「『円谷映画祭2024』改めて円谷英二の偉業を思い知る! ロマンあふれる古代怪獣編4本が大スクリーンで甦る!!」空想特撮シリーズ ウルトラマン 4Kディスカバリー「浪漫のものがたり」 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
『円谷映画祭2024』改めて円谷英二の偉業を思い知る! ロマンあふれる古代怪獣編4本が大スクリーンで甦る!!
「ウルトラマン」第一作から毎回テーマを決めて、4Kバージョンを劇場上映するシリーズ第3弾。
今回は、ロマンあふれる古代怪獣編4本を映画用に編集!
上映時間:102分
第3話「科特隊出撃せよ」ネロンガ
第19話「悪魔はふたたび」アボラス、バニラ
第26話「怪獣殿下 前篇」ゴモラ
第27話「怪獣殿下 後篇」ゴモラ
※上映順
第3話「科特隊出撃せよ」透明怪獣ネロンガ 登場
1話の宇宙怪獣ベムラー、2話の宇宙忍者バルタン星人に続いて、3話目で初めて地球怪獣が登場。
しかも、史上初の透明大怪獣!!電気を吸って透明になる!!
ネロンガが、東宝特撮映画のバラゴンの着ぐるみの流用であるのは超有名な話です。
観直すと、一度だけ「バラゴン・ジャンプ」を披露してくれたことに気付いた。
ネロンガのスーツ・アクターはゴジラの中島春雄!
動物的な動作がさすがです。
さらに、東宝特撮映画「怪獣大戦争」のAサイクル光線砲車のミニチュアをそのまま流用
本作では、スクリーンプロセスに、オプチカルプリンターによる光学合成、光線や放電のアニメーション合成などを多用していて、当時の最先端の特撮技術が堪能できます。
当時のテレビドラマで、これだけの技術が駆使された映像作品は他になかったはずです!
改めて円谷英二の凄さに驚きます。
第19話「悪魔はふたたび」生殖発砲怪獣アボラス、赤色火炎怪獣バニラ 登場
二大怪獣出現!決戦は「国立競技場」!という大スペクタクル編!
特にミニチュアが見事!
円谷英二が自ら特撮を担当したことで有名な1本。(ノンクレジット)
赤いのにバニラという不思議、タツノオトシゴから発想したデザイン。
対するアボラスは、レッドキングの頭をすげ替えて流用。
印象的な頭が違い、さらに青色にしたので、体が同じでも気づきにくい。
博士が責任を感じて現場に来るのはいいが、自らスーパーガンで普通に攻撃していてびっくり。
他の隊員もおどろきもしないところから、科特隊とは親密な仲なのか。
この回では、イデも、マルス133とスーパーガンを両手で発射、二丁拳銃の技を見せてくれる。
第26話「怪獣殿下 前篇」第27話「怪獣殿下 後篇」古代怪獣ゴモラ 登場
飛び道具を一切持たない怪力と頑丈だけが武器の王道怪獣!
後のシリーズでなぜか念力を使うようになるという謎設定は、本作で斬られた尻尾が単独で勝手に暴れていることを遠隔操作と勘違いしたからか?
前編は、大阪万博出品のために怪獣を輸送するキングコング的孤島冒険編。
未開のジャングルにはつきもののスフランも多々良島に続き再登場。
後編は、大阪城が目玉の都市破壊スペクタクル編。
前後編の大作で、金城脚本の子供に対する目線が優しい。
これだけ毎週怪獣が出てるのに子供たちは「怪獣なんていない」なんて超現実的な設定は、物語の世界よりも視聴者の世界に合わせている。
呑気な団地の両親もまた本当に微笑ましくて、いい感じです。