遠い山なみの光のレビュー・感想・評価
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戦争映画と思わせて~
レイトショー強化月間
この作品 ただの戦争回顧映画かと思いきや
とんでもない ホラーサスペンスでしたよ
実は、 三浦友和目当て。
ギャラの嵩みそうな役者の中、
けっこうな分量が割かれていたのも
興味深い。
渡辺大知とのシーンでは戦中の教育者の
心情を 緻密に演じていて、さすがに
一筋縄ではいかない
うーむ。上手いぞ
それと 初見の役者としては 子役の鈴木碧桜が
良かった。
彼女の演技力が無かったら ここまでの
ホラーサスペンス味は醸されなかっただろう。
先月見た「美しい夏」でも感じたのだが
ここ数年 映画制作の中の「カラリスト」の
仕事の比重がとても大きく感じる
この作品も 主に佐知子と万里子の
居住エリア周辺での色調補正・
画像エフェクト&音響効果で
怖さ倍増。
あと 本編ストーリー以外では
匂いたつようなオムレツ調理の
シーン。
あえてだし巻き玉子ではなく
フライパンで作るオムレツ。
なるほど あの時代バイオリンを
習えるだけの資力のある
家庭環境に育ったんだなぁと
主人公の背景が伺える。
※エンドロールでスタッフを
チェックしたら飯島奈美のクレジットが!
もう、すぐわかるよね!
どおりでロンドンに帰る娘に
持たせる瓶詰は佃煮とかではなく
「チャツネ」 !!
この辺も芸の細かさが出ている。
実はこの作品
札幌市内の映画館全てで
(あのシアターキノ・サツゲキでも!)
上映しているというとても珍しいケースだった
こんなことってあるんだな
そんなに 皆が見たがる映画なのか!!
まあ、面白かったけど。
是非、レイトショーで見ることをおすすめしたい
93点☆4.3
今作はとても敷居が高く、完全に理解するには原作を読まないと追いつかない点が多く、軽い気持ちで観るような作品ではないことが評価に繋がらないという点で、残念な想いがある。
ノーベル賞作家カズオ・イシグロの長編デビュー作『A Pale View of Hills』を、石川慶監督(『ある男』で日本アカデミー賞作品賞受賞)が映画化。
主演の広瀬すずは、今年すでに三本の主演作をこなし、本作でも繊細な感情の揺らぎを体現。
謎めいた女性を妖艶に演じる二階堂ふみ、老年期の主人公を重厚に演じ切る吉田羊が脇を固める。
舞台は、カズオ・イシグロの出生地でもある原爆の記憶が残る1950年代の長崎と、1980年代のイギリス。
二つの時代を往還しながら、母娘の絆と秘められた嘘を描き出す叙事詩的な物語。
家長制度が色濃く残り、女性が家庭に縛られていた時代。
戦後復興の兆しを見せる長崎で、主人公・悦子(広瀬すず)は謎めいた女性・佐知子(二階堂ふみ)と娘・万里子と出会う。
佐知子は表向きは軽やかで自由だが、その奥には生き抜くための必死の覚悟と、現状を打ち破ろうとする烈しい衝動を秘めている。
その姿に触れることで、悦子は「自分の幸せとは何か」という問いに直面していく。
一方、1980年代のイギリス。
悦子の次女ニキは、姉の死をきっかけに母の過去を探る。
物語は時間軸を行き来し、人物の背景や時代の文脈が複雑に交錯する。
そのため一度の鑑賞では全てを掴みきれないかもしれない。
しかし、その難解さこそが悦子という女性の複雑な生き様を映し出す装置となっている。
石川監督の演出は、単なる「悲しみを隠す嘘」という枠を超え、あの時代を生きた女性たちの孤独と強靭さを鮮烈に描く。
佐知子の正体、悦子の選択、原爆の傷跡が残る街での暮らし、姉との関係、なぜ長崎を離れなければ行けなかったのか、次女ニキが辿り着いた真実とは。
嘘が明るみになり絡み合う瞬間、大きな愛に包まれ優しい風が吹く。
「どうして嘘をつくの?」と問いかける娘ニキ
それは、もう二度と大切な人を失いたくないから。
壮絶な人生を生き抜いた母の、娘を想う偽りの物語の先に、光を見る。
影の鏡像
Ceremony
ここ最近のカンヌ受賞orノミネートの作品はなーんだか首を傾げる要素が多かったのですが、今作はまだ大丈夫だろうと挑みました。
原作は未読なんですが読んどくべきだったなーと思ってしまったり。
1952年と1982年の描写を映すミステリー的な要素が強い作品で、役者陣の演技も素晴らしかったんですが、いかんせん入り組んだ内容に結構振り回されてしまったなーという印象です。
自分の読解力不足もあるのですが、想像以上に難しくしてるのでは?と石川監督の前作「ある男」でも思った事が頭をよぎりました。
戦後に生きる人々を映している作品ではあるんですが、戦後から7年が経過しており、団地での生活の様子が映されたりするので、原爆で負った体の傷というよりかは心の傷にフォーカスを当てたのかなと思いました。
若い頃に出会った女性と過ごした日常の些細な変化や、その女性の娘との関わりが30年後に繋がるといった感じで、不穏な雰囲気が徐々に繋がって未来へのピースになっていくという構造でした。
展開の点と点が線で繋がった時はハッとさせられましたし、過去と未来がここまでしっかり繋がるのは見事だなーと思いました。
ただそこまでにいく過程が複雑かつ、登場人物の配置が謎だったり、その描写いる?といった感じでややこしくなっているので、ヒューマンミステリーが難しさに拍車をかけちゃったなと個人的には思いました。
そういう直接的な描写では無いというのは重々承知なんですが、猫を溺死させるのはかなーり嫌悪感がありました。
実家で猫を飼っていてめちゃくちゃ可愛いのを知っているので、いくらフィクションといえど殺さんといてくれ…と目を覆ってしまいました。
ここはガッツリマイナスポイントです。
広瀬すずさんと二階堂ふみさんのぶつかり合いはエグかったですね。
ギラッギラ光る視線や、浴びせる言葉の重みなんかが凄まじく、2人の演技合戦に魅せられっぱなしでした。
今作に流れる音楽がめちゃくちゃ良くて、雰囲気とは少し違うロックサウンドが絶妙にマッチしており、現在進行形で楽曲を聴いています。
原作を読んだり、今作の紹介PVなんかも見てから行ったらより理解できたのかなーとは思いました。
単純明快が素晴らしいとまでは言いませんが、空白を埋める作業に徹しないといけないのも中々ハードだなと感じた1本でした。
鑑賞日 9/9
鑑賞時間 11:45〜13:55
解説ほしー!
かなり説明省いてるのか、原作からだいぶ削ってるのか?「解決した」「オチた」感のないラストでした。
これってつまり、あの手に持ってたヒモで佐知子を殺したってことですよね?で、悦子が佐知子になり変わってマリコ(→景子)と共にフランクと落ち合いイギリスに渡ったってことですよね。物腰は柔らかいけどなんだか本性の見えない旦那や、日本や、被爆者である事実から逃げたくなったのかな。旦那と義父の確執、義父の人生、悦子の記憶がないこと、ニキと景子の関係とか、もうちょっとスッキリするところまで見せてほしいところだけど。
でもフランクは相手が誰でも良かったのかね?
あと、悦子と佐知子は劇中にも映ってた小津映画みたいな昔の女性像を意識したのかなって感じだったけど、2人とも童顔だから難しいですね。喋り方も意識してる感じでしたね。しょうがないけど、吉田羊の英語も終始気になった。
難しい
原作未読で何となく面白そうと思って観た。
最初から伏線が色々ありそうだったけど、回収されたんだかされてないんだか。
最後に答え合わせのように2人が同一人物なのだという描写が出てきたと思ったら終わった。
二郎さんの手?
ニキの妊娠検査のシーンいる?
パラレルワールド…?
考えるほど疑問が残る笑
内容は私には合わなかったけど、2時間退屈することはなく、俳優さんたちの演技はすばらしかった。
えっ!?
えっ!?って終わちゃった…
あなたは誰…?
だって、最後、悦子が川辺にすわっているボサボサ髪の女の子(万里子だったよね~?)に「景子」って言ってたよね…
終盤、長崎の街に佇んでいた全身黒い服を着た吉田羊さんは何を表していたのか…?
って訳でパンフレットも買って全部読んだけど答えは出ない。出なくても良い!という事にしよう。
小説を読もう。
読んでもわからないかもしれない。
映画としての感想は、美しい映像だった。
悦子と佐知子の対比が素晴らしい。広瀬すずさんと二階堂ふみさんの演技あってですね。
特に二階堂ふみさんのなんとも言えない独特の雰囲気。凛とした強さ。あの話し方…不思議な感じ…
50年代の団地も佐知子のバラック家もイギリスの家も、細々した所まで作り込んでいて、観ているだけでも飽きなかった。
よく分からなかった
広瀬すずさんファンです。出演作は毎回見てるのですが、何が言いたいのか、よく分からなかった。全体的に暗い画面で正直怖かった。マリコが景子だったということは、実は全部自分の話だったのか、というのは理解できたけど、(だから?)と思ってしまった。私にはこのような高尚な映画は向いてないのかもしれない。
謎は謎のまま置いていかれた
生きたいようにできるか…できないか…
時代的に男女平等なんて言葉は存在してないん気がしたなぁ……
男の言うことが全てな世界、まだ戦争の匂いが少し残ってる世界で立ち上がる女性のこうやって生きたいという欲を感じたなぁ
思うように生きてほしいという事を直接語りかけてくる作品だと感じた
原作読んでないと意味不明
現在のイギリスと回想の戦後の長崎がパラレルに続く。
回想には佐智子という女性とその子の万里子が出て来て、娼婦をしていてGHQのアメリカ兵とアメリカに行く前の話になっているが、最後に実は万里子は自分の娘の恵子だった事が判る。
と言う事は佐智子は自分が作った妄想?
良く解らない。
原作を読んでないと訳が分からない。
Theカズオ・イシグロ
変わりゆく女性は美しい
封印して来た過去の記憶と向き合う事こそが、新しい未来に向けて『私達も変わること』に繋がっていく
人は、誰しも触れられたくない過去の記憶があり、それが理不尽な被爆者への差別や偏見であり、
主人公の『あの頃は一人で立ってられなかったんです』という台詞に込められていると思います。
ニキとの確執や親子関係が、とても丁寧に描かれていて非常に気になる所でした。
幼少の頃から姉に対するコンプレックスがあり、
ピアノが得意な姉を母親は溺愛し、自分に無関心だ
と責めよる場面や姉が自殺した事を隣人に隠す場面では、ニキがこれまでの母親に対する不満をぶつけ
る事により、本物の母娘になれたんだろうなと確信
出来ました。
けいこに対する後悔や懺悔の思いが、複雑に交差しながら恐らく自分でも咀嚼できない複雑な感情に苛
まれてきたのであろうことは容易に推察できます。
辛い過去と向き合う事で、自分自身を締め付けてい
た紐からやっと解放出来たんだと思います。
ラストの何か吹っ切れた様なニキのスッキリとした笑顔が希望が見えて標題の
『遠い山なみの光』とオーバーラップした秀逸な作品でした。
三浦友和翁に最優秀主演男優賞を!
観てきました。原作知らないものを観る派。チラシと予告編の情報だけで期待値高めてましたが、期待以上でした。
久しぶりにスクリーンの二階堂ふみさんを観たけど存在感抜群。広瀬すずさんも二階堂さんに共鳴するような演技でとっても良かった。
そして、圧巻は三浦友和翁!これは助演男優賞来るかって思いました(国宝の横浜流星さんはダブル主演で主演枠でお願いします!主演男優賞はあの、2人で争ってこそよ!)。春ドラマの続々最後から二番目の恋でも相変わらずいい味出していたけど、どこまでいってもいいおじさん、物分かりのいい理想のシニアみたいな判で押したような役ではなくて、過去と向き合って、簡単には過去の自分を否定できない、プライドも覗かせてついには爆発する難しい役を見事に演じていたと思います。
吉田羊さんも全編英語での演技、素晴らしかったし、文芸作品由来らしい重厚な、だけど飽きない佳き映画。カズオ・イシグロさんの小説も読みたくなりました。
それでも、下半期No. 1は、海辺へ行く道 ですけどね。点はこっちが高いのに💦
<追記>
二階堂さんと広瀬さんが美しすぎるのは少し問題だったかもしれません。あのお二人を頑張って十人並みの容姿に脳内変換して観たら、夫やうどん屋の男たちのぞんざいな扱いへの違和感は薄くなったかも…
役者陣は素晴らしい…
長崎で原爆を体験し、戦後にイギリスに渡って暮らしていた日本人女性の悦子。作家志望の娘ニキに長崎時代の体験を尋ねられて少しずつ語りだすのだが……。
1980年代のイギリスの田舎町に住む悦子が1950年代の長崎を思い出しながら語るという形式をとるのだが、その記憶は一見はっきりしているようで、実はぼんやりとした景色(a pale view)の如く細部は何となく誤魔化されている。
その時代の価値観や差別意識などを何となく匂わせながら、でもオブラートに包みながら描く手法は、好きな人は好きなのだろうが、個人的には鼻につく感じで、正直、自分の趣味ではなかった。
欧米人の日本人への見下しや、女性・被爆者・傷痍軍人等への差別など、古い価値観から抜け出せない人々を糾弾したいのならハッキリと糾弾すればいいのに、雰囲気だけ美しい景色で誤魔化していないだろうか?
それでも救いなのが、登場する役者陣が皆とても達者なこと。2時間みるに耐えられるのは彼らの功績が大きいだろう。
路面電車や長崎駅ホーム車両や橋の欄干などがいろいろ変で画面が雑過ぎです。
本筋とは別次元?で違和感がありました。
まず長崎電軌(路面電車)の車両。この時代にこのような明治期のものはありません。
また、国鉄長崎駅のホーム向こう側に停車している車両。どこ?欧州なの?全く当時の日本の客車とは別物でこれはあり得ません。
更に、走り去る路面電車になぜ白色の前照灯が点灯しているのか、、
前照灯は文字通りヘッドライトですから後部になった場合は消灯して代わりに赤色の尾灯を点灯します。これは自動車も同様です。
そして川に架かる歩道橋?にも違和感アリアリでした。
この欄干の模様は1980年代みたいですね。とても戦後すぐにあったものとは思われません。
時代考証が全くなっていません。
団地の台所から居間の間にお弁当などを渡す小窓があるなど部分部分でこだわりがあるのに全体を諦観するとてんでなってません。
そのせいか映画に没頭できず、テレビの安ドラマのような大雑把な製作だなあ、という印象しか残りませんでした。
全400件中、181~200件目を表示
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