「悦子さん… 怖いよ…」遠い山なみの光 Bratscheさんの映画レビュー(感想・評価)
悦子さん… 怖いよ…
観てきました。・・・しかも、2回。
予備知識なしで観たので、最後に「は? え⁉︎」となりまして。
モヤモヤしてたら、妻が同じ日の違う回に行くというので、私も一緒に行って、もう1回 観てきました。
2回観ると、いろいろと伏線があったことも分かりましたし、全体像がやっと見えてきました。
なるほど、深いですね。
”信頼できない語り手”による戦後の物語。
終戦による「価値観の変化」
戦時中の「苦い記憶」
被爆が生んだ「人生の障壁」
様々な事情が絡み合って「ここに居ても希望はない」と、海外移住に望みを託す主人公。
子どもや、子どもが大切にしているものを踏み躙ってでもと渡航のチャンスに縋りつく様は、鬼気迫るものがありました。
そして、イギリスでそれなりの幸せを得たはずなのに…
共に渡英した長女は、それに背を向けて世を去る。
主人公はその責任が自身にあることを認識しているが故に、悪夢にうなされる。
そして、昔のことを次女ニキに語るにあたり、一連の出来事を自分ではない「あのひと」のこととして語ってしまう。
そうでないことは知っているはず。
でも、そうであって欲しい、私のことではないと思いたい。
今の「冷静な私」は、思い出話の中では「常識ある主婦」の視点で一連の出来事を観察している。
でも、本当は…
うん、おもしろかったです。
殺しては…いないですよね?
でも、「いざとなったら」という覚悟をして「川の向こう」にいるであろう景子を追って行ったとは思います。
景子は、邪魔だと思えば子猫を川に流すことも厭わない母が「その覚悟」を持って追いかけてきたことを悟ったから、あれほど怯えた目で母を見上げていたのだろうと思っています。
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