劇場公開日 2025年4月25日

「おっさんの流す涙は美しく無いのか」花まんま ださいはずのさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5おっさんの流す涙は美しく無いのか

2025年5月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣きたいために映画を観に行く、という人がかなり多くいるらしい、が私には分からなかった

恋愛もので、二人巡り会ったのにどちらかが余命いくばくも無いことが分かり、その中で永遠の愛を誓うとか、家族もので、ひたむきにその家族へ無償の愛を捧げるとか

それらに近しい実経験も無いし。悲劇といわれる分野の芝居や文学などは、おそらく人の何十倍も観たり読んだりしてきたが、涙を流すことは無かった、今日までは・・・

この作品も、原作者の小説を何作か読んでいたことや、今月内で切れる映画チケットがあり、この作品の上映タイミングが空き時間にたまたま合致しただけ、で観たはずだったのだが・・・

泣きました。この作品。なんでしょうね。鈴木亮平や有村架純の演技はもちろん良かったし、ファーストサマーウイカやオール阪神・巨人、酒匂芳さんとかとかどの演者もしみじみと思いが滲み出ていて、決してあからさまに泣かせにくる演技でも無いのに途中から熱いものが込み上げてきて

おっさんは人生でいろんなことがあっても泣いたりは出来ないのです。女性はほんと泣きもウソ泣きも嗜みの中にあるらしいけど、男、特におっさんは社会的にも歴史的にも泣くことは許されていないのです
スポーツ選手がヒーローインタビューで泣くのは、ヒーローだけに許される特権なのです。負けたり失敗して泣くのは、ナイーブ(悪い意味の方)なのです

映画館で、しかも平日の昼で混みいってない暗がりの中だけで人知れず、おっさんの目から流れるものを手ぬぐいで拭いながら、時期はずれの夏日?猛暑日?で汗を拭いているんだろうくらいに思われながら

世界で最も不幸せといわれる日本のおっさんたち、映画という虚構の中で涙を流してカタルシスを得る、そんな幸せをぜひこの作で

ださいはずの
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