花まんまのレビュー・感想・評価
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記憶に関する設定に思うことなど
本作については当サイトの新作評論枠に寄稿した。そこでの切り口や字数の都合上、言及できなかったことをこちらで書いてみる。ラスト近くの感情を揺さぶる部分、涙を誘うシーンについての言及もあるので、未見の方はできれば鑑賞後に再訪していただけるとありがたい。
物語をごく短く紹介するなら、幼少期によみがえった前世の記憶を抱えたまま成人し近く結婚する妹と、早くに他界した両親の代わりに妹を養い見守ってきた兄の話。現在進行形で語られるパートはほぼ映画のオリジナル、回想される幼少期のエピソードは朱川湊人の原作小説に基づく(より詳しい作品成立過程は評論のほうで解説した)。
前世の記憶という、既存の科学では説明できないものの、古今東西いくつもの実例が報告されてきた、ファンタジーとリアルの中間に位置するような事象を扱っている。ファンタジックな大人のおとぎ話と割り切るなら合理性や納得感を論じるのは野暮だが、現実に起こりうるかもしれない話だと考えると、映画で創作されたストーリーで気になる点がある。
気になるのは、記憶と人格をめぐる設定のあいまいさだ。妹・フミ子は小学校に上がる前の頃、事件で犠牲になった20代女性・繁田喜代美の記憶を取り戻した。映画のワンシーンで、危篤の喜代美と母胎内のフミ子が病院ですれ違った瞬間、成仏するはずの喜代美の魂が(手違いで)フミ子の中に移ってしまったと説明される。ただし、喜代美の記憶がよみがえってからも、それまでのフミ子としての記憶を保ったままなので、フミ子の人格のなかに自身の記憶と喜代美の記憶が並存していると考えるのが自然だろう。
比較対象として、村田椰融の漫画でドラマ化・アニメ化もされた「妻、小学生になる。」が参考になる(次の段落以降で結末に触れるのでご注意)。10年前に妻・貴恵を亡くした主人公・新島圭介の前に、貴恵の生まれ変わりだという小学生の白石万理華が現れる話。万理華のなかで自身の人格・記憶と貴恵の人格・記憶が切り替わる設定で描かれていて、万理華が自分の人格を取り戻すと、目の前にいる圭介が見知らぬ大人に映っておびえてしまう。旧呼称の多重人格障害、現行の用語で解離性同一性障害に近い状態と考えるとわかりやすい。
これら2つのストーリーは、エンディングに向けて似た経過をたどる。映画「花まんま」では、結婚を控えたフミ子のなかで喜代美としての記憶が薄れていく。「妻、小学生~」では、万理華のなかで貴恵の人格でいる時間が次第に減っていく。
どちらのストーリーでも、ラスト近くで前世の魂は現世の肉体を離れ、それとともに前世の家族との記憶も失われる。「妻、小学生~」の場合、人格・記憶が切り替わる設定であり、貴恵の人格のときに経験した記憶を万理華は知らないため、この結末はより合理的で、納得感がある。だが一方、「花まんま」ではフミ子の人格のなかに自身の記憶と喜代美の記憶が並存している、つまり成人してから繁田家の家族に会いに行ったことなどもフミ子の人格が記憶しているはずなので、喜代美の魂が失われたからといって繁田家に関するすべてを覚えていないのは整合性の点で難がある。おそらく映画の作り手は花嫁のフミ子が喜代美の父を見知らぬ来賓として接するくだりを、涙を誘うシーンとして描いたはずだが、記憶と人格をめぐる設定のあいまいさが引っかかってしまうのだ。
これは私見で、好みの問題でもあるが、映画オリジナルの創作パートで、フミ子のフィアンセがカラスと会話できるというジャンル違いのファンタジー要素を足したりせず、魂の転生と前世の記憶という原作小説から引き継いだ主題をもっと深掘りするべきだったと思う。朱川湊人の短編集「花まんま」に収められた各話はおおむね、身近な人を亡くした登場人物らが不思議な経験をする話、死者の霊や魂の存在を示唆する奇譚だ。原作で示された死生観を映画がさらにつきつめ、観客に命や人生について新たな視点で向き合うことを促すような展開になっていたらと惜しまれる。
とはいえ、そこらあたりを深掘りしすぎると、観念的で難解になり、大衆受けせず興行的に振るわないリスクも出てくる。多額の資金を投じて製作する以上、より幅広い層が感動しやすい話に仕立てることが優先されたのだとしても、それはそれで理解できる。長々と書き連ねたが、つまるところ、好みは人それぞれなのだ。
これは泣けます
泣けます。冒頭から子役2人の演技が上手で( ⚈̥̥̥̥̥́⌢⚈̥̥̥̥̥̀)兄やんがほんとにやさしい。もうここで涙腺ウルウル。妹の一生のお願いに何度も翻弄される。お花の弁当箱、食べられない父のため弁当箱を託された兄やん。やさしいなー(泣)
結婚式のシーンは兄やんの妹思いの愛の深さ、花嫁姿がきれいすぎて、親目線で見てしまい、また涙。ウイカさんとの掛け合いもよかった。ウイカさんきれい。兄やんに気がある?
ほんとは好き?かな?
たしかに人は誰かの生まれ変わり、魂は過去の誰か、他人かもしれないし、親戚かもしれない、現世を生かされていることに感謝して自分の使命を考えながら日々を生き、誰かの役に立てればいいかなーと思いました。
一生のお願い
結婚間近に命をおとした女性に
転生された少女の話。
ではなく
亡くなった娘の転生先の少女に
勇気づけられ、やがて
成仏していくのを見守る父親と
その少女と兄の物語 かな
ストーリーの要が
タイトルと
こんなにしっくりハマる作品は
素晴らしいと
思います
途中までは、
まぁほのぼのはしてますが
本作の魅力が不明で
繁田家の繋がりが謎
で少しいらいら、
はぁ不発かなと
思いかけるのですが
フミ子と繁田の繋がりが
見えてくると
そういうことかと。
だんだん
涙腺が怪しくなりました
本作は、
兄役の鈴木亮平さんの演技や
結婚式のスピーチも
いいのですが
一番刺さったのは、
結婚式終了後の見送りで
フミ子の中にいた娘が
成仏したことがわかった
酒向芳さんの
ふるまいでしょうか
お祝いの言葉だけを残した
彼の誠実な態度に
言葉に出さない溢れる感情に
圧倒されました
フミ子の中に娘を見つけたのも彼
消えたのを静かに認めたのも彼
もう、
父親の事は
記憶に残っていないと思わせて
電車の中での贈り物は
最高でした。
女子の一生のお願いは
何回までありなのか
クスっとした微笑みと
奥深い愛情いっぱいです
おすすめ
ツッコミどころもあるけど、号泣、、
原作未読。
最初の兄と妹のシーンで、両親一度に事故で亡くしたのかと思ったら違うのね
この後も2人揃って車で出てくるから違和感。
兄、そこまで妹の結婚に反対するかなー?
でもまあ、昔ながらの昭和な感じなのかな
なかなか素直におめでとうって言えないけど、
妹思いで寂しさもあって認めたくない気持ちとかの葛藤もあるのかな
夢で両親と話して、認めるところとかかわいいです。
2人の大阪弁はちょっと違和感。
2人とも兵庫だけど、大阪とまた違うからかな
妹には実は別の記憶があって、、
子供の頃に2人で彦根まで行くシーンよかった
話したらダメという約束を守って、花まんまを兄から繁田さんに渡して、逃げてくるんだけど、繁田家族が駅まで来るところとか、この辺からずっと涙が止まりませんでした。
ここに出てくるつつじ公園、テロップ見ていたら京都の蹴上浄水場のところでした。行ったことあるけど気づかなかった!
有村架純ちゃんが、つつじの中にいる姿がめちゃ可愛かった。
で、小学生だった子が、いつから住所知って文通し始めたんだろうとか思ったけど、記憶があるから覚えてたのか。
でも郵便局止めにするとか普通わかんないよね?
少し大人になってから始めたのかなあ、、
多分色々カットされてそうなので、原作も読んでみたくなりました。
鈴鹿くんがカラスと話せるという設定、おもしろい。
そして本当に話してるように見えるのなんで?どうなってるの?
大学の先生ってことだったけど、大学で知り合ったのかな、、2人の馴れ初め何も分かりませんでしたね
結婚式はツッコミどころ満載すぎた、、
大阪から彦根まで車で行って戻ってきて、着の身着のまま連れてきてて、もう式始まるところで着いてるのに、みんな着替えてる暇ないでしょ、、
家から用意してたやつ持ってきた?
でもどんなに頑張っても15分とか押すよね、、
式はまだよいとしよう。
披露宴の席、3人も当日追加、しかも親戚テーブル、、
料理とか引出物まで無理じゃない?
そんなことを思いながらも、泣いてましたが(笑)
前もって考えて練習していた挨拶を、やっぱやめた今の自分の気持ちは違うから、その時に聞こえてきた声は亡くなったお父さんかな? そこから話し出す感じはとても自然でよかった。
小さい頃のことばかりだし、今のことが入ってないのが気になるというレビューもあったけど、やはり子供の頃の記憶の方が強いと思うし、それだけ大事にしてきたんだろうなとは思いました。
式のあとで、繁田のお父さんに「どこから来られたんですか?」とここで聞く?普通「来てくれてありがとうございます」だろーというのはあったけど、、まあそれを聞かないと忘れてる感じが出せないからなんだろうな。むりくり感はあった。でもお父さんのえっ…という戸惑いから気持ちを切り替えて見送ろうという優しさがとてもよかった。
オール阪神・巨人の2人とかウィカちゃんとか、もろ大阪の人情的な感じもあって、久々に見てよかった。
感動しました
花まんまのお弁当を仁さんに出した時、これは喜代美のやり方だ、という仁さんのセリフに一気に感動して涙溢れました
仁さんにとって何よりもの慰めになったのだと思います
優しい繁田家に優しい加藤家。
両家の繋がりは癒されました
後フミ子さんの婚約者がカラスと話せる設定でカラスと話しているさまが面白かった。
カラスナビが一番面白かったなぁ
子役時代のフミ子ちゃん可愛かったです
ユニバに行ったり習い事に行ったりでなかなか見たいとおもっていたけど見に行けなくてようやく見に行けた…
良かった。
ファンタジー色が
思ってた人間ドラマよりファンタジー色が強め。
兄妹2人を中心に描くのだが、その中で夢や子供時代を挿入するのだけど、それぞれ印象の違う映像を見せられるため感情を動かされることがなかった。
また結婚式のスピーチが最大の見せ場で辿々しい兄貴のスピーチで盛り上がりを出そうとしたのだろうけど、それまでに紡がれた兄妹や周りの方々との関係性を、積み上げる過程を入れ込まない状態なら観てるこちらの感情は置いてけぼりになる。
大人になった現代部分のみで描いた方がもっと親近感が湧いた様に思えた。
タイトルなし(ネタバレ)
大阪の下町で暮らす加藤俊樹(鈴木亮平)とフミ子(有村架純)の兄妹。
両親を早くに亡くし、兄・俊樹が妹を育てて来た恰好。
結婚を目前に控えたフミ子は、ある日、琵琶湖畔の一軒家を訪ねた。
彼女には、ある秘密があったのだ・・・
といった物語で、ファンタジー仕立ての「花嫁の父」もの。
実際は、兄だけど。
ある秘密は子ども時代に由来するもので、映画では子ども時代のエピソードが長く挿入される。
それらが、全体的にまだるっこしく、観ているうちに興味を殺いでしまう。
映画自体の面白さは少ないが、出演陣に良いところが多い。
主役のふたり、鈴木亮平と有村架純のネイティブ関西弁が良い。
特に前者は口跡が爽やか。
ただし、衣装は冴羽リョウかと思ったけど。
(絶対狙っている)
また、お好み焼き屋の娘さん役のひと、はじめて見たけど、うまいねぇ。
ファーストサマーウイカというのね。
知らんかったけど。
ファーストサマーというコンビのお笑いのひとかと思いましたわ。
(昨年のNHK大河ドラマで注目されていたらしいが、観ていないので)
映画的には、ベタな標準作といったところかしらん。
役者さんが良いよなぁ
地元がロケ地というだけで、ほぼ予備知識なく映画館へ。
良かった、想像以上に良かった!
ストーリーとしては珍しくない感じではあるけれど、これは役者さんの演技力が物を言う作品だなぁと感じました。(いや、ストーリーもとても良かったけど!!)
鈴木亮平、有村架純、素敵でした。
繁田のお父さんのバージンロードのあの表情、ダメです、泣きます、泣きました。
兄やんの不器用だけど真っ直ぐな姿、スピーチ、刺さります。ふみこの高砂での涙、ため息出るほど美しく、もう!有村架純の演技大好きなの!!
拍手!て感じです(語彙力)
オール阪神巨人の御二方も、ファッサマも演技上手くて楽しかったなぁ。
登場人物みんな優しくて心が温まる作品で映画館で観れて良かったです。
泣けたけど…う〜ん…???
フミ子の人格や記憶と喜代美の記憶は共存していたのに、結婚式を境に、喜代美の記憶に加えて、その周辺の記憶までごっそりなくなってしまったのは何故なんだろう。
といった設定面での疑問を踏まえた上で…
繁田家の家族は、フミ子とはじめて出会った時から、フミ子が喜代美とは別の人物、人格であり、フミ子としての人生を歩んでいくことを充分に理解していたと思う。
そのうえで、フミ子と、フミ子の中の喜代美とを大切にし、時に自分たちが生きる寄す処としていたのだろう。
フミ子からの結婚式の招待を断り、温泉旅行に出掛けようとしていたのは、おそらくフミ子とのつながりが終わることを予想して、別れの寂しさを紛らわすためだったのでは?
そして、そんな繁田家の家族の思いを理解していたからこそフミ子は、「(喜代美とともに在った自分を)覚えていて欲しい」から、これまで送った自分の写真を「繁田家で持っていて欲しい」と言ったのだ。
それなのに、「兄ちゃんからの大きなプレゼントだ」と言って、静かな別れを選んだ家族を結婚式に連れてきてしまった俊樹…。
披露宴のお見送りのシーンで、繁田家のことを忘れてしまったフミ子に「どちらからいらしたのですか?」と尋ねられた時の、繁田家の家族の表情…俊樹はあのあと、後悔の念に苛まれたりしなかっただろうか、と心配になってしまった。
原作を読んだら、私が感じたのとは違う心理描写があって、別の感想を抱いたのかなあ。
他にも、ウェディングドレスを選ぶ日程、ギリギリ過ぎじゃない?とか、いきなり3人も列席者が増えて、披露宴の食事、足りたのかな?とか、CGが安っぽかったりとか、過去パートの描写(通行人とか小道具とか)の時代設定が甘いとか、突っ込みどころも満載。
ともあれ、役者さんの演技はすばらしかったです(誓いのキスを見るまいと目を逸らした鈴木亮平さん、心の動きを表情で見事に表現していた坂向芳さん、さすがです!)
スピーチがとても素敵でした
出演者と予告で気になってた映画で鑑賞しました!
大阪の下町で暮らす二人きりの兄妹・俊樹とフミ子。
死んだ父との約束を胸に、兄として妹のフミ子を守り続けてきた俊樹は、フミ子の結婚が決まり、やっと肩の荷が下りるはずだった。
ところが、遠い昔に封印したはずの、フミ子の〈秘密〉が今になって蘇り……。
フミ子には幼少から別の女性の記憶があった。
「生まれ変わり」のようだがフミ子の存在は確固としてある。
フミ子が生まれたときに、若くして事件に巻き込まれ亡くなった女性の心が移っていたのだ。
それから22年―、結婚式の前日、フミ子が隠し続けてきた事実が発覚する――
というのがあらすじ!
この映画は予告ぐらいしか情報なくて観に行きました!
そしたらまさかカラスと会話する人が出てくるとは…笑
ちょっと笑えて面白かったです!笑
感情がちょっとグラグラしましたけど笑
伏線やタイトル回収もよかったです!
名刺がまさか役に立つとは思わなかった〜
結婚式向かう途中に荷物で道塞がれるわホテルを間違うし!
フミ子の言う通り間違えましたね笑
あと花まんまは花でお弁当作ってるからそう言うんですね
お花のお弁当は綺麗だと思いました…
最後も花まんまが渡されてましたしそこで感動しましたね
結婚式では有村架純さんがとてもお綺麗でした😊
そしてスピーチが良かったですね!
朝の情報番組で確か監督とアドリブで作ってるっておっしゃってた気がします…
だからか気持ちがかなり伝わってきましたね☺️
ここでもかなり感動しました…
最後はフミ子はもう喜代美の記憶が無くなっててまさか繁田家まで忘れるとは…
てっきり喜代美さんの記憶だけ無くなって繁田家のことは覚えてるものだと思ってました
でも名前も家も思い出せなくなってるって言ってたからそうなる運命だったのかもしれませんね🤔
前世?の記憶というか違う人の記憶があるみたいなことはテレビで観たぐらいでそんなことほんとにあるのか疑問なんですけどどんな感じなんでしょうか?
実際にそんな人がいるのか見てみたいです
この映画はとてもよかったと思います!
ファンタジーのシーンは笑えましたしその他ではとても感動しました!
そして登場人物がみんな温かくて素敵でした…
感動するいい映画をありがとうございました😊
令和最悪(今のところ)の涙腺崩壊劇
転生娘との再会とか披露宴のスピーチとか、泣かせどころやオチがわかりきっていてもやっぱり泣いてしまう。全編コテコテの関西弁、そしてそれを演じきれる役者さんじゃなければ逆に白けきっていたかもしれない傑作でした。
死生観云々言う人も多いですが、一番のテーマは「子を失った親」と「親を亡くし家族を背負う子」、本来相対することのない対照的な二つの心情が「転生」という非現実によって衝突し葛藤することだと思います。そこは死者ではなくて、不幸の中で現実を生きる人間の生々しい姿があくまで主役だと思います。
その子供の頃の衝突が、軸となる娘=妹の結婚というイベントによって再度ぶつかり合い、それが主人公たちの親離れ・子離れのストーリーとして織り合い止揚していく様が強く胸を打つのでしょう。
死生観云々言ってる人は、フィアンセがなぜ「カラス」の研究科でありカラスと対話できるのか、なぜカラスは最後に役に立たなかったのか、それくらい掘り下げて欲しかった。
原作では結婚式までは描写していないですが、映画ではエピソードまで描写しており、わかりきったコテコテの展開でしたが映画のアンカーとして見事にトドメを刺されたようで無事涙腺崩壊?放解しました。
心を軽くしてくれるコメディタッチの感動作
本作は、ファンタジー要素少々のコメディタッチヒューマンドラマ といったところでしょうか。
お腹にいる赤ちゃんと消え行く命がすれ違っただけで、記憶が乗り移るとは受け入れ難い設定。(前世の記憶がある、と言うのならまだしも)
それでもファンタジー過ぎず、コメディ感も強いので次第にスッと馴染んでしまう。
鈴木亮平さんの演じる俊樹が愛すべく熱血単純の昭和キャラで、少し大袈裟に言えば釣りバカのハマちゃんみたいな感じ。
そして芯が強くしっかりもので、大人びた妹の有森さんとの相性ぴったり。
すごくハマり役だった馬場園さん、ウイカさん。馴染み過ぎてて気づかないほどのオール阪神巨人。
繁田家の存在を強く印象付けた緑子さん、六角さん。
この配役が良くて、ユニークな世界観となったのでしょう。
極めつけはカラスとの鈴鹿さん。
後ろのおばさまが、カラスとの絡みで必ず我慢した笑い声を響かせるものだから、自分も会場全体もつられて笑ってしまって。
頑張って生きてきた辛さ、逞しさ、思いの深さに感動し、兄貴の結婚式スピーチで号泣と、まさに忙しく泣き笑いの2時間でした。
原作を読んだり下調べせずに鑑賞したのは、かえって、固定観念がなく良かったと思う。
ひとつ、最後まで気になり続けたのが設定年代。
子供時代が昭和30~40年代初っぽいですよね。
髪型やバッファローズのキャップや、宝の缶とか。
(貯金箱のお札は伊藤博文じゃなかった)
スマホが上の年代まで浸透している背景から、結婚式が2015年頃としても、30年前ってまだ昭和60年代なんですが…。
心が温まる「不思議な世界」。
映画のクライマックスであるフミ子の結婚式がとにかく感動的である。その要因としては、映画の冒頭から色々仕組まれてきた伏線が、ここですべて納得できる解決がされていると感じるからだろう。そして登場人物が、今まで抱えてきた心の苦しさから解放されて「心の浄化」や「救い」みたいなものが演出されているので、そのことに観客は満足を得るだろう。
話の構成で言えば、本来何の関係もなく交わる事のないはずの2つの家族を、不思議な縁で結んで心が洗われるドラマに仕立てた手際の見事さに感心する。生まれてきたばかりのフミ子に、死んでいく喜代美の心が乗り移るという一種のファンタジーである。この不思議な想像の世界が、単なるヒューマンコメディを超えた魅力になっている。フミ子は自分の心の中に生きている喜代美を大切にして、この現実を素直に受け入れて向き合っている。他人に心を乗っ取られたりしたら、普通なら拒絶したり迷惑がる所であるが、フミ子は違う。喜代美の父仁と手紙のやり取りを続け、自分の写真を送り成長の報告までしている。フミ子が父を知らないから喜代美の父を慕っていることになっているが、それでもこんな心根の優しい人はいない。兄俊樹は父から妹を託されて、自分が守らなければいけないとの責任感が強すぎて、とにかく妹のために頑張ってきた。「兄貴は損な役割だ」というのが何度も強調されている。そんな妹が、知らない女性のために知らない家族に心を寄せていると知って、裏切られた気になるのも理解はできる。一方の繁田家はフミ子が喜代美であることを素直に受け入れてフミ子の成長を見守っている。これも現実にはあり得ないことであるが、コメディ的でとても面白い。父仁は娘の幸せを見届けられなかったことが大きな心残りで、フミ子に叶わなかった自分の思いを託している。
俊樹が繁田家の人々を結婚式に連れてきたことは、今までの態度から考えると本当に大きな心の変化である。自分を犠牲にしてまで妹を守ってきたという苦しさから解放されて、フミ子の気持ちを受け入れ、全面的に結婚を祝うことができた。喜代美の父仁は、娘が果たせなかった結婚をフミ子が替わりに実現する場に立ち会えたことで、今までの苦しさから解放された。
登場人物がすべて心の優しい気持ちの良い人ばかりである。見終わって心が温まる。そして鈴木亮平、有村架純、酒匂芳の素晴らしい演技に感謝したい。
花まんま、意味がわかると納得〜👌
先日鑑賞〜‼️
泣き映画かな〜っと興味とファーストサマーウイカ様が出てるのに惹かれて鑑賞もあるかな(笑)。
とにもかくにも映画全体的に兄妹愛が凄いってそういう映画だからなんだけど、フミ子を思う兄の愛情全開で良かったです☺️。
俊樹がフミ子の結婚式前日に駒子の店に行って酔い潰れてしまうのだがその前に駒子に平手打ちくらって朝、店を出る前に残した手紙を読んで嬉しそうな駒子が可愛いくて、幼馴染だからこれ絶対俊樹の事好きやんって(笑)、本編とは違う2人に胸熱もなりながら、兄妹を見てました😆。
そんなシーンもあってか有村架純さんもウエディングドレス綺麗やったけど、ファッサマさんのがめちゃ可愛いかったです☺️(個人的にですが)。
後さりげな脇役にオール阪神・巨人さんも社長と駒子の父でいい役やって印象に残ってます。
泣ける事は私的には弱い部分はあったのですが、「花まんま」の意味やその時のお父さんの気持ちを考えたらウルウルてしました🥹。
兄やんのスピーチに感涙
原作未読。鈴木亮平さんと有村架純さんが演じる兄妹が、すばらしかった。兄やんは、本当は妹と一緒にバージンロードを歩みたかったと思うけど、繁田の親父さん(酒向芳さん)に譲るのが良かった。(有村架純のウェディング姿綺麗です。)兄やんのスピーチには感涙。実際の披露宴であのスピーチの場面に居合わせたら、大泣き💦😭💦したと思う。脇をかためたオール阪神巨人さん、キムラ緑子さん、兄妹の母親役の安藤玉恵さんもすばらしい。以前は嫌な役が多かった酒向さんが、娘を亡くした父親役をうまく演じていました。お好み焼き屋「みよし」の駒子役のファーストサマーウイカさんは初めて知りましたが、兄妹を陰でしっかりサポートしていたと思います。こういうお好み焼き屋さんがあれば、常連になりそうです😅。
美しい映画であり、涙も出た…が
流れるようなストーリーでスッと心に入る感じは心地よく、ラストに向けては涙がこぼれ出た。
けど、いまいちスッキリしない…なんというか、美味しいんだけど肝心なとこを市販の調味料に頼っちゃったスープみたいな…
要はもうひと手間あってほしかったなぁ、と。
具体的には、話の軸であるフミ子と繁田家の関係をもう少し身近なこととして感じたかった。(憑依とか生まれ変わりとかだけで済ませず)
例えば、太郎がカラスと喋るくだり(あのシーン好きw)のような、あり得そうであり得ない科学以上超常現象以下のゾーンでまとめられていると、「いやいやそんなこと…あるかも…」てな気分に終始浸れて別方向でも楽しめた気がする。
まぁ原作があるので難しいだろうけど…
もう一点少しモヤっとしたのが、客観的に見て俊樹の言っていることはすべて『ド正論』なのにたくさん責められてしまうところ。
もうちょい俊樹派がいてほしかった。
良かったのは式閉会後にフミ子が繁田家の記憶を無くすシーン。きっと賛否あると思うけど個人的には『忘れたふり』だと解釈。
「これからはそれぞれの道を歩きましょうね」というフミ子なりの優しさであり、それがラストの『花まんま』に繋がっている、と。
ただ、そうなると太郎さんのこれからが大変だろうなぁ…それだけしたたかな人ということだから(笑)
冗談はさておき、とにかくラストはきれいに締まる見事な着地でした!
出演者の方々はさすがの安定感!
特にファーストサマーウイカさんの演技が良かった!
亮平さんの関西弁がちょっと怪しかったかなw
前述のような物足りなさはあれど、全体的にはよき1本だと思います。
人が人を思う気持ちって美しいものだなあとあらためて感じさせてもらいました!
芝居で魅せる
「花まんま」というタイトルとか、兄妹の話だとか、最初は普段自分が観たいと思う映画ではないなと思っていたんですが、妙に評価が高かったのが気になって観ました。
で、その理由がわかりました。ほとんど予備知識なしで観ましたが、内容は荒唐無稽なファンタジーということが分かって、普通なら「ふーん」という感じになる類いの映画だったんですが、役者さんの芝居が上手いので引き込まれました。鈴木良平の最後のスピーチの芝居はすごいですね。様々な感情が入り乱れる状況で次から次へと色んなことを言いますが、すごく自然でした。もし実際に同じ状況の人がいたとしても、あんなに上手くしゃべれないだろうという気がしました。あれは台本通りなのでしょうか。
何故「花まんま」というタイトルなんだろうとも思っていたんですが、それがないとストーリーが成り立たないんだということもよくわかりました。観てよかったです。
よきかな
不思議な設定ですが、なかなか素敵なお話でした。最後記憶消えちゃうのは切ないですが。。
鈴木亮平がさすがすぎますね。おにいちゃんにしか見えない。有村架純もサバサバ系でしたが、相変わらずかわいく、結婚式シーンはあまりしゃべらない中でしたが、おにいちゃんとの関係性がよく伝わる泣き方でした。あとはやっぱ酒匂さんですね。役作りでちゃんと痩せたり太ったりしてますよね、、出てくるたび素敵な演技でした。
カラスと喋れたらすげーなぁ。
人と人との関わりにおける心の動きが見事に描かれた人間ドラマです。家族愛・兄妹愛・親子の愛。様々な愛情の形が、とても丁寧そして繊細に描かれた秀作です。
鈴木亮平さんも有村架純さんも最近余り観てなかった気がする
ので、この作品は気になっていました。・_・ ハイ
そして作品紹介をよく見てみると、この二人の初共演とのこと。
これは観てみなければ、と言うわけで鑑賞です。
鑑賞終了。
うわー。これはもう何とも
良い作品を見せて頂きました。 としか言えない・△・ウワー
というのが正直な感想です。
主演二人の行動はもちろんのことですが
二人を取りまく人達の胸の内がひしひしと伝わってくる
素晴らしいヒューマンドラマに脱帽です。
登場する人たちの、行動に及ぶ心の動き。行動の背景。
そういったモノの描き方の、何と繊細で細やかなこと。
過去に観たヒューマンドラマの中でも、最高の作品の一つかも。
と、高揚感に溢れた状態で帰宅しました。 @▲@
で。帰宅後、少し冷静に ・-・
良い作品だったなぁ との評価は変わりません。
鑑賞前、もっと オカルト風味の作品なのかとも思ったのですが
そうではありませんでした。
笑いのツボも散りばめられていて、登場人物の心理描写にとても
優れている作品だったと、改めて認識しています。 ・_・ハイ
最初から最後まで、感情を揺さぶられました。参りました。
文句なしの 星5つ 。(久しぶりかも?)
この作品、特に娘さんのいる中高年男性には刺さりそうです。
刺さりそうなキーワードがあちこちに散りばめられてます。
どれか一つに引っかかったら、もうダメです。
# 両親亡き後、妹の面倒を見続ける兄
# 結婚を間近に控えた娘を亡くした家族
# 妹が兄には内緒で行っていた行動の理由
# 徐々に消えかかっているもう一人の記憶
# 兄妹を心配し見守り続けた居酒屋の娘
泣ける作品 と世間に言われる作品を観ても、感動はしても泣くところ
までには至らないのがほとんどなのですが、この作品にはやられました。
心の奥底の方から自然と水分が染み出してくる、そんな感じで…。
一番後ろの席で、かつ隣に誰も居なくて良かったな と ・-・
◇
この作品
鑑賞中には「あら」が見当たりませんでした。脚本が良いのかも。
鑑賞後、冷静に探せばあるのかもしれませんが
「探そうか」 などという気が起きません。 ・-・ はい
鑑賞中に感じた色々な出来事を、そのまま受け止めて見届けたい。
そう思えた作品です。
観て良かった。満足です。
◇あれこれ
■登場人物について
作品の内容についてほとんど触れなかったのですが、出演した役者さん
ほぼ全ての人が好演されてました。なので、簡単に主観入りでご紹介。
・加藤俊樹(鈴木亮平)
妹想いの兄を全力で好演。依怙地なだけではない素敵なアニキ
・加藤フミ子(有村架純)
生まれながらにして他人の大人の女性の記憶もある女性を好演
・中沢太郎(鈴鹿央士)
類を見ない言語学者。…カラス語を制するものは地球を制す
・繁田仁 (酒向芳)
” 花まんま ” に生きる気力を取り戻す姿に思わず涙。
■助演とうぶつ賞
カラス様ぁ。
カラスナビ。いいですね。
ヒトと違ってなにせカラスさんは飛びますから、風見鶏のある家まで
飛行ルートでナビするのではと心配したのですが、杞憂でした。
人間向きに地上移動ルートで案内してくれるとは。
なんとも優れたナビではないですか。欲しい。
カラス語口座があったら受講したいです・_・♡
■まんま
" 飯 " のこと。 おまんま。
おままごと の ” まま ”
花を詰めたら花まんま わーキレイ
猫を詰めたら猫まんま というか ネコ鍋?
おー マンマ・ミーア♪ ※意味不明
■幼馴染み?
の関係なのか、はっきりとは描かれませんでしたが居酒屋の娘。
妹の結婚式前日に泥酔して管を巻くアニキに強烈なビンタ。
” 自分だけが苦労してきたようなカオして!! ”
これの意味って
” 妹だって苦労してきたでしょ! ”
かと思うのですが、もしかしたら
” そんなアンタの愚痴聞いて心配してきたのは誰なのよ ”
…そんな感情も含まれるのかなぁ。
兄に対する「特別な感情(好意?)」もあるのかも。とか。
◇最後に
最後の場面。列席者が彦根に戻る電車の中。
引き出物の包みを開けると…。綺麗な ” 花まんま ”。
披露宴の最後、お見送りの際に一輪の花を来客ひとりひとりに手渡す
ような場面は過去に出席した披露宴でもあったように記憶しているの
ですが(…うんと遠い記憶 @-@)、この花まんまは、その花を豪華
にしたもの と考えていいのでしょうか。
”砂糖菓子” なのかな? とも思いましたが、甘い想い出を出席した人に
共有してもらいたい との、花嫁二人の心尽くしだったのでしょう。
作品を締めくくる良いラストシーンだったと思います。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
全95件中、1~20件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。