「妙な動きのせいで本作の魅力が失われてます」劇場版モノノ怪 第二章 火鼠 かもしださんの映画レビュー(感想・評価)

2.5妙な動きのせいで本作の魅力が失われてます

2025年5月17日
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鑑賞方法:映画館

前作「劇場版モノノ怪 唐傘」のレビューでも触れましたが、やはり本作もキャラクターデザインとビジュアル全体を牽引した橋本敬史さんの降板が悔やまれる中身となっておりました。
上質のアニメーションである事は動きからも理解できるのですが、モブキャラに近い女中の他愛ない会話まで口を動かす必要があったのでしょうか。
とにかく無駄な動きが多く、TVシリーズにあった「静」と「動」が殆ど感じられない中身になってしまったのは残念でなりませんでした。
動きの少ない描写から激しく立ち回る薬屋へと移行する時の緩急が本作の魅力でもあるだけに、気を配って貰いたかったです。
背景や襖の絵ですら会話に利用していたTVシリーズとまでは言わないものの瑣末な会話など「無駄な口の動き」で本作の「静」を台無しにして欲しくはなかったというのが正直な感想です。

とはいえ、本作の要でもあるモノノ怪を斬るために必要な「形、真、理」の描き方は前作よりも遥かに改善されておりました。
なにゆえモノノ怪が現世に顕現しようとするのかが見えてくる真(事の有様)と理(心の有様)が、登場人物たちの物語にきちんと絡んでいる点は大いに楽しめました。
ちゃんと機能していたと思われます。

次回作でひとまず完結らしいのですが、薬屋の魅力を存分に発揮した作品になる事を心から願うばかりです。

かもしだ
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