バーラ先生の特別授業のレビュー・感想・評価
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バーラ先生に感動
1990年代のインドは、経済の自由化と教育制度改革により、多くの私立教育機関や予備校が設立され、高い授業料で質の高い授業が提供されるようになった。しかしその一方で、公立学校では優秀な教員が私立校に引き抜かれ、低所得者層の家の生徒は家計を助けるために授業を受けれなかったりし、学校が成立しない状況だった。チョーラワラム村の公立校に赴任してきた数学教師バーラは、私立校の実力者などからさまざまな嫌がらせや邪魔をされたが、それに立ち向かい、受け持ちの45人の生徒たちが共通試験で良い成績を取れる様に奮闘した。テランガーナ州の僻地にある公立校で教育状況を改善し、インド政府から国家賞を授与されたランガイヤ・カデルラ氏の実話に基づく話。
インド映画だから、歌とダンスと美人が・・・なんて思ってると肩透かしをくらう。そんなのは有りません。
12年生って日本でいうと高校3年相当らしく、大学入試の共通試験みたいな物なんだろう。インドの数学教育はレベル高そうだった。
90年代のインドは仕事で何度も行っていたから当時の貧富の差やカーストの状況は実際に感じたことがある。
カーストの下層階級の人はどう頑張っても管理者にはなれないとか、提携先の社長が3%のシク教徒(ターバン巻いてる人たち)が70%の税金を払ってるなんて言われてたなぁ、と。
いろんな嫌がらせに立ち向かうバーラ先生が素晴らしかった。
他山の石
教育の機会は平等に与えられるべきと言う信念を訴えていた
実話ベースと言うことで、『スーパー30 アーナンド先生の教室』とか、『きっと、うまくいく』みたいな話かな?と観に行ったら……
私学の授業料がどんどん高くなり、貧富や身分の差が教育レベルに直結するインドの実情を批判しつつ、すべての子供に学ぶ権利と機会が平等にあり、意欲と才能と努力を重ねれば誰でも地位や名誉を手に入れられるという信念を貫いた、伝説の理系教師(数学・物理・化学教師)の姿を描いておりました。
日本の漫画やドラマだと、攻略法や落ち込んだところからの回復などをメンタル面で情緒的に押して、意識の革変を軸に物語を作ることが多いのだが、インドだと政治家や汚職警察の横暴、村の暴力団による妨害などが多く、本作もそのパターン。
森田健作か石立鉄男か水谷豊か山下真司かというような熱血教師ノリに近いが、インド映画だけによく戦い、よく踊ってました(『スーパー30』の命のやり取りほどではないが)。
村の生徒みんなが天才児みたいで、(『ロッキー』の「モンタージュ」みたいに)曲に合わせて授業を受ければするする成績が上がっていくのが嘘くさいような気もしますが、インド国民の計算に関する能力の高さ(コンピューター・宇宙開発関係の科学者の多さ)は実際に有名だから、なんとなくの説得力もありました。
この映画を観て楽しい人もいるとは思います
すべての子供たちに平等な教育機会を与える
1990年代のインドを舞台に公立学校に着任した教師の教育に対する情熱を描いた物語。すべての子供たちに平等な教育機会を与えたい、インドにも子供たちの未来を最優先にした教師がいることに安心しました。
2025-63
直球ド真ん中に豪速球ストレート!
情熱を胸に
「インド映画」へのイメージが変わった
今年映画館で観た15本の映画の中で最高
よその国。過去の話。単なるフィクション。……それだけで すまして?……
2023年製作のインド タミル語映画
現代のインドで、ある青年は廃業するビデオ店で隠されていた録画テープを発見する。青年は数学を志しているが難問を簡単に解説する人に興味を持つ。たどり着いたその人は、30年程前のことを語り出す。
インドで今も根付くカースト意識と貧困から子供達はまともに教育をさせてもらえない。家族も多く、働かなければ生きていけない。逆をいえば働けば生きていける。しかし本当は子供達は勉強がしたい。今のままでは現状は変わらない、勉強で変えることができる。理解してもらえない親に、必要性を説く。
勉強がしたくてもできない。だから学びに貪欲である。ある国は勉強の機会が当たり前で、そのありがたさを知らない。だから、しない事も権利だと思う人もいるかもしれない。
公立と私立の待遇の格差。金儲けとしか考えていない人や悪徳警察も出てくる。30年前のインドが舞台だが、ある国の現状は果たしてどうなのだろう。公立と私立。平等が果たして平等なのか。新たな格差は生まれないのか。
泣ける
あんまり需要がないのか早々に終わりそうな印象だったので、あんまりな作品なのかと思いつつ観たけど結構良かった。
インドの抱えてる根深い問題(カースト制にまつわる問題)をいかにもな主人公、いかにもな悪役役人、いかにもなヒロイン、いかにもな三枚目が演じ、いかにもな終わり方をする。
でも泣ける。
くっそーこんなわかりやすいもので号泣してたら恥ずかしい...と思っていたら隣からもすすり泣き。
インド映画らしい踊りやちょっとしたオフザケありでほっこりもできる。
日本だって金や権力で回っているのだろうけど、インドなんかはもっとわかりやすくそうなんだろな。
ただただの夢物語じゃなくて、ちゃんと権力に逆らう事の怖さも現実として表現されていて、私はとても気に入った。
作中の曲もとても良い。
何かを叩く、殴るシーンの重々しい効果音が印象的。
実際に差別されている人達の抑圧された思いの解放させる意図があるのではと感じさせる。
想定を超える展開
いい先生が、生徒たちを上手に導いていくストーリーってのは今までいろいろな作品があったと思うけど、本作はそのイメージを超えていく。
なんせ、笑いとアクション、もちろんダンスを入れていくので、「荒唐無稽」って感じすらするんだけど、それが良いほうに作用している。
「勉強をしろ」「差別をするな」「親子の絆」なんてことを、まっすぐストレートに言うってのは、イマドキかなり難しかったり、恥ずかしかったりするんだけど、インド映画ならそれができるのね、笑いとアクションとダンスがあるから。
強い男はカッコいい、美人は美しい、なんてハリウッドだとちょっと難癖つけられるようなこともシンプルに楽しめる。
もろもろ複雑化した現代において、子どもたちに語り聞かすおとぎ話や教訓話として、若い人に見てほしい。
もちろん古い人も楽しめる。
インドで先生の映画を作るとこうなるのか!
カースト制度を乗り越えて
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