは巧い。三浦友和はアウトレ...

2025年9月7日
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難しい

配役はなかなか良い。広瀬すず、二階堂ふみは巧い。三浦友和はアウトレイジの時のままのような感じを受けた(苦笑)。ストーリー的に、私には少し合わなかったようだ。勿論、作品自体は良い出来だとは思うけど、自分には合わなかったという意味です。

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toya1008

4.5原作のモヤモヤを吹き飛ばす演出!

2025年9月7日
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原作者であるカズオ・イシグロ氏をエグゼクティブプロデューサーとして参加させ、原作に忠実な写実と、原作にはない要素をバランス良くブレンドした傑作です。
カズオ・イシグロ氏の小説の特徴でもある…読者によって捉え方が分かれる…ある意味読み手の自由度が高い構成は…時に、読後にモヤモヤ感が残ります。それが彼の作品の真骨頂でもあるのですが…捉え方のバリエーションの一つにフォーカスを当て、斬新でミステリアスなストーリーに展開させたのは、脚本の勝利とも言えましょう。
広瀬すずの演技が光ります。「こんなに…演技うまかったか…」と唸ります。また二階堂ふみの圧倒的存在感と美的オーラは、才能でという言葉では表せない。彼女は役者が天職なのでしょう。そして吉田羊の英語が美しく、その佇まいは、当時、外国に移住した日本人の持つ憂いや諦念を描き出します。三浦友和は…やっぱりカッコイイ。アウトレイジばりのど迫力演技は圧巻です。
生き残った者の視点から、原爆後の長崎を捉えています。私たちが気付かされることも多くあり、戦後80年の今年にふさわしい良作だと思います。おすすめです。
ちなみに原作を読まなくても、全く問題ありません。

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愚者

4.0なにしろ色が良くて 追記

2025年9月7日
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またぞう

5.0評価が分かれるようだが

2025年9月7日
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泣ける

難しい

斬新

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360CAFE

4.5あの時私は其処に居た

2025年9月7日
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泣ける

悲しい

知的

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こころ
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