劇場公開日 2025年9月5日

「張られた伏線に鑑賞後もひっぱられる感じ。頭に残るものを整理してみた。」遠い山なみの光 澄守さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 張られた伏線に鑑賞後もひっぱられる感じ。頭に残るものを整理してみた。

2025年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

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澄守
ノーキッキングさんのコメント
2025年9月15日

たしかに、舌足らずでもったいないですね。ニキはただ、姉ばかり贔屓していた訳を知りたかった。よくよく聞いてみれば、母はごく普通に憧れや見栄(ロイコペのティーカップ)があって、音楽教師で教養もあった。決してサイコパスなどではないのだと安堵するのです。実は景子を殺しているというレビューも少なくないのですが、それだと、あの明るいラストに繋がらないですよね。

ノーキッキング
澄守さんのコメント
2025年9月13日

>ノーキッキングさん
なるほど、元々バラック住まいでシングルマザーだったのですか。佐知子の存在上の創作の話かと勘違いしていましたが、記憶を書き換えるのであれば、差別されバラック住まいの方が確かに腑に落ちます。

私の洞察力が高くないだけに、次郎との生活が実際にあったのかどうかわかりませんが(娼婦のような女性が映る場面もあった)異なる時間軸の出来事が同時に存在している状態になっていたとも思いました。(団地での次郎との生活。それから悦子が被爆していることを知った次郎が悦子と別れ、バラック住まいになり出産後は一人で景子を育てていた(?)生活)それとも、それすらも脚色した過去なのか。しかし、英語のクリスマスキャロルを大事にし、実際に渡英もしており教養があるように見えるし、教養があってもうまくゆかなかったのか、それとも次郎までの話は本当なのか、私にはわかりませんでした。

私も、悦子が特別ウソつきと言っているわけではなく、いわゆる心的補償、そうしなければ生きられない人間の性を描いているのであれば、ニキから見た、その歪さ・苦難さがもう少し感じれればと思った次第です。スクリーン上の、そうしなければ生きられないだけのものがあった、という説得力は視聴者の知識と想像力に委ねられ、映像だけでは実感がでなかったように感じたのです。綺麗な表面をなぞっているような。これでは嘘の記憶が定着する整合性がとれず、悦子がただ嘘をついたように見えてしまうと懸念しました。すべてを補完することは不可能ですが、記憶の齟齬は見所に思ったため、少し勿体無いように思いました。

澄守
ノーキッキングさんのコメント
2025年9月12日

渡英以前は、差別されて、バラック住まいのシングルマザーだった。忌まわしい過去を脚色して、脳内に定着させ、ウソの認識すら無くしたのは、ありがちな心的補償なのです。特別、悦子がウソつきなわけではなく、そうしなければ生きられない人間の性を描いている作品だと思いました。

ノーキッキング
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