「同居する下品さと崇高さを描く作品」劇場版モノノ怪 第二章 火鼠 GOさんの映画レビュー(感想・評価)
同居する下品さと崇高さを描く作品
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この作品の特徴は、人間の「下品さと崇高さ」を同時に描くところだろう。
下品なマウントの取り合いをしていたフキとボタンは、
その下品キャラは一切ブレずに「崇高でカッコいい」面を見せる。
この下品と上品の両面性は、人物の「口の描き方」にも表れている。
キャラクターの口は、歯までちゃんと描かれる。
口を開いたときに見える歯は下品に見える。
それはアニメであまり見られないので、ちょっと違和感を感じる。
でもその下品さが口を開くたびに見えてしまうのが人間なのだ。
人間の崇高さや美しさを描くには、下品さを隠す必要はない。
それよりも、下品さを覆い隠すほどの崇高さが、
その人間性からあふれてくればよい。
そういうことを感じさせる作品だ。
そしてそれが、薬屋というキャラが象徴しているものだろう。
欲望渦巻く大奥を舞台にして、人間の下品さを散々描いた後で、
後半に「その中でも陰らない崇高さ」を畳みかける。
フキもボタンもたまらなくカッコいい。
モノノ怪となったスズですら、崇高なのだ。
映像は相変わらず最高に美しく、薬屋はカッコいい。
その中でも本作で一番かっこよかったのは
「お前は何が許せない?」
この謎とその答え、だろう。
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