劇場版モノノ怪 第二章 火鼠のレビュー・感想・評価
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【”守るべきは生まれて来る、ややこの命。”今作は旧弊的な身分社会である大奥の中で起きる怪異を描いた、彩色優美な唯一無二な世界観が魅力的な哀しくも美しき女性の強さを描き上げた作品である。】
<Caution!内容に触れています。>
ー このシリーズの第一章は、絵柄の斬新さとその屹立した世界観に惹かれたが、人物相関関係がナカナカ頭に入って来なくて、少し鑑賞中に意識がトンでしまった。
だが、今作、第二章はストーリー展開も分かり易く、且つ大奥の中で天子の寵愛を受けていた下層武士の家の出であるフキが妊娠した後に起きる、彼女を害しようとするものに対する怪異と、その怪異が生れ出た過去の大奥で起きた哀しき出来事との連関性が分かり易く描かれ、更に物語を彩る彩色優美な唯一無二な世界観が面白かったモノである。
冒頭とエンドで流れる、アイナ・ジ・エンドの哀調を帯びた曲も作品の風合に合っており、作品自体の趣を高めていると感じた事も、併せて記す次第である。-
第一章 唐傘と比べるとやや淡白かな。
「火鼠」は本来「かそ」と読む中国の空想生物。火山の中に住んでいる。火の鳥とだいたい同じものです。「竹取物語」で姫が求婚者にいろいろ贈り物を要求するなか、右大臣阿倍御主人(あべのみひと)への注文がこの火鼠の皮衣。白くて火に強い衣です。本来、中国まで取りに行かなきゃならないのを阿倍御主人は偽物で誤魔化そうとしてばれちゃうんだけど。だから、まあ「火鼠」といえば衣の話になるのかなと思ってたけど違いましたね。本作では「火鼠」は「ひねずみ」と読み、天子の子を懐妊したけど事情があって産むことが許されない女臈の情念が形どったもので、怨みを持つ相手を焼き尽くす物の怪として描かれている。
一作目「唐傘」のレビューにも書いたけど、大奥の空間を表現するにあたって、古今東西ありとあらゆる意匠、デザインを取り込んでいてその自由自在なイマジネーションが素晴らしい。私は大好きです。そこのとこは変わらないんだけど「火鼠」は「唐傘」に比べて話が分かりやすい。また薬売りをはじめとして、女官のアサや、御錠口番の坂下など前作からのなじみのメンバーが出ていることで取っつきやすくなっている。
そのために前作ほどの世界観の特殊性というか凄みがない感じがする。要は淡白なんですね。そもそも尺が前作より15分短いし。
次回作、蛇神に期待。
第二章 大奥炎上
次も期待
やや作りに難があるがおすすめ枠か。
今年80本目(合計1,622本目/今月(2025年3月度)14本目)。
※ 子供へのプレゼントのためにドラえもんを見てからになりますが、これら子供向けアニメ作品にはレビュー需要がないと思うので飛ばします。
こちらの作品です。同じアニメでも大人向け、といった趣がありますね。
しいて言えば、登場人物の一人を演じていた戸松遥さん(「ヴァイオレット~」でアイリス役を演じていた方。この方、4月に何故かサメ映画に実写に出られるんだけど、声優役の方が実写に出るのは珍しい?)のファンなので見に行ってきました。
単体で見ても良いですが、VODでも第一章があり、直接的なストーリーの続きではないですが、アニメとして「どんな雰囲気か」ということを知るにはVOD課金も良いかな、と思います。日本でしいていえば江戸時代あたりをテーマに独特な日本の絵巻のような美しさで描かれるアニメですね。ギャグ的な要素はほぼありません。こうした関係で、日本で適法に住む外国人の方の「古典入門」にもおススメです(あまり複雑な用語が出ない)。
しいて言えば、「章立て形式ではないが実質的に章立てで、章立てがバラバラ」という点があげられます。明示的な章立てではないですが、「章立て」といいうるところは映画内では、(日本の屋敷にある)ふすまが閉まって開いて、という形で描かれるので、この観点では20章くらいある感じですが、章立てといってもストーリーが明示的に変わるわけではないので(75分ほどの作品なので、20章くらいだとすると1章あたり3分くらいというくらいに結構章立ては変わる)、この意味で「ややわかりにくい」部分があります。
ただ、日本文化を扱った大人向けの作品という観点ではよい作品ですし、最後まで見ると「第3幕をお楽しみに」という趣旨のものも流れますので(いつの日か第3章が放映されるようです)、そちらも楽しみです。
採点に関してはやや以下まで考慮しました。
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(減点0.2/ボードゲームが何をしているかよくわからない)
作内では「将棋」という扱いで「王様」や「飛車」さらに「七手詰め」といった語などでますが、将棋の駒のようなものは出ない(折り紙の駒のようなものは出る)し、作内ではこれらは出ても実際の駒の動きのようなものの描写がないので、何のゲームかよくわからず(作内では6×6のゲームだが、それで「将棋類」(いわゆる将棋ではないが、将棋の「ような」ゲームをそういう)だとすると「飛車」に相当する駒が極端に強くなりすぎるので、結局何のゲームなのかよくわからなかったりします(この映画の趣旨的に、海外放映も想定できるけど、どう翻訳するんだろう? japanese chess か shogi (japanese chess)かな?)。
ただ、この「よくわからない6×6のゲーム」は結局作内にはあまり関係しないので指摘はしますがこの程度です。
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唐傘の不足感は…
「愛憎渦巻く」の言葉にふさわしい作品
かつて評判を呼んだアニメ『モノノ怪』の
劇場版三部作、その第二作。
この三部作いずれも舞台は大奥。
愛憎込められた異常な空間として描かれている。
ある者は愛、ある者は地位、ある者は名誉、
様々な欲が交差して禍々しい世界観を作り出す。
モノノ怪という作品が特殊なのは
主人公はポスターにも描かれている『薬売り』ではなく、
その都度登場する人間たちだということ。
オムニバスドラマのようなもので
薬売りはあくまで探偵役といっていい。
もしくはいわゆるストーリーテラー的な
立ち位置なのかもしれない。
全体的にとてもよく出来ており、
三部作の中間とはいえ一本の映画として
よくまとまっている。
世界観が魅力的で美しい。
キャラも愛しいキャラは愛しく
醜い人間はしっかり醜く思えるので
感情移入しやすい。
前作『唐傘』より話はわかりやすい。
愛を知り、愛を憎み、愛に涙する作品。
欠点を強いて挙げるとするなら
まとまっているとはいえ三部作なので
前作の予習があった方が話がわかること、
バトルシーンがあまりに激しすぎて目で追えないこと。
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