「【大震災に見舞われた能登半島の人達の為に、ボランティア活動をした若きイタリア人たちの姿を描いたドキュメンタリー。日本人として感謝しかないし、明るく能登の人達に接する彼らの姿を見て涙が出たよ。】」能登の花 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【大震災に見舞われた能登半島の人達の為に、ボランティア活動をした若きイタリア人たちの姿を描いたドキュメンタリー。日本人として感謝しかないし、明るく能登の人達に接する彼らの姿を見て涙が出たよ。】

2024年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

幸せ

■冒頭、2023年10月に能登半島を訪れていた、イタリア人写真家・トマゾが撮った風景が流れる。
 そして、2024年元旦の夕刻、大震災が起きトマゾは、東北大震災の時にもボランティアをしてくれたアドリアーナたちと、能登半島に駆け付ける。

◆感想

・若きイタリア人ボランティアの、明るい表情が印象的である。
 年配の方にも気軽に話しかけながら、イタリア料理を振る舞う姿。
 一日、千食もの食料をキッチンカーで提供している。
 その車に並ぶ、長蛇の列。
 ご存じの通り、15年前までは非常食の乾パンと水が配られていたが、今では米、麺類に非常食は変わって来ている。
 それでも、矢張り作り立ての食事が一番なんだよな。
 イタリアの食事を食べたことが無いという、女性が嬉しそうに食事を貰っている姿。

・トマゾと友人が、被害が深刻な珠洲市を車で訪れるシーン。
 23年10月の光景が流され、トマゾはその伝統的な家屋の立ち並ぶ街並みの中、嬉しそうに車を走らせている。
 そして、震災後に同じ道路を走るトマゾ達。家屋はほぼ全壊しており、助手席の友人は無言で涙を流している。
 オーストラリアとか、地震が滅多にない国から来た以前一緒に仕事をしていた人は、地震が起きると真っ青になっていたモノだが、イタリアは火山国だから地震の被害者に対しての接し方を理解している気がしたな。

■今でも、避難生活を送っている人が多い能登半島地震で被災された方々。
 私は、企業でBCPの責任者の一人でもあるので、正月3日から会社に出勤し、部品調達が可能かどうかを調査し、一方では出来得る限りの支援物資を送る事を決めたが、申し訳ない限りだが、現地には行っていない。

■そして、今年のお盆。宮崎で地震が起き、初めて東海東南海南海トラフ地震に対する臨時情報が発表されたのは、記憶に新しい。
 あの一週間はとても嫌な気分で過ごしたが、正月、お盆と連続して起きた地震に対し、天は非情だなと思ったモノである。

<今作は、イタリア人から見た能登自身に対する対応を描いている点で、とても意義があると思うし、彼らが一生懸命に能登の年配の方々に、炊き出しをしてくれる姿には、素直に頭が垂れる作品である。>

NOBU