「伴侶彼氏と愛犬(愛玩動物)の違い」ファーストキス 1ST KISS 寝落ち中尉さんの映画レビュー(感想・評価)
伴侶彼氏と愛犬(愛玩動物)の違い
まず、この作品を心から素直に感動できたような方はこのレビューを読まないほうがいいかもしれません。と、先に書いておきます。
現時点では他の方のレビューなどは全く読ませていただいていない状態でこれを書いているので、さんざん言われ飽きたような事を書いてしまうかもしれません。
この映画作品を観た率直な印象は、「よくできた大衆エンタメ作品だな」ということです。
売る事に専念されて構築されているのがよく伝わりました。
軽度発達障害的な二人が出会い、運命的な出来事の中でもがき、それでも心は繋ぎとめられた。という話だと解釈しました。
運命は変えられないけど、それを可能な限り幸福なものにしたい。という努力自体は素晴らしいことだと思います。結果が同じなら過程なんてどうでもいいだろうというような荒んだ価値観がまかり通るような世の中ですから、なおの事。
日本の映画では、若い時代とそれよりも齢を重ねた後の姿のメイクなり配役が、正直あまり上手くないな・・・と感じることが非常に多いのですが、この作品における松たか子さんと今作のメイクや撮影技術は特に素晴らしいと感じました。ちゃんと20代と中年女性とでハッキリと同一人物だと区別でき同一性も保たれた印象。
作中で、相談というのは話をちゃんと聞いてくれればよくて解決を望んでいるんじゃない、みたいな流れがあったとおもいますが、それは相談ではなく「愚痴」だという私の解釈で、「相談」というのは相手と談話する相互性のあるもので、且つどうすればよいのか相手にも訊ねている行為だと認識しています。言葉の定義や解釈はひとそれぞれ違うところはあるでしょうけど、私個人としてはそのあたりは釈然としませんでした。「愚痴を聞いてくれ(ただしアドバイスは求めていないし、話をただ受けとめて欲しいだけ)」最初にそう取り決めておいたり前置きとして宣言しておけばいい事です。そもそも、そういうニュアンスの意識のズレも擦り合わせられない関係性に陥っていたということでしょうけども・・・。
この作中では主人公の女性に対して、救おうとする伴侶である若い男性と、そしてあまり表面上では意識されないように?かわからないですど、同時に犬とも対比しているように見受けられました。
主人公の女性はなぜか知らないけど犬にやたら懐かれ好かれる体質。そして相手の男性からも同様に「どうしても好かれてしまう」。男性の運命の寿命は15年。そして犬の一般的な寿命も長くて15年。二人の子供についてや妊娠やセックスの話は全くナシで、共働きで経済的に相互に独立性が高い(が、男性側は自身の夢や目標を諦める運命)
いろいろ考えて作られているんだな・・・と感じました。
後でまた追記するかもしれませんが、とりあえずこのあたりで。