リアル・ペイン 心の旅のレビュー・感想・評価
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ジェシーアイゼンバーグ監督としてもいい感じ
2025年2月15日
映画 #リアル・ペイン~心の旅~ (2024年)鑑賞
対照的な性格のユダヤ系アメリカ人の従兄弟同士が、亡き祖母の故郷ポーランドで戦争の史跡巡りツアーに参加する中で衝突しながらお互いの理解を深める
#キーラン・カルキン の演技が素晴らしかった
大ブレイクする予感がする
いやー良かったー。 ベンジーみたいな型にはまらない人を惹きつける人...
わかるのよ、どちらの感情も。
最初は2人の特性にちょっとついていけなかったけど、彼らと共に旅をするうちにどちらにも感情が寄り添っていき、どちらの気持ちにも「わかる。」って共感していました。そして彼らの旅が終わったとき、静かに泣いておりました。
キーラン・カルキンは想像をはるかに超えた素晴らしさ!マコーレー兄貴にくっついて出てきた子役時代のイメージが強かったので、いつの間にこんな演技派のイケオジになってたの??って驚きました。アカデミー賞助演男優賞にノミネートされてますが、是非受賞してほしいなぁ。
アイゼンバーグの脚本も秀逸。一つ一つのエピソードがとてもリアル。石を置くことのつなげ方も上手い。
こちらは従兄弟どうしのロードムービーだけど、年老いた兄弟のロードムービーの「ストレイト・ストーリー」をふと思い出しました。あれも良かったなぁ。
ユダヤ系ニューヨーカー、ポーランドへ行く
ニューヨークに住む、中年にさしかかった二人の従弟同士が、大好きだった祖母の死をきっかけに、ユダヤ系の彼らのルーツ、ポーランドを訪ねる一種のバディ映画。一人はIT関係の職について妻と子どもと「普通」の人生を送り、ある種のニューヨークのユダヤ系男性像の典型のような、インテリでちょっと神経質なデイヴィッド(ジェシー・アイゼンバーグ)。もう一人は、独身、職業不明、、、太陽のように明るく天衣無縫、だけど壊れそうなほど繊細な感受性を持つ、ベンジー(キーラン・カルキン)。二人は現地で、強制収容所をはじめ、ポーランドのユダヤ人関係の史跡をめぐるツアーに参加する。全篇にショパンが流れる。エチュード、ノクターン、バラード。
ポーランドの風景といったらそれこそ強制収容所とか、暗いイメージの場所以外になかなか思いつかないが、美しい田園風景や、飾り気がなく西欧に比べれば貧しい感じはあるものの平和な街並みが映されていく。そういえば現代のポーランドの風景をみたのは(ショパン・コンクールの様子を別とすれば)初めてかもしれない。
ガイド付きの観光ツアーだから危険も冒険もないし、珍道中といっても大したことが起きるわけではない。しかしデイヴィッドとベンジーにとっては、このささやかな旅は受け止めきれないほどのインパクトがあることがよく分かる。
アメリカ人である自分たちの人生と、このポーランドで生きていた祖母。強制収容所で、あるいは離散する途上で、生きて死んでいったたくさんのユダヤ人たち。・・彼らの悲劇と苦難の足跡をたどろうというのに、1等車なんか乗ってていいのかよ!そんな客観的な事実や数字だけ聞いてわかった気になっていいのかよ!おかしいだろ!というベンジーの心の叫びが、ダイレクトに伝わってくる。
キーラン・カルキンが素晴らしい。ものすごくチャーミングだけど壊れそうなほど繊細で生き辛そうな、そばにいたらとても楽しいけどその10倍くらい迷惑や心配をかけてきそうな、ベンジー。オスカー(助演男優賞)とってもおかしくない。
旅のリアル
いとこ同士の二人プラスアルファの旅は、眼を見張るような出来事も起こらず淡々と過ぎ、あっけなく終わりました。
それがリアルでしたし、それがために、二人の「内なる旅」とも言える心の葛藤、傷つけあい、慰めあいが、鮮明に、時に激しく、そして爽やかに映し出さられていました。
また、世界が抱える大きな痛みを引き起こした現場へのツアーを一緒に観てまわる感じにさせてもらえた映像は新鮮でした。
他と比べようのない痛みを負った先祖たちを想いながらも、自分たちも生きにくい現代で、ケアしきれない痛みを抱えて過ごしています。自身の痛みに苦悩しながらも、人の痛みに人一倍想像力を働かせるベンジーの姿は、痛々しくもありましたが、多くの人の共感を得ていくのも納得できるものでした。そんな彼を心配して寄り添うデイヴも平穏な暮らしのなかで生きづらさを抱えていましたよね。
個人的には、ベンジーのガイドツアーへのアドバイスはすごくしっくりきましたし、参考になるものでした。
そして旅の終わりには決まって寂しさが付き纏います。それがベンジーの最後の行動につながったんでしょうか。
その後の彼が少し気になる余韻を残す終幕でしたが、何かスッキリした気分で席を立つことができました。
ユダヤはそれほど関係なく精神病の話
深い痛み
仲良し従兄弟のが亡くなった祖母の遺言でポーランドツアーに参加し、ツアーで一緒になった人達と交流しながら、それぞれの持つ痛傷みに向き合う力を見出して行くというロードムービー
デヴィットとベンジー
従兄弟同士の2人の関係
互いに大事に思って愛しやまないが、
一見明るく周りの人を巻き込むのがうまいベンジー
だが、躁鬱なところがあり突然感情的になり周りを戸惑わせヒヤヒヤさせる
明るく人に好かれるベンジーを羨ましく思う反面、躁鬱を繰り返すベンジーに手を焼き、憎いとさえ思うこともあるデヴィット
しかしデヴィット自身も自分の強迫性障害があり、行きづらさを感じているといった2人の感情がよく出てて、物語の抑揚はないがその辛い感情、痛みがよく伝わる
誰しもいろんな「いたみ」があり、そんな「いたみ」と向き合わなくてはならないし、そう簡単なことではないのもよく分かる
それに加えて残酷なシーンはないものの、ユダヤ人の悲劇をも静かに痛感させられる場面もあり、より感情を揺さぶられ心に響く作品に思う
残された者の気持ちは共有出来ない悲しさかな
ユダヤ、ホロコーストから祖母ロス、近い境遇を過ごしても当然異なる感受性の対比に惹き込まれる。ベンジーの今や祖母との時間は描写ゼロ、語りも控えめにして受け手に委ねている部分が想像掻き立てる→物足りなさももちろんある
大切、大事にしていた自分の感情の共有は極めて困難で、他の参加者との部分的共有でさらにクローズアップされたところが切なすぎる。
個人的すぎるが自宅介護をほぼ最期までしていた時、知ったかぶりで共感かけてくる人がいると疎外感を強く感じたことを思い出す。
今作はユダヤ作品ではなくイントロだけと割り切ったと感じたのでそこを重視する方には向かないでしょう。2人のやり取りのカットの切り替わりなどもテンポ良く観ることが出来ました
主役コンビがとてもチャーミング !
(車中行程以外も含めて)ロードムービーは、
スケアクロウ
ペーパー・ムーン
スタンド・バイ・ミー
レインマン
テルマ&ルイーズ
邦画では、
幸せの黄色いハンカチ
とシアターで観た傑作がいくつかありますね。
登場人物のバックグラウンドが徐々に明らかにされ、
道中の連れとの衝突や分かち合いがあって、
万国共通の人情が語られ、笑いと涙。
あぁ人間って・・・
というストーリーだと私の好みです。
本作もその流れで進みます。
あれっ、これまでと違うかなと思ったのが、シークエンスが際立っていること。
ジェシー・アイゼンバーグ、大健闘ではないでしょうか。
「fucking !」を連発するニューヨーカーの代表選手ベンジーは、
ツアー仲間を前に暴言を吐き散らし(誰もが思うホンネか?)、悪態をつきますが、
ギリギリのところで回収をはかり、人たらしぶりをいかんなく発揮します。
他方の神経過敏なデヴィッドはそのプロセスにハラハラドキドキし、
自身の恥部を晒されたように感じて怒りを覚えてしまいます。
主役コンビはいい大人で(一方は髭まで蓄えて)、
それでも、そこかしこの言動や考え方が幼く可愛くてクスッと笑えます。
ベンジーの語る人生観、ホームランではありませんが、
クリーンヒットがいくつかあります(字幕翻訳の松浦美奈さんナイスです!)。
ショパンの優しい調べ。ロケ地の美しい田園、墓地や街並み。
デヴィッドとベンジーに、同い年の従兄弟と私をシンクロし、
今はなき田舎で、仲良く遊んだ子ども時代を懐かしく思い出しました。
ん? キーラン・カルキン助演? キャストロールの最初だったような???
ユニークな作品。ゲップは駄目
ユニークな作品だったが、素晴らしかった。
確かにホロコーストツアーは重いが、ベンジーの明るさ、ユーモアが参加者の場を和ませた。しかし、心の闇を抱えている。
ベンジーとデイヴィドのテンポあるセリフがこの作品を盛り上げた。役者の演技も◎。
ただ、あるシーンでベンジーがゲップをする場面がある。さすがにアレはマイナス。
アイデンティティーの大切さ
「リアル・ペイン 心の旅」と小泉堯史監督作品の「雪の花 ともに在りて」とを比較するのは間違いだと思いながらも比較してしまう作品でした。
両作品とも淡々と物語が進んで行きます。
特に大きな見所はないままに終盤を向かえます。
しかし「リアル・ペイン 心の旅」違いました。
主人公のディビット演じるジェシー・アイゼンバーグとベンジー演じるキーラン・カルキンの演技が説得力がありました。
両作品とも観る前に予備知識は全然学んでいません。
観賞しようとした動機は「リアル・ペイン 心の旅」はポスターに惹かれて、「雪の花 ともに在りて」は出演している俳優陣に惹かれての観賞です。
両作品ともテーマははっきりしていますが「雪の花 ともに在りて」は個々を都合よく繋げただけで薄っぺらく感じました。
「リアル・ペイン 心の旅」はテーマを深掘りしながら訴えていく作品でした。
ラストの空港シーンにはいろいろと考えさせられました。
日本においても同様な趣旨が存在する映画。おススメ。
今年50本目(合計1,592本目/今月(2025年2月度)13本目)。
ユダヤ人、あるいはナチスドイツの迫害や、ほかのいわゆる(他の政策による)迫害に何らかの関連を持つ当事者が、ポーランドを舞台とする現地ツアー旅行に申し込んで当時の面影をめぐる旅行に出かけ、色々な気づきに発見する趣旨の映画です。
このユダヤ人迫害問題といえば、一般的にはナチスドイツと絡めて語られることが多いし(今週でいえば、「ステラ~」があたる)、一般的にはそうですが、この切り口も良かったな、といったところです。
また、映画内において、「当時の迫害を受けた人がこんな1流のツアー等経験できるのではないのに、経験ツアーといはいえ特急の上級席を取ったり、1流の食事店を訪れるのはおかしい」という趣旨の発言で反発するシーンが存在します。このことは、日本は確かにユダヤ人の迫害問題の加害国でも関連国でもないものの、第二次世界大戦を経た日本においては、その被害となった広島・長崎、あるいは沖縄(ほかにもありましょうが、一般的に知られるのはこの3つ)において、修学旅行(あくまでも「学問・学業の一つ」の扱い)や、大人向け観光ツアーでも「その趣旨をある程度考慮する趣旨のツアー」においてはこれらは一定の配慮が必要であることを考えると、それら「特殊な観光地」においては日本においてもかかる趣旨は共通するところであり、一見、日本とは文化やたどる歴史ほかが違ったという事情で無関係と思われる方も多いと思いますが、日本においても上記のような観光地においてはやはり同じような趣旨が妥当します。そしてそのことは、例えば県民や県の出身者においては程度の差はあれ気にするところである一方、日本においては日本人であれば中学、あるいは(事実上の義務教育である)高校まで含めれば常識扱いで、また外国人観光客についてもこれらを観光するツアーにおいては何らかの説明があるのが普通であり、度を越えた行為はほぼ見られない一方(ただし、いわゆる記念碑ほかに落書きをするといった事件は時々報道されるが)、映画内で示されるような「そこで一流の食事をしている状況か?」というような(ある程度、度を越えた)問題提起もある程度理解できる(←広島のそれについても、原爆ドームから少し離れれば歓楽街のため)といった部分は、たどった文化や歴史は異なっても、日本・ユダヤ関係国がたどった事情は一部似た事情があり、その部分において、日本では共感しやすい点があるのかな、といったところです。
映画「それ自体」は完全にフィクションですが、映画内で実際に現地を訪れることや(このような企画自体はしばしば募集されている。史実通り、迫害によって当事者が他国に住むようになったため)、関連する施設、ユダヤ人が当時集まっていた街ほかを訪れる点等は、それらの観光地の紹介について等は史実通りであり、その限りにおいてドキュメンタリー映画の部分も持つ映画です。したがって、映画館でみる作品に何らかの意味で娯楽性を求めるならおすすめできるものではありませんが、今週(2月2週)の中では、1週間遅れではありますが、正規公開日の「ステラ~」との関連として一緒に見るのも良いのかな、といったところです。
採点上特に気になる点まではないのでフルスコアにしています(ただ、映画はこうした真面目な問題を扱っているのに、マリファナがどうだのといった、やや違法性が強い話題に飛ばす点が(映画のストーリーとは関係しない点であり)ちょっと残念かな、といったところです(ただ、薬物に関する法規制は国によってバラバラだし、そこは仕方がないと思える))。
人の居場所って
テーマは重いのに、何故か爽やかで清々しい気持になる、後味のいい名作
主人公2人の内の1人デヴィッドを演じ、本作の監督でもあるジェシー・アイゼンバーグさんの演出が秀逸で素晴らしい
かつて観てきた映画には出てこなかった美しいポーランドの風景や街並み
全体的に静かな中で全編通して流れるピアノの旋律がとても綺麗で印象的
そして一番の見どころは本作にて今年の第97回アカデミー賞で助演男優賞にノミネートされているベンジーを演じたキーラン・カルキンさん、躁鬱かげんや感情を爆発させるあたりなど、演技とは思えない凄まじい迫力に圧倒され素晴らしいです、オスカー獲れるといいですね
アウシュビッツ捕虜収容所内を見学するシーンでは毒ガス室や焼却炉などが生々しく出てきますが、全く悲壮感も暗さも感じず見易かったです
ベンジーがツアーガイドに怒りを爆発させるくだり、「そんな教科書で読めばわかるような解説じゃなくて、現地の人達と会って話をしたり、聞いたりできる時間がある、とかでないとこのツアーに価値はない」といった指摘をするなどヒヤヒヤするシーンも多いけど、とても素直で真っ当な意見、世の中のいろんな事が嘘っぽく見えてとても生きづらさを抱える彼を必死で受け止めようとするデヴィッド、そんな2人のとても切ない心の旅を描く、この先長く愛されていくであろう素晴らしい名作の誕生です
何気に凄い映画
新しい技術や斬新な切り口がなくても、まったく新しい映画は作れるのである。
さり気なく穏やかな小品であるので、この映画の凄さが気付かれないのが心配だ。
ただただツアーに参加して、その短い期間をともにし、そして旅を終わりただただ普通に日常に戻るだけである。
そこにあるのは、どこにでもある小さなトラブルやさり気ない会話だけである。
ベンジーが抱えた心の問題は何も解決した訳でなく、オープニングの空港ロビーとエンディングのロビーのベンジーに大きな変化はないだろう。
ただただ旅の思い出が積み重ねられただけだろう。
ただベンジーがまた苦しみに囚われたとき、その思い出が彼を思い止まらせる解決策ではなくとも、そのひとつになるかも知れないのだ。
人が人に出来ることは、デヴィッドがベンジーに出来ることはそれぐらいのことしかないのだ。
それは悲しく、また愛おしい。
用意された1号車とたどり着いた1号車は同じようで違うのである。
置かれた石は人によっては、ただの石ころであったり、邪魔なものであったり、大事な紀念碑であったりする。
自分たちのルーツを巡る旅を通して心を通わす従兄弟の物語
内容が良さそうであるので鑑賞。
ユダヤ人であるデヴィッドとベンジーの二人。性格が正反対の従兄弟が祖母の遺言に従い、自分たちのルーツであるポーランドのアウシュビッツを巡るツアー旅行に参加する中で、自分を見つめなおし、生き方を見つめなおし、心を通わせる物語。途中ツアー客に気まずい思いをさせたり自由奔放にふるまうが、どこか憎めずムードメーカーでもあるベンジーに困惑しながらもどこか羨ましく思う気持ちもある不器用なデヴィッド。
旅をとおして二人の距離が縮まっていくのだが、特段大きな出来事が起こるわけでもなく、ショパンの音楽をバックにたんたんと綴られているのが妙に心地良い作品となっている。
ツアーの他の参加者も含め、みんな悩みを抱えながらも前を向いて歩こうとしている姿に共鳴できる映画でした。
NYからポーランドへ。時間を遡り共有する旅。
この映画を観る数日前にトランプが、ガザをアメリカが所有し住民を移住させた上でリゾート地として開発するプランをぶち上げた。イスラエル建国以降のパレスチナ難民の歴史、自治区が置かれた経緯や事情を一切無視した暴挙としか言いようがない。土地や民族の歴史や記憶は、個人としての歴史や記憶と混ざり合い、感情や未来に向かっての意志を決定するということがまるっきり理解できないのであろう。つまりエンパシーという素養がゼロということであってこれが狂人でなければ一体何なのか。
さて、べンジーとデービッドが参加するこのポーランドツアーだが実によく設計されている。
収容所はもちろん、ユダヤ人が普通にポーランド人と暮らしていた古い街を訪ね、ゲットーの跡地でワルシャワ暴動の記憶にも触れる。ホロコーストだけでなく、ポーランドにおけるユダヤ人の歴史を簡明に紹介している。バックグラウンドでずっとショパンが流れているのは、ユダヤ人は異教徒として常に排除されるベクトルにあったのではなくかってはポーランドという国家、民族の構成要素の一つであったことを、国を代表する大作曲家の音楽を使用することで表現しているように思える。
ツアーには色々な背景を持つ人たちが参加する。ツアーガイドのジェームズは東欧におけるユダヤ人史を専攻した英国人だし、長らく米西海岸に住んでいて離婚したマーシャ、ルワンダで虐殺を経験したエロージュ、ポーランド移民を先祖に持つマーク夫妻。民族、家族、個人の記憶が交錯する。そしてベンジーとデビッドだが、二人の祖母であるドリーは収容所サバイバーであった。二人は少年時代に祖母に可愛がられ育ったが成人するとそれぞれの人生を歩み、いまや正反対ともいえる生活を送っている。だから彼らの祖母の時代(ポーランドでの)の歴史や、少年時代の記憶や、最近のやや疎遠になった二人の思いが交錯し、それぞれの傷を見せながらツアーの他のメンバーにも影響する。
ベンジーがジェームズに指摘した通り、ツアーはやや史実をなぞりすぎであり現代のポーランドの人達との交流はあまりなかったかもしれない。でもツアーメンバー同士の交流、特にベンジーを皆が持て余しながらも受け入れていくところ、他人の歴史を共有しエンパシーを高めていく効果はあったというべきだろう。
最後に、ベンジーとデビッドがお墓や家の戸口に置く石のことだけど、これは故人への思いとか鎮魂ということもあるけれど、彼らの人生の一区切り、ピリオドと解するべきだろう。他人の人生についてある程度の理解をした上で、自分の人生を先に進めるという決意の表れだと私は理解したのだけど。
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