「独特で艶やかな色彩が作り出す「悲しくも美しい情念の世界」」劇場版モノノ怪 第二章 火鼠 sunbeams72さんの映画レビュー(感想・評価)
独特で艶やかな色彩が作り出す「悲しくも美しい情念の世界」
売店のグッズを見て、作画の美しさにやられ、何も知らない状態で見に行きました。アート作品っぽい先入観があり、正直、ストーリーには期待せず、シートに体をうずめました。話は、大奥が舞台です。会社の派閥争いのような、俗物たちの思惑が交錯するドロドロな世界をベースに、女たちの情念が描かれています。ストーリーは、わかりやすくスッと話に入り込めました。74分と短いのですが、話の展開がうまく作られていて、最後のクライマックスは、アニメの動きが激しく派手で大迫力でした。主人公の薬売り、ボタンとおすずの3人が強く印象に残ったのですが、登場人物それぞれが魅力的に描かれていて人間味がありました。ボタンさん、凛としていてかっこいいです。
アニメが、エンボス加工した紙のような下地の上に描かれていて、強いこだわりが伝わってきます。絵が美しいせいか、ドロドロした世界も横溝ワールドのようなおどろおどろしさは感じませんでした。それと、顔の表情の動きが細かく丁寧に描かれていて、アニメーターの方々の情熱が伝わってきます。
見る予定のなかった映画で感動し、骨董市で掘り出し物を探し当てたような得した気分です。
帰りは、「薬売り」演じる神谷浩史さんのタッチパネルナレーションを聞きながら、回転寿司を楽しもうと思います。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。