劇場公開日 2025年8月8日

「創作を極力排したということか」アイム・スティル・ヒア くーにー62さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 創作を極力排したということか

2025年8月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

あたかもドキュメンタリーのように。
子煩悩で裕福な元議員の夫とその妻、5人の子どもたちとの幸せな日々が描かれる前半、そして突然訪れる夫の逮捕と自身の取り調べを境とする後半。この明暗がくっきりして軍政の非道ははっきりしているのだが、目を覆うようなショッキングな描写はないし、かといって謎解き要素があるわけでもなく、反体制派であることは示されるけれど、夫がどのように落命したのかは不明なままだ。実際によくわかってないから、過度な創作はしないというスタンスだったのだろうと思う。ブラジル含め南北アメリカではよく知られた話なのかな。
ホームムービーや記念写真が効果的に挿入される。思い出は美しい。けれど甘すぎない。釈放後のシャワーシーンが痛々しい。けれど美しい。

くーにー62